比較:発展編〜⑥比較級その3

比較:発展編
比較級を用いた表現の3回目です。

今回は、
比較級の用いた様々な表現を解説します。

①  less +原級 +than 〜 で「〜ほど – 原級 – ではない」

▶︎ less は、 little の比較級の形で、
little – less – lessen
と変化し、元来は「より少ない」という意味です。

👉ここから、
less +形容詞/副詞の原級 than + 比較対象  の形で、
【「比較対象」ほど、「形容詞/副詞」の程度が高くない (低い)】ことを表現できます。

ex.1 May is less kind than her brother.
「メイは、彼女の兄ほど優しくはない。」
▶︎ここでは、May が her brother ほど kind の程度が高くない、ことを表現しています。
▶︎kind は形容詞で原級

ex.2 Taro now speaks less quickly than before.
「タロウは今は以前ほど速く話さない。」
▶︎ここでは、Taro が before ほど quickly の程度を高くは話さない、ことを表現しています。
( Taro の話し方の「今」と「以前」の様子を比較しています。)
▶︎quickly は副詞で原級

※「〜ほど … ではない」という表現は他に
not as(so) … as 〜 という形で表現することができます。
less 原級 than 比較対象 = not as(so) 原級 as 比較対象 (as … as の否定文)

ex.1 であれば、
👉 May is not as kind as her brother.
ex.2 であれば、
👉 Taro now doesn’t speak as quickly as before.

◆ less を用いた表現と、as … as を用いた表現では、
as … as  の否定の形の表現がよく使われます。

⬜︎ ex.1 の例文 (May is less kind than her brother.) は、
May is unfriendlier than her brother. という内容を、マイナスイメージの
unfriendly を直接使わないようにしたという配慮をした表現です。
そのため、less 原級 than の形では、通常 little, short, narrow, thin の
ような「マイナスイメージ」の単語を使いません!

まとめ

🔴 マイナスイメージの表現をさける場合
less +形容詞/副詞の比較 than +比較対象 – の表現を用いる。
「比較対象ほど、[形容詞/副詞] の程度が高くない」
▶︎2者の比較で「〜ほど … ではない」という表現をするのであれば、
as … as を用いた、  not as(so) 形容詞/副詞の原級 as +比較対象 と表現することの方が多い。

② 比較級 and 比較級

▶︎比較級は、比較して「差」がある状態を表現します。
その比較級を、
比較級 and 比較級 の形で重ねていくので、
ます「差」が大きくなる状態を表現することができます。

ex.3 The noise outside is becoming louder and louder.
「外の騒音がますます大きくなっている。」
▶︎louder という比較級を重ねることにより、
「外の騒音」が、「どんどん大きくなっている状態」を表現しています。

ex.4 The situation is getting more and more difficult.
「状況は、ますます困難になっている。」
▶︎比較級は more difficult で、
そのまま重ねると more difficult and more difficult となりますが、
difficult の繰り返しをさけて、more and more difficult と表現します。
👉比較級が more を用いる形の場合は、
形容詞・副詞の繰り返しを避けて、more and more +形容詞/副詞 の形で表現する。

ex.5  More and more people from abroad are coming to Japan these days.
「最近ますます多くの外国人が日本を旅行しています。」
▶︎more は「より多くの」という “many” の 比較級。
これを重ねることにより、「ますます多くの人 – 人数が増えている状態」を表現しています。
👉比較級 and 比較級 +名詞 の形

まとめ

🔴 比較級 and 比較級
比較級を重ねることにより、「ますます …..」と「その差が大きく」なっていく
ことを表現することができる。
[1] 比較級が -er の形の場合:
▶︎ 〜 er and 〜 er
[2] 比較級が more +形容詞/副詞の場合
▶︎ more and more +形容詞/副詞
[3] 比較級 and 比較級 +名詞 の形もあり

③ 同一人物における more A than B

▶︎比較級を用いた表現では、普通
主語 + 動詞 + 比較級 than B. のように、
「比較対象(人やもの)」が 主語と B の2つ(2者)で、
「比較のポイント」が 比較級の形で示されます。

