「書く力」のトレーニング③

「書く力」のトレーニングの3回目。
今回は、

スピーチの英文をしっかり書けるようにする

についてお話します。

スピーチの英文を書く

スピーチは、もちろん「話す力」に入るのですが、
当然その前には、「英文を書く」作業が入ってきます。

つまり、英文を「書く」→「話す:スピーチ」となるので、
「話す力」の部分と重なる部分も出てきますので、
ご了承ください。
(その部分に関しては、できるだけ簡潔に表記します。)

① 音声だけの「自己紹介」スピーチ

中1の入門期は、小学校での外国語活動も意識して
音声だけ(書く作業なし)の「自己紹介」スピーチを行います。

スピーチの見本は下記の通り。

Hi, I’m Kenta.
Nice to meet you.
Please call me “Ken.”
I live in Matsubara.
I go to Miami Junior High School.
I’m in the seventh grade.
My birthday is August 1st.
I’m twelve years old.

細かな部分は、
「読み力のトレーニング②に書かれていますが、

[1] サンプルを見せて、暗唱レベルまで練習
[2] サンプルの一部を「自分のオリジナル」に替えて
〜オリジナル自己紹介を作成し、練習
[3] 発表会を実施
という形で、指導してきました。

これを土台として、
中1の2学期にステップアップした自己紹介のスピーチを
します。

② 書く作業を含む「自己紹介」スピーチ

中1の2学期での自己紹介には、
一般動詞、助動詞を含む10文からなる英文を作ります。

1.Hi, everyone.
2.My name is Kenta.
3.I’m a member of the music club.
4.I like music very much.
5.I play the guitar every day.
6.My favorite singer is Yuzu.
7.They are very good players.
8.I can play soccer.
9.My favorite team is Marinosu.
10.Thank you for listening to me.

生徒には、このようなサンプルを示して、
自分なりの「英作文」を作成させます。

ここでは、
スピーチを実施することが第1の目標なので、
とにかく、自分が作成した「スピーチ」の原稿を
しっかりと発表できるように練習させます。

発表が終わった後、
第2の目標が、そのスピーチの原稿を「書く」ことです。
たいていは、「自己紹介を書く」問題が
期末テストとして出題され、日頃の授業の取り組みも
評価できます。

ただ、「10文の自己紹介を英語で書きなさい。」ではなく
このようにスピーチと連動させることにより、
「音」と「文字」の関連性を確認しながら、
「意味あるひとかたまりの英文」を書くことは、
生徒の英語力を高めるのに、効果がある方法である
と考えます。

③ About my weekends

・これはスピーチではなく、Read and Look up の形で発表させました。
中2のゴールデンウィークが終わった頃に実施したタスクです。

このタスクを実施する前に、
「過去形を用いて5文の英語日記」を実施していて、その延長上の活動です。

中2では、「過去形」がでできて、
ようやく「過去の話」も英語でできるようになります。
過去形の定着も考えても活動でした。

「5文の英語日記」では
・日付の書き方
・天気、天候の表現の仕方
・サンプルの提示
(最初は、短い英文をたくさん書くように指導。
その後、少しずつ表現を豊かにして行きます。)
を示して、
英語のノートに書くように指示しました。

このトレーニングの成果発表の場として
About my weekends“を設定したわけです。

この時は、
下記のような例を示しました。

※日付を書いてください。
※起きた時間を書いてください。I got up at three.
① Then I read a book. (起きた後にしたこと)
② I ate onigiri for breakfast. (朝食で食べたことなど)
③ I practiced baseball in the morning.(午前中にしたこと)
※帰宅した時間を書いてください。I got home at five.
④ I talked with my family after dinner.(夕食後にしたこと)
※就寝時間を書いてください。I went to bed at nine.

