・前回は、複合関係副詞の基本的な意味とその使い方について
解説しました。
今回は、複合関係副詞の2回目ですが、
前回より、少し違う、応用的な使い方についてお話していきます。
①複合関係副詞には形容詞的な使い方はなし
・複合関係代名詞には、
👉whatever と whichever を、形容詞的に
「whatever+名詞」「whichever+名詞」の形で用いることができました。
▶︎しかし、
wherever, whenever は、それだけで「場所」「時」を表しているので、
「+名詞」で形容詞的な使い方はできません。
◎複合関係代名詞との違いとして、確認しておきましょう。
②「〜だとしても」も意味する複合関係副詞(譲歩)
・「複合関係副詞って何だ!①基礎編」での
「複合関係副詞」は
【複合関係副詞】 | 【名詞節での意味】 |
① wherever | 〜するところはどこでも |
② whenever | 〜する時はいつでも |
という意味で、名詞としての「ひとかたまり」を構成していました。
※名詞としての「ひとかたまり」とは、
▶︎<主語+動詞>を含む「文」の「ひとかたまり」が、
「名詞」としての役割をすること。
「名詞節」ともいい、文の「主語」「目的語」「補語」になることができます。
👉この「複合関係副詞」が
副詞としての「ひとかたまり」を構成する場合があります。
※副詞としての「ひとかたまり」とは、
▶︎<主語+動詞>を含む「文」のひとかたまり」が、「副詞」としての役割をすること。
「副詞節」ともいい、[時][条件][原因・理由]などの様々な情報を「主節」に加えることができます。
副詞節を構成する複合関係副詞:譲歩
・この副詞節で複合関副詞が使われる時、
複合関係副詞は「譲歩」という「情報」を「主節」に加えます。
※「譲歩」とは、
▶︎「〜だとしても」という意味で、
【自分の主張にとって都合の悪い事実を認めたうえで、それでもなお自分の主張を変わらない
ということを述べる表現方法】のことです。
(【〜】内:総合英語フォレスト Forest 第6版 同志社大学名誉教授 石黒昭博監修 桐原書店からの引用)
この「譲歩」としての使い方をすると、複合関係副詞は、
【複合関係副詞】 | 【副詞節での意味】 |
① wherever | どこへ[に]〜しようとも |
② whenever | いつ〜しようとも |
③ however ※副詞節のみ | どれほど〜しようとも |
のような意味になります。
それでは、それぞれの例文を見てみましょう。
ex.1 [Wherever] you go, I’ll be with you.
(あなたがどこへ行こうとも、私はあなたと一緒にいるよ。)
【解説】
・Wherever you go が、副詞節で、主節( I’ll be with you. ) に「譲歩」の
情報を加えています。
・副詞節の中で、
wherenver が「場所」を示し、you が主語、go が 主語となっています。
※wherever は「場所」を示すので、wherever 主語+動詞〜 の形で使われます。
ex.2 [Whenever] Kenta goes to the park, his dog barks.
(いつケンタが公園に行こうとしても、彼の犬は吠えます。)
【解説】
・Whenever Kenta goes to the park が、副詞節で、主節( his dog barks.) に「譲歩」の
情報を加えています。
・副詞節の中で、
whenever が「時」を示し、Kenta が主語、goes が動詞となっています。
※whenever が「時」を示すので、whenever 主語+動詞〜の形で使われます。
ex.3 [However tired] Emi is, she is very kind to everyone.
(どれほど疲れていても、エミは誰に対してもとても優しい。)
◎however は、
however +形容詞[副詞] のひとかたまりで使います。
【解説】
・However tired Emi is が、副詞節で、主節( she is very kind to everyone.) に「譲歩」の情報を加えています。
・副詞節の中で、
however tired が「様子・状態」を示し、Emi が主語、is が動詞となっています。
※however +形容詞[副詞] で「様子・状態」を示すので、
【however +形容詞[副詞]】主語+動詞〜 の形で使われます。
「譲歩」の複合関係副詞の文を書き換えると・・・
・「譲歩」を示す複合関係副詞も複合関係代名詞と同じように、no matter 〜 を使って表現することもできます。
上記の ex.1 〜 ex.3 を使って書き換えると次のようになります。
ex.1 [Wherever] you go, I’ll be with you.
👉 [No matter where] you go, don’t answer the phone.
ex.2 [Whenever] Kenta goes to the park, his dog barks.
👉[No matter when] Kenta goes to the park, his dog barks.
ex.3 [However tired] Emi is, she is very kind to everyone.
👉[No matter how tired] Emi is, she is very kind to everyone.
まとめると・・・
【「譲歩」を表す複合関係副詞の書き換え方】
◎ wherever ▶︎ no matter where 〜
◎ whenever ▶︎ no matter when 〜
◎ however+形容詞[副詞] ▶︎ no matter how +形容詞[副詞] 〜
however 主語+動詞〜の形もある!
・however の後ろに形容詞[副詞」がなく、すぐ後ろに主語+動詞〜が来る場合は、
👉「どんな仕方で〜しても」「〜するどんなやり方でも」という意味になります。
ex.4 You will get to the same answer [however] you do it.
(どのようにやったとしても、あなたは同じ答えにたどり着くだろう。)
【解説】
・however you do が、副詞節で、主節( You will get to the same answer) に「譲歩」の情報を加えています。
・副詞節の中で、
however が「どんな方法でも」を意味し、you が主語、do が動詞となっています。
おまけ:however は接続詞的にも使われます!
・however は幅広く使われ、
なんと「接続詞的」にも使われ、その場合は「しかしながら」という意味になります。
ex.5 However, I didn’t change my mind.
(しかしながら、私は自分の考えを変えなかった。)
ex.6 Bob came here early. There was, however, still a long line.
(ボブは早くここにやってきた。しかしながら、すでに長い列ができていた。)
※however がこの意味で使われ場合は、
文の中間に置かれることが多いですが、文頭や文に終わりにも置くことがあります。
※この however はbut とほぼ同じ意味ですが、but より堅苦しい表現です。
これで、
複合関係副詞については終了です
※複合関係詞については、本記事を含めて下記の5つの記事があります。
興味がある方はどうぞクリックしてご覧ください。
複合関係詞って何だ!
複合関係代名詞って何だ!①基本編
複合関係代名詞って何だ!②発展編
複合関係副詞って何だ!①基本編
複合関係副詞って何だ!②発展編
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