助動詞〜基礎編その1

今回から、
「助動詞」を取り上げ解説していきます。

「助動詞」については、
他の部分でも結構取り上げているのですが、
これを一回りセットして、
しっかり「助動詞」について詳しくみていきます。

まず、今回は、
助動詞とは、何か?です。

助動詞は何を表現する?

・助動詞は、どんな働きをしているかを
あなたは答えることができますか。

▶︎中学校であれば、
「動詞に意味を加えて、助けるもの・・・だから助・動詞」
などと教えられた人もいるかもしれません。

👉英語学習の入門期であれば、
もちろんそれでもOKですが、中学校卒業する頃には、
「助動詞」は、
「何を表現する」ものなのかをしっかりと
把握しておきたいところです。

今回は、この視点から、
話を始めましょう。

中学校英語での「動詞」の部分の表現

・さて、中学校の英語を振り返って見ましょう。
「動詞の部分」に注目すると、
中学校では、大きく2種類の表現を学ぶことになります。

① I play baseball every day.
「私は毎日野球をします。」
👉助動詞を伴わない「動詞」だけで表現

② I can play baseball very well.
「私はとても上手に野球ができます。」
👉助動詞を伴う表現

すなわち、
「助動詞がない」場合と
「助動詞がある」場合に大きく分けられるのです。

 

それぞれが何を表現しているか確認しましょう。

①「動詞」だけで表現

・例文を2つあげます。

a. Ken was in the park then.
「ケンはその時公園にいました。」

b. We study English in the library.
「私たちは図書館で英語を勉強をします。」

◎英語には、be動詞と一般動詞の2種類がありますが、
どちらもそのまま(助動詞を伴わないで)使うと、
「事実」を表現することになります。
▶︎例文であれば、
a. は「過去の事実」、b.は「私たちの繰り返される習慣」を述べていて、
どちらも「事実」を表現しています。

これは、
be+ing形の「進行形」でもbe+過去分詞の「受動態」でも
「進行中の動作」や「〜される」という状況の表現であって、
あくまでも「事実」を表現しているという点では変わりはありません。

※「助動詞」を伴わない「動詞」だけであれば
👉その時々の「事実」を表現します。

それでは、
「現在完了」はどうなのでしょう?

現在完了は、何を表現する?

・例文を2つあげます。

c. I have lived here for about three years.
「私は約3年間ここにずっと住んでいる。」

d. Ken has never played go before.
「ケンは以前に一度も碁をしたことがない。」

◎現在完了は、
have/has +過去分詞 の形で表現しますが、
基本的に「完了」形は、
「2つの時を繋げて、その間に及ぶ影響」の様子を
表現するものです。
▶︎例文であれば、
c. は「3年前に」住み始めてから、「今も」そこに住んでいる事実を
表現し、d. は「生まれてから」「今までに」一度も碁を打ったことがない、
という事実を意味しています。

すなわち、

現在完了も
「2つの時」をつなぐという特徴があるけれども、
「事実」を述べる形

ーなのです。

 

それでは、「助動詞」を伴う表現は
何を意味するのでしょうか?

②「助動詞」を伴う表現

・例文を2つあげます。

a. Emi must run in the park.
「エミは公園で走らなければならない。」

b. I will keep my word forever.
「私は永遠に約束を守ります。」

◎①のように「動詞」のみで
英文を表現する場合は、「事実」を述べることは
確認しました。
ところが、「助動詞」を伴う場合は、
▶︎a. であれば、「エミの[走らなければいけない]という気持ち」
▶︎b. であれば、「自分が[約束を守る]という気持ち」
〜を表現しています。

このように、
助動詞を用いると、
「現実」や「事実」ではなく、
👉頭の中で「思ったこと / 考えたこと」を表現できるようになるのです。

※「助動詞」を用いると
👉頭の中で「思ったこと / 考えたこと」を表現できる

この大きな違いをしっかり
理解しておきましょう。

助動詞を用いると、動詞は原形

上記の例文をもう一度見てみましょう。

a. Emi must run in the park.

b. I will keep my word forever.