このように、かなり細かな条件を加えて
英語が苦手な子でも書きやすいような工夫をしました。

負担をあまり重くしたくないため、
スピーチの形ではなく、Read and Look up にして
「日記」の発表会のような形にしました。

タスクを実施するのはいいことですが、
必要に応じてタスクにも軽重をつけることにより
メリハリがついて、生徒にとっても
取り組みやすい、良い課題となると思います。

④ 観光パンフレットを作って発表しよう〜スピーチ

・これは、中2の2学期に実施したスピーチの原稿作りです。
基本的に、指導の仕方は、

②書く作業を含む「自己紹介」スピーチ と同じです。

観光パンフレットを作るための、
資料探しから始まり「スピーチ」の構成の仕方も含めて
まずは「原稿作り」。そして、それを何回も練習させ
発表会へともって行きます。

その時、「例」として示したのは下記の英文です。

1. I want to introduce “Hirosaki” to you today.
2. First, you should visit Hirosaki castle when you go to Hirosaki.
3. It is famous for cherry blossoms.
4. In spring it is filled with many beautiful blossoms.
5. Many people come there to enjoy seeing them.
6. Secondly. Hirosaki is famous for apples.
7. Everyone knows that they are very good.
8. They are very delicious in winter.
9. Lastly, you can see Neputa festival in summer.
10. A lot of people around the world come and see it.
11. It’s very exciting.
12. Thank you for listening to me.

First, Secondly, Lastly なども使い、
スピーチらしい構成となっています。

そして、発表会が終わった後の期末テストで
「あなたが紹介したい町を10文以上の英文で説明しなさい。」
という問題で出題しました。

⑤ My school trip

・これは3年生の1学期、修学旅行が終わった後に
実施した発表活動です。

2年生の3学期が、「修学旅行」が終わった後は
このようなタスクを行うと予め伝えていました。

サンプルとして示したものは下記の通り。

A Sixty-minute Stay at Todaiji

– On Friday, June 6th, five of my friends and I went to Todaiji Temple.
We took the train to Kintetsu Nara Station and then walked to the
temple. On our way, we saw many deer: one deer actually came up
to us and bowed! I gave the deer some deer cakes and it followed
us. They were very cute.
-After we played with deer, we reached the temple. It was very
large! It was packed with people. We were surprised to see the
huge Great Buddha. Most of the people were silently praying to
the Buddha; we did so too. We enjoyed our short stay at
Todaiji – seeing cute deer and the Great Buddha.
(114語)

このようなサンプルを示して、

原稿を作成する手順として
(1) 修学旅行で一番印象に残ったところを選ぶ。
(2) 自分の思いをまず日本語でまとめるてみる。簡潔に。
(3) 今まで習った言い方を使いながら、英語にする。
辞典の活用。
(4) 絵葉書や写真などの画像を効果的に使うこと。
〜としました。

そして、
・タイトル名の決定
・日本文での原稿作成
・英文での原稿作成
・ALTによる原稿チェック → 原稿の完成
・スピーチの練習
と指導して、発表会を実施しました。

今回は、
定期テストの「書く」力の問題として
出題することはしませんでしたが
(学校行事等の関係で)
その代わり、生徒全員のスピーチの原稿を
プリントアウトして共有しました。

⑥ 大切な人や影響を受けた人について

3年生の2学期、最後の自己表現として
自分にとって大切な人や影響を受けた人のことを発表しよう」という
タスクを実施しました。

このタスクについては
「読む力」のトレーニング⑤で詳しく説明しています。

日程の部分だけを確認すると

・テスト前までにスピーチ文を完成
→これを期末テストのライティングの問題として出題する
・テスト終了後に練習時間やスピーチを推敲する時間を確保して
→終業式の一週間前ぐらいに発表会を実施

のような感じで計画立案、実施して行きました。

上記の②書く作業を含む「自己紹介」スピーチ と
④観光パンフレットを作って発表しよう〜スピーチ と同じように
スピーチの発表会と
定期テストの「書く力」を見る問題としての出題を
リンクさせ、指導して行きました。

・テストは
普段の授業の取り組みの姿勢がわかるものに
したかったので、このような形にしたのですが、
生徒たちも、「何を授業で目指せばいいのか」が
はっきりしているので、頑張りやすかった
(内発的動機が高い)ようです。

 

今回はここまで。

 

「『書く力』のトレーニング」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックし「④」もお読みください。

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