👉しかし、
場合によっては、同一人物」の中で、2つの異なる性質のものを比較することもあります。

▶︎その場合、
「主語」の部分に、「同一人物」を当てはめ、
2つの異なる性質を、more A than B の A とB に置きます。

例文で確認してみましょう。

ex.6  Her behavior is more rude than foolish.
「彼女のふるまいは、愚かというより、むしろ無礼です。」
▶︎「彼女」という同一人物の「ふるまい」について、
[rude] と [foolish]という2つの異なる形容詞を用いて表現しています。
・この文章は、肯定文なので、
Her behavior is (more) rude なので、「ふるまい」は「無礼」なんです。
何と比較しているかというと「愚かさ」です。
▶︎「愚かというより、むしろ無礼」という意味になります。

ex.7 He is more of a musician than an actor.
「彼は俳優というよりミュージシャンです。」
▶︎「彼」という同一人物について、
「ミュージシャン」と「俳優」と2つの異なる性質のもので比較しています。
・この文章も肯定文なので、
He is (more of) a musician なので、「ミュージシャン」なんです。
▶︎「俳優というより、むしろミュージシャン」という意味になります。

まとめ

🔴 同一人物の中で、2つの異なる性質のものを比較する時は、
・more A than B で表現する。(A と B には形容詞の原級が入る)
A と B に名詞が入る場合は、
・more of A than B と A の前に of をつける。
※この表現は、not so much B as A や A rather than B ( rather A than B )
を用いても表現することができます。
それについては、下記をご覧ください。

④ 数に関わる表現 – more than 数 / fewer (less) than 数

▶︎ここでは、
「数」に関わる比較級を用いた表現を確認しましょう。

👉最初に確認しなければいけないのは、
「比較級」は、2者の間に「差」があることを表現する形です。
「差」がなく同程度であれば、as … as を用いるのが一般的です。
(全く同じであれば、the same as を用います。)

※2者の間に
・「差」がある場合 → 比較級
・「同程度」である場合 → as … as
・「全く同じ」である場合 → the same (as) 
を用いて表現する

▶︎よく “more than” は「〜以上」という意味で覚えがちですが、
この表現は、当然 more という比較級を用いているので、
「差」がある場合、すなわち「より(数値が)大きい」という意味になるのです。

例文で確認します。

ex. 8  There were more than 10 people in this room.
「この部屋には、11人以上いました。」
▶︎more than 10 people は、「10より大きい数」の人、という
意味になるので、正確に言うと「11人以上」という意味になります。
「10人以上」と表現したい場合は、ten or more people  となります。

ex.9  Ken got fewer than 5 e-mails yesterday.
「ケンは昨日5通未満のEメールを受け取った。」
▶︎fewer than 5 e-mails は、「5より小さい数」のEメール、という
意味になるので、正確に言うと「5通未満」のEメールとなります。
(「5通以下」とすると、「5通」も入るので意味が違います。)
「5通以下」と表現したい場合は、five or fewer e-mails となります。

まとめ

🔴 数について more than / less than を用いる場合のポイント
[1] more than 数 の意味 
▶︎「数」より大きい ※「数」は含まないので注意
▶︎「数」以上、とする場合は、
「数」or more 〜 と表現する。
[2] fewer (less) than 数 の意味
▶︎「数」より小さい=「数」未満 ※「数」は含まないので注意
▶︎「数」以下、とする場合は、
「数」or less 〜 と表現する。
※fewer は「数えられる名詞(数)」、
less は「数えられない名詞(量)」に対して使われます。
– She has less than twenty dollars now.
「彼女は今20ドル未満しか持っていない。」

おまけ

▶︎似たような表現で、
children under five のようなものがあります。
👉under も「下」という意味ですが、
その基準となるものとの間に「空間」がある場合の「下」というニュアンス
があります。
→すなわち、children under five は、「5歳より下」の子供たち
「5歳未満(5歳は入らない)」という意味になるので注意!
※「5歳以下」とする場合は、children of five years or under となります。

 

今回はここまで

🔴比較・発展編での「比較級」は「その1」から「その5」まであります。
興味のある方は下記をクリックしてご覧ください。
👉比較級その1
・比較級を用いた否定のニュアンス
・比較の差が大きい、小さいことの表現
・than の後ろの来る比較対象について
👉比較級その2
・the 比較級
[the の働き / 絶対比較級 / all the 比較級 / none the 比較級 / the 比較級 SV, the 比較級 SV.]
👉比較級その4
・no 原級 than
・A is no more B than C is D.
・A is no less B than C is D.
・no less than 数
👉比較級その5
・more or less
・sooner or later
・know better than to 不定詞
・much less
・than を用いない「比較」表現

🔵原級、最上級の発展編を確認したい方は下記をクリックしてください。
👉原級その1
👉最上級その1

 

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