「書く力」のトレーニングの4回目。
今回は、
①5文英語日記の書き方
②教科書の「日本語訳」をみて英語を書く
についてお話します。
5文英語日記の書き方
中2の最初には、
たいてい不規則動詞の過去形を学習するようです。
→過去の表現が一気に豊かになります。
そこで、それを用いて
生徒の「自己表現力」を高めようと「5文英語日記」の取り組みを
しました。
まずは、
「不規則動詞」を覚えることから始めます。
① 不規則動詞の変化
・2年生の1学期で、まず徹底的に覚えさせるのが、
「不規則動詞の変化」でした。
最初の段階で、おそらく中学校で出てくる不規則動詞を
ほぼ全てリストアップして、一覧表を渡します。
AAA型(全然形が変わらないもの)
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞形 | ing形 | チェック | |
1 | 切る | cut | cut | cut | cutting | |
2 | 読む | read | read | read | reading | |
3 | 打つ | hit | hit | hit | hitting | |
4 | 痛む | hurt | hurt | hurt | hurting | |
5 | 置く | put | put | put | putting |
他に
ABB型、ABC型、ABA型に分類し、
全部で 30個程度の不規則動詞を授業の時間を覚えてしまうように
練習しました。
練習の仕方は、
①「不規則変化の一覧表」を、スラリと読めるようにする
②「意味」の部分だけを見て、変化をスラリと言えるようにする
③ペアで、お互い「意味」の部分を言われたら、その変化を言う練習をする
のような段階を踏んでトレーニングします。
この練習の仕方だと、期間を限定し、1コマに1〜2分程度の時間で
十分に覚えることが可能です。
「書く」方は、
中1から継続的にフォニックスの基本を学習していたので、
ほぼ「読めれば」書ける程度の力はついています。
時々、「今日は言うだけでなく、書いて見ましょう」
などと言って、実際書けるかも確認したりもします。
このような練習と同時に
日記を書くために必要な表現もチェックします。
②過去形を使って1日を表現
・「過去形を使って1日を表現」というプリントで簡単に
[1] 不規則動詞の変化
[2] 一般動詞を用いた表現
[3] その他の表現
を確認しました。
①不規則動詞の変化・・・しっかり覚えよう 1. 手に入る:原形ー( ):過去形ー( ):過去分詞ー( ) 2. 出発する:原形ー( ):過去形ー( ):過去分詞ー( )※規則動詞の過去形には、何がつきましたっけ?②それぞれの表現を過去形してみよう 1. 起きる(起床する):( )( )→過去形に( )( ) 2. 学校に行く:( )( )( )→過去形に( )( )( )③その他の表現 1. 8時に・・・・ 2. 9時30分に・・・ 3. 鳥ついて・・・・ 4. 私の兄と一緒に 5. 「各教科」を英語に・・・ |
③に出てくる表現は、
当時の教科書に出てきた表現で、「日記」に使えそうな部分をピックアップして
取り出したものです。
このような形で、
「日記におそらく使われるだろう表現」を
ある程度準備し、授業で確認してきました。
さて、それではいよいよ
「5文英語日記」に入ります。
③「5文英語日記の書き方」について
・さて「5文英語日記」を書く直前には、
下記のようなプリントを配布し、指導しました。
※英語で文章を書こうとしても、途中で嫌になってしまうのは複雑なことを書きたくても上手に書けない、というところにあります。欲張って長い文を書く必要はありません。はじめは、あまり考えなくても書ける、短い文をたくさん書きましょう。英語を学習して、いろんな表現を覚えていけば、だんだんと自分が思ったことに近いことを書けるようになるのだから。
1. 日付の書き方 2. 天気・天候の表し方 【天候】 3. サンプル |
このプリントでは、
一番最初の「英語で文章を書こうとしても〜」の部分が、
とても大切な部分です。
英語で「自己表現しなさい」と言われても
「思ったように、書けないよ」
「書くことがない(思ったことをそのまま英語にはできない)」
という現実が、英語でなんとか「書こう」とする意欲を
阻害する大きな要因です。
そのため、
最初は、「短い文で、似たようなものでもOK」という
スタンスを明示することにより、
生徒も「そうか、そういうものなんだ」と納得し、
英語で日記を書こうとする意欲を維持することが
できます。
時間があるのであれば、
本当は、「自分が一回書いた日記」を
「もう一度見直して、書きなおす」という活動も入れれば
さらに、「書く力」が伸びると思いますが、
そこまでは指導できませんでした。
また、
5文英語日記は、毎日の課題ではなく、
週に一回、例えば週末に書くようにして、
週明けにチェックするような形で実施していました。
教科書の「日本語訳」の活用
これは「読む力」のトレーニング⑤でも取り上げていた
”Read, Speak, and Write“というプリントの活用です。
・そのそれのレスン(またはページ)が一通り終わると、
私は、その課の意味をかいたものーRead, Speak, and Writeーを配布します。
〜これは、それぞれのレスンが、概要の把握やQ&Aなどで終了してしまうので、
細部までしっかり押さえたいという生徒に対する要望に応えて配布することを始めたのですが、これを「話す」、「書く」力のトレーニングとして
活用しました。
プリントは、こんな感じです。
【6A:p.59】写真を見てごらん!ユンバーサル・デザインってな何? ミヒ:◯私の姉は/大学で/ユニバーサル・デザインを/勉強しているの③。 ーーー◯彼女は/私に/それについていくつかの面白い写真②を/くれました。 ーーー◯私は/あなたに/それらのいくつかを/見せたい。 アキ:◯OK。◯ところで、ユニバーサル・デザインって何ですか。 ミヒ:◯それはみんなにとって役に立つもの②を意味します。 |
日本語を長くなると、
英語のかたまり(句など)がわかるように、/を入れて意識させます。
また、文中の③は「3単現の文」、②は「複数形」を意味します。
これは、日本語だけでは判断できないことがあるために、
補助として記号を加えています。
このプリントの活用法は、
①意味を理解しての、教科書の読みを十分にこなす
②①が終わったら、Read, Speak and Write の日本語を見て
英文を発話をする練習をする
③②が十分に練習できたら、Read, Speak and Write の日本語を見て
英語を書く練習をする
という段階で進めていきます。
①と②は普段の授業中の中に、練習を組み込みますが、
③は宿題として生徒に与えることが多かったです。
十分に内容を理解して、「言える」英文を
しっかりと書くトレーニングを
このように実施していました。
今回はここまで。
「『書く力』のトレーニング」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックし「⑤」もお読みください。
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