◎ a. の例文であれば、must +動詞の原形{run]、
b. の例文であれば、will +動詞の原形[keep] となっています。
▶︎このように、
「助動詞」が出てくると、「動詞は原形」と学びますが、
それも、「助動詞」が「何を表現するか」を理解していれば、
当然のことです。

「助動詞」は
👉「頭の中で思ったこと / 考えたこと」を表現するのだから、
そこには「時の流れ」とは関係ないことである、というニュアンス
があるのです。そのため、「助動詞」を伴うと、
「時を示さない➡︎動詞の原形」が使われるのです。

※「助動詞」は「頭の中で思ったこと / 考えたこと」を表現するので、
👉動詞は「時」に左右されない「原形」になる
※「助動詞+動詞の原形」

助動詞で「過去」の話、「未来」の話をする時

・助動詞を用いると、
いつも「動詞は原形」ですが、であれば、
助動詞で「過去」の話や、「未来」の話をする時は、どのようにするのでしょう。

①「過去」の話をする時

・「頭の中で思ったこと / 考えた」のが
「過去」のことであった、という時は、
▶︎「助動詞」を過去形にします。

「助動詞」の過去形を列記します。
● can「〜できる」→過去形 could
● may「かもしれない」→過去形 *might
● will「〜するだろう」→過去形 would
● *shall [Shall I / we 〜? の形で] →過去形 should
(*might は中学校では扱いません。また *shall は Shall I /we 〜? の限定
された形でしか出てきません。)

a. の Emi must run in the park. の過去は
▶︎ must の過去形はないので、must = have to を使い
Emi had to run in the park. となります。
● must「〜しなければならない」→過去形 had to

このように、
「助動詞」を伴った文を過去の文にする時は、
「助動詞」を過去形にします。

※「助動詞」を伴う過去の文は、
👉「助動詞の過去形」+動詞の原形 の形で表現する
●must の場合は、had to +動詞の原形となる

②「未来」の話をする時

・それでは、
「助動詞」を伴い、「未来」の話をする時は、
どうすればいいのでしょう?
▶︎英語の動詞には、「未来形」というものはありません。
そこで、助動詞 will を用いて表現することになります。

ところが、
助動詞には、2つの助動詞を並べて使えない、という原則があります。

助動詞は2つ並べられない!

・もう一度、
「助動詞」が「何を表現するもの」なのかを思い出してください。

A:「頭の中で思ったこと/ 考えたこと」を表現する
👉このため、それぞれの「助動詞」にはそれぞれの場面・状況にあった「1つの意味」が割り当てられています。そのため、1つの英文(単文)で、助動詞が
「2つ並ぶ」ということはありえないのです。

であれば、
「未来の話」をするのに、will は使えないじゃないか!となります。

will は少し「性格」の違う助動詞

助動詞 will の元々の意味は、
①「〜するだろう」という「予測」
②「〜するつもりだ」という「意思」を表現する もので、
この「予測」や「意思」のニュアンスから
👉広い意味での「未来」を示す時にも使われるようになった助動詞です。

▶︎しかし、
この助動詞の特徴から、「2つ並べて使えない」ので、
will must や will can はできません。

▶︎この原則を守るために(なのかはわかりませんが)
助動詞には、大抵もう1つ別の表現があります。
(※もちろん「別の」表現ということは、そこには「別の」ニュアンスも
含まれるのですが、「ほぼ同じ意味」の表現と考えてください。)

よく出てくる「別の表現」としては、
● must → have to
● can → be able to
● will → be going to
があります。

▶︎これを用いて、
助動詞の「未来」の話をすることができます。
●「しなければならないだろう」= will have to
● 「〜できるだろう」= will be able to

ここから、
a. Emi must run in the park を「未来」の文にすると、
Emi will have to run in the park. となります。

※「助動詞」を伴う未来の文は、
👉 will+have to / be able to +動詞の原形 の形で表現する

今回はここまで。
次回は、
基礎編のその2として
「助動詞」の機能的な働きについて説明します。

基礎編その2は、下記をクリックするとご覧になれます。

 

※具体的な助動詞 についても確認したい方は下記をクリックしてお読みください。
👉助動詞 can
👉助動詞 will
👉助動詞 must
👉助動詞 may

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