比較:発展編〜⑤比較級その2

比較:発展編
比較級を用いた表現の2回目です。

今回は、
the と 比較級に関わる表現を解説します。

最上級では、基本的に3つ以上のもの・人を比較し
「一番〜」を意味するので、「1つのもの・人・状態」であることに限定されるので、
the がつきます。

それでは、
比較級と the にはどんな関係があるのでしょか。

the 比較級 のさまざまな表現

▶︎最初に、the はどんな働きをする冠詞なのかを
振り返ってみましょう。

“the” の働き

▶︎ the は、中学校の時点では、
「その」という意味、「一回出てきたものに対して a を the にする」などと
教えられることが多いと思いますが…

the の基本ニュアンスは「1つに決まる」です。

※この「1つに決まる」は、その役割からおよそ2種類に分けられます。
① 同種類の中で「1つに決める」the
② 全体の中で区別して「1つに決める」the

①について
▶︎ Once upon a time, there was a cat. The cat was called Tama.
※最初に、「ある猫」がいた、と紹介し、その次に、
それと「同じ猫」について「タマと呼ばれていた」と説明を加えていました。
-「猫」という同種類の中で、そのうちの「1つの猫」であることを
the が示しています。

②について
▶︎ I always get up early in the morning.
※1日という「全体」の中で、「朝」「昼」「晩」と分けられるうちの
「1つの時間帯」である「朝」であることを決めている the です。

このような働きを the がすることを理解した上で、
以下の表現を解説していきます。

👉 2者の間での the 比較級

▶︎比較級は、「2者を比較」する文なので、
 the 比較級 の形を使うと、
– 「比較された2者のうちの片方の1つ」であることが決まります。

例文を見てみましょう。

ex.1  Kenta bought the larger of the two watches.
(ケンタは2つの腕時計のうち、大きい方を買った。)
▶︎「大きい」腕時計と「小さい」腕時計の2つがあって、
そのうちの1つ「大きい方」を選んだので、the がつきます。
※この the は上記で説明した ①同種類の中で1つに決める the です。

まとめ

🔴 2者の比較で、
比較された片方を表現する場合は、 the 比較級 を用いる。
※ the 比較級 of the two … の形で使われることが多い。

👉 絶対比較級

▶︎絶対比較級という言葉がわかりづらいので、
先に例文を示します。

ex.2 The older generation is afraid of SNS.
(年配の世代は、SNS を嫌がる。)

ex.3 A monkey is a higher animal.
(サルは、高等動物である。)

これらの形を見ると、

①比較対象がはっきりしていない
– than を使わない
②名詞の前において使われることが多い
– (a, an / the) 比較級+名詞
③比較対象は明示されていないが、暗にその反対の表現が
意識されている。
( the older generation であれば、the younger generation。
a higher animal であれば、a lower animal )

〜ということがわかります。

このような使い方をする比較級を、
絶対比較級と言います。
※絶対比較級は、基本的に「全体を2つに分けて」話すことを基本とするため、
the を伴うことが多いです。
この場合の the は、上記で説明した② 全体の中で区別して「1つに決める the です。

 まとめ

🔴具体的には比較の対象を示さず (than を用いず)、
全体をおおざっぱに2つに分けて、
「その一方は」という場合は、(the) 比較級+名詞 の形で表現することができる。
※おおざっぱに2つに分けた一例
・the upper class ↔️ the lower class
・higher education ↔️ (primary + secondary education)
◎これを絶対比較級と言います。

副詞的な the と比較級

▶︎実は、the は比較級と一緒に用いると、
「1つに決まる」the ではない、副詞的に使われる the になる場合もあります。

the +比較級 で「それだけいっそう〜」という意味になる

※この表現は、「比較級」が2者の比較の「差」を表現するものであり、
その「差」を all や none で強調したり、または2つの「差」を関連づけることにより
副詞的な意味を持たせる用法です。

それぞれの具体的な表現方法を見てみましょう。

👉 (all) the 比較級 

▶︎ all は強調のためつけられる言葉で、
省略して the 比較級 としても同じように使えます。
意味は、上記で示したように「それだけいっそう〜」になります。

ex. 4  Emi likes Tom all the better for his kindness
(エミはトムが優しいので、それだけいっそう彼が好きです。)
▶︎ (all) the better で「それだけいっそう〜」というニュアンスがあるため、
「それだけいっそう〜」となる理由を加えることが多いです。
ここでは、all the better for +名詞 の for +名詞で理由を加えています。 

ex. 5 We respect Mr. Johnson all the more because he is very intelligent.
(私たちはジョンソン先生がとても知的なので、それだけいっそう彼を尊敬しています。)
▶︎ all the 比較級 for +名詞 以外に、文で理由を表現したい時は、
all the 比較級 because +文 の形で、理由を表現することもできます。

