1学年の2学期に押さえたいポイント②

前回からの続きです。

前回では、1つのポイントを取り上げました。
ポイント1 複数形の概念を押さえる

そして、次のポイントは、

ポイント2 3単現の概念を押さえる

別な記事でも取り上げましたが、
1年生の2学期には、英語学習の大きな山が待ち構えています。

それは、3人称・単数・現在(3単現)の登場です。

複数形の概念が希薄な日本語には、
この「3単現」という「考え方」はありません。
だから、定着するのが難しいのですが・・・・

根本的な部分から言うと、

日本語は「人称」にこだわらない言語
英語は「人称」にこだわる言語

という特徴が存在して、これが英語学習の大きな阻害になっています。

「人称」にこだわる英語

英語は、1人称、2人称、3人称をきちんと押さえた上で
使われる言語です。

できるだけ簡潔に言うと
英語は、
「自分 ( I:1人称 ) 」の意見を「相手( you:2人称 )」に対して主張し、
そこからコミュニケーションを始める
という言語だからです。
ー自分の意見を主張し、相手がその意見をしっかりと聞いて、自分なりの
考えをまた述べる、という意見の交換が基本なのです。-

そして、そのコミュニケーションの場にいない者を
「彼 / 彼女(he / she:3人称)」として、その情報は
「不確実性」を含むということを認識しあっているのです。

参考記事



「人称」にこだわらない日本語

・一方日本語は、「空気を読む」ことが
一番良いコミュニケーションであると信じてきた言語です。

そのため、
日本語の会話では、「主語」が省略されることが
頻繁に行われますが、それでも意思の疎通がある程度できてしまいます。

「周りと同調」することを強制する日本語と、
「自分」を主張することを第一義と考える英語が、
「人称」に対する認識の強さが違うの当たり前です。

参考記事




be動詞の3単現

・be動詞の場合、3単現という言葉は普通は使いませんが、
同じ現象は be動詞でも置きます。
(そうでないと言語としておかしいと思います。)

・be動詞の基本的は意味は、
「=(イコール)」で、主語との「関係性」を示す言葉です。

・英語の「I」では、「am」という特別な be動詞を用いて
(それは、英語が「I」という人称を特別に重視しているという
表れです。)、その「相手」となる「you」では、
「are」を be動詞を使います。

~be動詞では~
I am / You are の「関係性」がコミュニケーションの基本です。
それ以外のものは、「I」と「you」との密接な関係性とは違い
その場からかけ離れているものと考えてその単数に対しては、
「is」を用いているのです

※be動詞の3単現は、「is」である。

<例>
A:I am intereseted in Kabuki.
B:Oh, are you? Me, too.
A:It is very difficult to understand, but very interesting.

<解説>
◎AとBの会話ですが、最初に A が「歌舞伎」に興味があると話題提供し、 それに対して Bは、「あなたも?私もです。」と A と B の間で、 「I」と「you」の会話を成立させています。 ーしかし、その「場」にない「歌舞伎」に対しては、「It is 」という ように「is」を用いて、「距離感」を示しています。

主語が複数を示す場合、be動詞は「are」を用いますが、 前回のポイントでお話したように、「複数形」は、英語では 「一般的なもの・人」を指すので、その「距離感」が遠いを
わざわざ示す必要がないのです。

一般動詞の3単現

・一般動詞の3単現は、動詞の語尾の -(e)s が付くという
不思議は現象が起きる、というものです。

・上記の参考記事「中1の英語学習の2つの山~」で語っているので
簡単に言うと、
一般動詞の3単現の形(動詞の語尾に -<e>sがつくこと)は、
情報が不確実であるということーを示しているのです。

<例>
A:I know Ken very well.
B:Oh do you? But I don’t know him.
A:He is very rich, and he has a nice car.

<解説>
◎AとBとの会話で、最初にAは「I know~」と言い、 「ケンを知っている」という事実を述べます。それに対して、 Bは、「あなたは知っているのね」と相づちを打ち、一方 「自分は知らない」という事実を述べます。それに対して、 Aは、「He is」を用いて、彼がその場にいないことを示し、かつ「he has a nice car.」と 言っていますが、これはAの「過去の事実から」推測した不確実性を含む「ケンに関する」文です。(he has a nice car. は・・・Aが過去のある時点で「ケン」が車を所有していることを間接的に知ったか、または直接的な経験から知った事実であるが、現在もその状態が続いているとは限らない、という意味をもつ英文なのです。)そのため、3単現が起きて「have が has」と3単現になっているのです。

基本的な3単現の構造的なポイントは?

・概念的なもの(ほぼ私の個人的な考え方ですが)上記のようになりますが、
実際の教師としては、もっと構造的に3単現を教える必要があります。

その場合は、
・3人称とは・・・
・単数とは・・・・
・複数とは・・・
などを、例文を提示して、生徒から気づかせる方法がよいかと思います。

例えば、音声で英文を導入してから、それを文字で
① I have a pen.
② You have a pen.
③ She has a pen.
のように示し、音声と文字から違い気づかせ、そしてどんな時にこの現象が起こるのかを
推測させることは、「3単現」を定着させる上で必要だと思います。

様々な例文を示していく中で、
・主語が3人称・単数で、現在の文の時は、なぜか、一般動詞の語尾が -es がつく
ということを生徒に「発見」させ、これを「3単現」だと教えるようにしたいものです。

そこまで来ると、
後は、do の英文と同じ働きを does もすることを気づかせて、
否定文、疑問文を機能的につくることができるようにしましょう。

<例>
[1] ーYou like cakes.
否定:You don’t like cakes.
疑問:Doyou like cakes?   Yes, I do. / No, I don’t.

[2] ーKen likes cakes.
否定:Ken doesn’t like cakes.
疑問:Does Ken like cakes?  Yes, he does. / No, he doesn’t.
※私であれば、[1]のlike には「do」が隠れていて、それが否定文・疑問文の時に姿を現すけれど、[2]も同じ。ただし、likes の -s は「does」のしっぽの -s が姿を現してるだけ。あとは、do と同じだよ、と教え、否定文・疑問文を推測させて作らせます。

以前学んだことが、
新しい部分でも同じであることを気づかせることは、単調な英文法の授業に少しではありますが、子どもたちに興味関心を高める源になると思います。

今回はここまで。

 

「1学年の2学期に押さえたいポイント」は「①」から「④」まで
あります。下記にリストアップしますので、興味があるのものが
ありましたら、どうぞクリックしてお読みください。
①複数形の概念を押さえる
③人称代名詞の変化
④WH疑問文とその答え方

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