中学校での助動詞の使い方の最後は、
shall と should を扱います。
shall がもつ基本的なニュアンス
shall であれば、
教科書では、よく会話の一場面として、次のようなものが出てきます。
Shall we clean the this room?
「この部屋を掃除しましょうか。」
Shall I bring a cup of tea now?
「今お茶を一杯持ってきてあげましょうか。」
このように、
▶︎中学校では、shall は
“Shall I 〜?” と “Shall we 〜?” の形でしか
出てこない助動詞です。
この shall という助動詞は、
実は、上記の2つ以外で日常会話で使われることはほとんどない、
という、絶滅危惧種の助動詞なのです。
本来の shall の基本的なニュアンスとしては、
「堅苦しい、フォーマルな will」というイメージがあり、
▶︎「法律の条文」やとても「硬い」表現をあえて使うような場面でしか、
使われません。
ですから、
この shall では、
Shall I 〜?と Shall we 〜?の使い方を理解すれば十分です。
shall を用いた2つの疑問文の使い方
① Shall I 〜?で「相手に何かを申し出る」
・「自分」から「何かを進んで申し出る」ボランティア精神に溢れる
Shall I 〜?。
▶︎ shall は「堅苦しい will」なのですが、
それが、Shall I 〜?となると、
「私のような者が、とへりくだって」申し出る表現になります。
※非常に「温かみ」を感じる優しい表現です。
例文を挙げます。
ex.1 Shall I carry this bag for you?
「あなたのためにこのカバンをお持ちしましょうか。」
ex.2 Shall I make some coffee?
「コーヒーをお作りしましょうか。」
ex.1 も ex.2 も「誰にも言われることなく」周りの状況から判断して、
ボランティア精神でその行為を申し出ていることが感じられる表現です。
【答え方】
・Shall I 〜?に対する答え方は、
▶︎ Yes の場合は、Yes, please.
▶︎ No の場合は、丁寧にお断りして、No, thank you.
とすることが多いです。
② Shall we 〜?で「相手と一緒に何かをすることを提案する」
・「自分」から、申し出る場合は、Shall I 〜?ですが、
Shall we 〜?になると、
▶︎「一緒に」〜しましょうか、
と自分をへりくだし、相手を尊重する表現になります。
→そこには、「相手を気遣った、相手の気持ちを考えた」優しさを含みます。
例文を挙げます。
ex.3 Shall we dance?
「一緒に踊りましょうか。」
▶︎ここには「強制」した気持ちは一切ありません。
ex.4 Shall we have lunch together?
「一緒に昼食を食べましょうか。」
▶︎「相手の意思」も十分に尊重しています。
どちらの例文にも、
「相手のことを考えた」温かな表現となります。
【答え方】
・Shall we 〜?対する答え方は、
▶︎ Yes の場合は、Yes, let’s.
▶︎ No の場合は、No, let’s not. となります。
※let’s には「相手を考えた」ニュアンスはなくなり、
「私」も「あなた」も同等の立場で、「一緒にやろう」というニュアンスがあります。
ですから、
Yes, let’s. は「そんなに配慮しなくても大丈夫。一緒にやろう。」
No. let’s not. には「一緒にやるのは止しましょう。」というイメージがあります。
Let’s 〜. の付加疑問文
・「みんなで一緒に〜しよう。」という Let’s 〜. の文を
付加疑問文にすると、shall we が出てきます。
ex.5 Let’s play baseball, shall we?
「一緒に野球をしましょうね。」
※微妙なニュアンスの違いはありますが、shall we と let’s は、
似た意味を持っているため、このようになるのだと思います。
なお、中学校のテストでは、
ex. 3 を書き換えて、 Shall we dance? = Let’s dance.
ex.4 を書き換えて、 Shall we have lunch together? = Let’s have lunch together.
のような問題がよく出題されます。
shall の過去形 shouldは「弱い義務・助言」
・shall の過去形として、should は存在するのですが、
意味的には、全く shall とは別個のもので、日常会話でもよく使われる助動詞です。
▶︎中学校で扱われる should の基本的な意味は、
「〜すべきである」や「〜した方がよい」のような「弱い義務やアドバイス」を
表現します。
( should には、まだ高度な表現方法がありますが、それは「高校」のカテゴリーで
扱う予定です。)
例を挙げて説明します。
ex.6 You should brush your teeth every morning.
「あなたは毎朝歯をみがくべきである。」
ex.7 We shouldn’t believe everything you read in the newspapers.
「私たちは新聞で読んだ全てものを信じない方が良い。」
※同じ「義務」を表現する助動詞に must がありますが、
must ▶︎強い「義務」
should ▶︎弱い「義務」
を表現します。should は「弱い義務」なので、別な表現にすると
「アドバイス・助言」というニュアンスになるのです。
これで、助動詞については終了です。
その他の助動詞 についても確認したい方は下記をクリックしてお読みください。
👉助動詞 can
👉助動詞 will
👉助動詞 must
👉助動詞 may
なお助動詞の基本的な役割、使い方を確認したい方は
下記をクリックしてお読みください。
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