小学校外国語活動に関わるYoutube動画~④スピーキング・トレーニング

小学校外国語活動に関わるYoutube動画の4回目です。

文科省が公開している Youtube の一連の動画は、
「小学校外国語活動・外国語ガイドブック」
「実習編」と連動しており、
1 クラスルーム・イングリッシュ
2 基本英会話
3 Small Talk
4 スピーキング・トレーニング
5 発音トレーニング
という5つの章からなっています。
前回の「3 Small Talk」に続き、
今回は、4 スピーキング・トレーニング を取り上げます。

4 スピーキング・トレーニング

「ガイドブック」の「スピーキング・トレーニング」の章には、
以下のようなことが書かれています。

〇英文を「英語らしく発音する」鍵は、
・「イントネーション」
・「強勢」
・「リズム」
・「語の連結」
になります。モデル音声をよく聞き、やや大げさに発音するくらいの気持ちでまねること。

これを見ると、
この章は、明らかに指導者に対する英語の力をレベルアップさせるための章です

そこで、ふと気になって、
今までのYoutube(「実習編」)の構成を見直してみました

Youtube(「実習編」)の構成

先ほども述べましたが「実習編」は5つのパートに分かれています。

1 クラスルーム・イングリッシュ
→指導者が、外国語活動・外語国科の授業を実施するときに使われることが望ましい英語表現

2 基本英会話
→指導者がALTと打ち合わせをする時に必要とされるだろう英語表現

3 Small Talk
→指導者が、授業の最初に帯学習として実施する Small Talk で取り上げられるだろう例

4 スピーキング・トレーニング
→指導者の英語力アップ

5 発音トレーニング
→指導者の英語力アップ

というような構成になっています。

この構成の順番っておかしくありませんか?

・この構成には、かなり「無理」を感じるのは私だけでしょうか。

普通であれば、
①発音をしっかり覚えて(→5 発音トレーニング)
②スピーキングのトレーニングもし、(→4 スピーキング・トレーニング)
③英語力の土台を作ってから、
③ALTとある程度の打ち合わせができるようになり、(→2 基本英会話)
④クラスルーム・イングリッシュを活用しながら、(→1 クラスルーム・イングリッシュ)
⑤授業で Small Talk を行う(→3 Small Talk)

という流れになるのがもっとも自然だと思います。

それを、
文科省の英語教育改革を、できるだけ計画通りに進ませるために、
「無理やり」授業を実施させようとして必要不可欠なものから、
意図的に順番を並べ替えたような気がします

つまり・・・

音声重視の指導をするから、まずは
「クラスルーム・イングリッシュ」を使わせよう。→1 クラスルーム・イングリッシュ

音声重視からALTを活用させよう。ALTは日本語能力も高いが、
打ち合わせも英語で行うのが望ましいだろう。→2 基本英会話

Small Talk はレベルが高いが、サンプルを提示し、
教師と子どもたちに取り組ませよう。→3 Small Talk

指導する教員の英語の基本的な音声に関する力を
少しずつアップさせよう。→4 スピーキング・トレーニング  &5 発音トレーニング

という考えが透け見えてきます。

この構成が、文科省の英語教育に対する姿勢だ!

文科省は、自分たちが
現場に対して無理な「外国語教育」を課しているというのを理解しているのに、
それを表面上では、「グローバル化社会」に対応する「英語を使える日本人」の育成のためだという御旗のもとで、「こうあるべきだ」だと指導しているだけなのです。

そこには、経済界の政権に対する要望に忖度する官僚たち、という
姿が現存しています。

このブログで、
何度も言っているように、言語に関する教育は時間をかけて、
しっかりした目標に対する長期的なグランドデザインのもとで、慎重に進めていかなければ
いけないものです。

本当は、このような方向で「外国語教育」を進めていくのであれば
大学の小学校教員養成課程の中身も大きく変えて、小中での英語教育の連携が
できるような教員を育成し、学校の仕組み・環境も徐々に変えながら進めて
いかなければいけないのです

何でも、即決即断で、「拙速な」改革をするのがよいと思っているのが
現政権ですから、致し方もないのかもしれません。
でも、このようなやり方では、教師にも子供にもおそらくよい影響は何一つ与えないと
思います。

何たって、「人づくり改革」をしてしまう政権ですからね。
(まるで、「人」を組織か機械のような扱いをしている表現だと思いませんか。この言葉一つでも、現政権が「人間を育成していく」教育というものをまるで「商品」のように扱っていることがわかります。)

 

さて、話を「4 スピーキング・トレーニング」に戻しましょう。

スピーキング・トレーニングの内容は?

内容に敵に見ると、本当に基礎的なものを扱っていて
・Yes-No 疑問文、WH疑問文、選択疑問文などのイントネーション
・正しく内容を伝えるために必要な強勢
・英語の単語と単語の音の連結
を説明しています。

扱っている英文を見ると
ー小学校の外国語活動で扱うレベル(中学校レベル)の英文で、その説明をしており、
「モデル音声をよく聞き、やや大げさに発音するくらいの気持ちでまねてほしい」などとも
明記されています。

しかも、「ガイドブック」の「実習編」には、この後に
「指導者としてスピーキング能力を向上させるために」などという章も設定されています。

このような文言や構成の在り方に、わたしはどうしても
文科省の「これぐらいはやれよな」という超「上から目線」の、傲慢な態度しか
感じ取ることができません。

自分たちで作った無理やりな改革に、
上から目線の物言いを繰り返す文科省。

基本的なこんな態度がある限り、
日本の教育状況はきっとよくなることはないでしょう。

今回はここまで。

 

「小学校外国語活動に関わるYoutube動画」は「①」から「⑤」まで
あります。下記にリストアップしますので、興味のあるものが
ありましたら、クリックしてお読みください。
①クラスルーム・イングリッシュ
②基本英会話
③Small Talk
⑤発音トレーニング

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