今回から、
比較の「発展編」に入ります。
※「発展編」というのは、主に「高校」で学ぶ「比較表現」という意味です。
比較の基本的な部分に関しては、
「中学校」のカテゴリーの「比較」で扱っていますので、
基本的な部分を確認したい方は、どうぞそちらの方をご覧ください。
第1回の今回は
原級を使った as … as の表現についてです。
① as … as A の構造
▶︎ as … as A の構造として、
以前このブログでは
例えば、 ① Ken plays tennis. このように、as … as Aの表現は、
このような形で、 |
と解説しています。
as … で「比較のポイント」を示す
▶︎最初の as … の部分では、
「比較のポイント」を示さなくてはいけないので、
… の部分には「形容詞」や「副詞」などの様子や状況、程度を示す単語が来なくては
いけない、というルールがあります。
次の例文を見てください。
a. I am as tall as Kenta.
(私はケンタと同じくらいの背の高さです。)
👉「比較のポイント」が、「背の高さ」なので、「高い:tall」という形容詞が、
as の後ろにやってきます。
b. Kenta can run as fast as Tim.
(ケンタはティムと同じくらいの速さで走れる。)
👉「比較のポイント」が、「速さ」なので、「速く:fast」という副詞が
as の後ろにやってきます。
c. Emi is not as good at speaking English as May.
(エミはメイほどは英語を話すのが上手ではありません。)
👉「比較のポイント」は、ここでは「上手」という意味の「良い:good」という形容詞が
as の後ろにやってきます。
🔴ただし、ここでは、 “be good at 〜” という熟語で表現しているので、
as … as の間に (good) at speaking English までの「ひとかたまり」が
「比較のポイント:英語を話すことの上手さ」となっているのです。
d. Taro has as many CDs as Bob.
(タロウはボブと同じくらい多くのCDを持っています。)
👉「比較のポイント」は、「多さ」なので、「多い:many」という形容詞が
as の後ろにやってきます。
🔴ただし、ここでは、「CDの多さ」が「比較のポイント」となっているので、
many CDs が「ひとかたまり」として as … as の間に入っています。
ポイント1 ・as …. の「比較のポイント」は、「形容詞」や「副詞」1語とは限らず、 「形容詞」や「副詞」で始まる「ひとかたまり」でも「ポイント」となれる。 |
注意するパターン
▶︎次のような「日本語」を「英語」にする場合は注意してください。
彼女は、私のおばと同じくらい良い人です。
e. She is as a nice person as my aunt.
👉「良い人:a nice person」で「ひとかたまり」で「比較のポイント」に
なりそうですが、これは、間違い ❌ の英文です。
【どうして間違いなのか?】
・どうも、この「比較のポイント」を表す as は、すぐ後ろに「ポイント」となる
「形容詞」か「副詞」が来なければいけない文の構成になっています。
👉 e. の間違いの英文では、as a nice person では、
as と nice の間には、余計な冠詞の a が入ってしまっているので、間違いなのです。
【それでは正解は?】
・「比較のポイント」の as の使い方に合わせるには、
冠詞の a を後ろの名詞 person につけると、as nice の形ができます。
▶︎as nice a person
これで、正解となります。
f. She is as nice a person as my aunt. ⭕️
ポイント2 ・as … の比較のポイントが「a / an +形容詞+名詞」になる場合は、 as の働きから、「as +形容詞+ a / an 名詞」の語順となるので注意! |
as A で「比較対象」を示す
▶︎後ろの as A では「比較対象」を表現します。
もちろん、この A は「主語」の「比較対象」となっています。
中学校のレベルでは、
この A も 「主語」と「比較対象」となるような John や 地名などの「単語」1つであることが
多いですが、基本的に「主語」と同じ形であれば、単語1つであるとは限りません。
次の例文を見てください。
a. Watching a movie is as interesting as swimming in the river for me.
(映画を見ることは私にとって、川で泳ぐことと同じぐらい面白い。)
👉主語が watching a movie と「動名詞」を用いた形なので、
「比較対象」も swimming と「動名詞」を用いた形になっています。
b. The culture in Japan is as beautiful as that in Australia.
(日本の文化は、オーストラリア[オーストラリアの文化]と同じくらい美しい。)
👉主語が the culture in Japan となっているので、
「比較対象」もそれに合わせて that in Australia となっています。
(※ as in Australia では間違いとなります。)
c. Ted is not as cheerful as he used to be.
(テッドは以前の彼ほど明るくはありません。)
👉主語が Ted ですが、ここでは「今の Ted 」と「昔の Ted」を
比較しているので、Ted が主語となっている “Ted is not cheerful” の
「比較対象」が、”he used to be cheerful” となっているのです。
▶︎cheerful は、「比較のポイント」であって、すでに前の部分で
示されているので、”he used to be” となっているのです。
ポイント3 ・as A の Aの部分「比較対象」は、1語と限らない。 ・基本的には、「主語」と「比較対象」は、同じ表現の仕方にそろえる。 ・c. のように「現在の様子」と「過去の様子」、「現実」と「見た目」などと 比較する場合もあるので注意。 |
今回はここまで。
🔴比較・発展編での「原級」は「その1」から「その3」まであります。
興味のある方は下記をクリックしてご覧ください。
👉原級その2
・「強調する」as … as A :as much as A / as many as A
・「変わらない」を強調する as … as A:as … as ever / as good as A
・比較対象の主語がない as … as can be
・2つの意味を有する as good as it gets
👉原級その3
・not so much A as B
・not so much as +動詞の原形
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