まとめ

🔴 (all) the 比較級 で、
「それだけいっそう〜」と表現できる。
▶︎理由を加える場合は、比較級 の後ろに、
for +名詞、または、because +文 の形を置いて表現できる。
※(all) the 比較級 [ for +名詞 / because +文] :(…. なので) それだけいっそう〜
all は強調の役割なので、省略することもできる。 

👉 none the 比較級

▶︎ 比較の文で none が使われると、
それは、「差」がなくなることを意味します。

それでは、none the 比較級 ではどんな意味になるのでしょう。
例文で解説します。

ex. 6 Taro was none the worse because he went out in the hard rain.
(タロウは激しい雨の中でかけたので、より具合悪くなったというわけではなかった。)
→ none the worse で 「the worse の差がない=変わらない」ので、
「具合が悪くなったわけではない」となります。
▶︎ none the worse では「いっそう〜ではなくなった」という理由を加えるのが
一般的です。all the 比較級 と同じように、比較級の後ろに because 文 を加える
ことができます。

ex. 7 Masahi worked none the harder for becoming a father.
(マサシは父親になったから、いっそう懸命に働いたというわけではなかった。)
→ none the harder で「the harder の差がない=変わらない」ので
「懸命に働いたというわけではなかった」となります。
▶︎ all the 比較級と同じように、for +名詞(例文では動名詞)の形でも
理由を加えることができます。

まとめ

🔴 none the 比較級 で、
「それだけいっそう〜というわけではない」と表現できる。
▶︎理由を加える場合は、比較級 の後ろに、
for +名詞、または、because +文 の形を置いて表現できる。
※non the 比較級 [ for +名詞 / because +文]
:(…. なので) それだけいっそう〜というわけではない
◎言い回しが少し周りくどいですが、
結局 none で「差がない」、すなわち「変わらないんだ」というニュアンスを
押さえておけば大丈夫です!

👉 the 比較級 SV, the 比較級 SV

▶︎今回の最後は、この形です。
見てわかるようにこの形は、
the 比較級 の形を2つ重ねた形。
the 比較級が、それぞれ文頭に来ているのは、
その部分の関連(比例の関係)を強調したいから。

– そうすると、
「それだけいっそう〜すると、それだけいっそう〜する」
→すなわち2つの文の何らかの関連が「同じ程度」で増えたり、減ったりする比例関係
にあることを表現する形になるのです。

例文を見てみましょう。

ex, 8 The higher we go up the mountain, the colder the air becomes.
(その山を高く登れば登るほど、空気は冷たくなる。)
▶︎元の形は、
・We go up the mountain high
・The air becomes cold.
ここで、「高くなればなるほど – 冷たくなる」とするため
high を the highercold を the colder にして、
それぞれの文頭に持ってきた形です。

ex. 9 The more time you have, the more movies you can see.
(時間があればあるほど、あなたは多くの映画を見ることができる。)
▶︎元の形は、
・You have more time.
・You can see more movies.
ここで、「時間が多くあればあるほど – 多くの映画を見る」とするため、
more time を the more time、more movies を the more movies にして、
それぞれの文頭に持ってきた形です。
※このように、その「比例関係」にあるものを文頭に持ってくるため、
the 比較級+名詞 がひとかたまりとなって前に来る場合もあります。

まとめ

🔴「〜すればするほど、〜だ」と表現をする場合は、
2つの比例関係を明確にするため、
The 比較級 S V、the 比較級 S V という形を用いる。
※ただし、「比例関係」で比較級+名詞 がひとかたまりとなる場合は、
The 比較級+名詞 SV の形用いる。

 

今回はここまで

🔴比較・発展編での「比較級」は「その1」から「その5」まであります。
興味のある方は下記をクリックしてご覧ください。
👉比較級その1
・比較級を用いた否定のニュアンス
・比較の差が大きい、小さいことの表現
・than の後ろの来る比較対象について
👉比較級その3
・less 原級 than
・比較級 and 比較級
・同一人物における more A than B 
・数に関わる表現 more than 数 / fewer(less) than 数
👉比較級その4
・no 原級 than
・A is no more B than C is D.
・A is no less B than C is D.
・no less than 数
👉比較級その5
・more or less
・sooner or later
・know better than to 不定詞
・much less
・than を用いない「比較」表現

🔵原級、最上級の発展編を確認したい方は下記をクリックしてください。
👉原級その1
👉最上級その1

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