小学校外国語活動に関わるYoutube動画~③Small Talk

小学校外国語活動に関わるYoutube動画の3回目です。

文科省が公開している Youtube の一連の動画は、
「小学校外国語活動・外国語ガイドブック」
「実習編」と連動しており、
1 クラスルーム・イングリッシュ
2 基本英会話
3   Small Talk
4   スピーキング・トレーニング
5 発音トレーニング
という5つの章からなっています。
前回の「2 基本英会話」に続き、
今回は、3 Small Talk を取り上げます。

3 Small Talk

「ガイドブック」の「 Small Talk 」の章には、
以下のようなことが書かれています。

〇Small Talk とは、
ー高学年新教材で設定されている活動。
ー2時間に1回程度、帯活動で、「あるテーマ」のもと、指導者のまとまった話を聞いたり、ペアで自分の考えや気持ちを伝え合ったりすること。
・5年生:指導者の話を聞くことを中心
・6年生:ペアで伝えあうことを中心

具体的な Small Talk 例 5年生 UNIT 1

具体的に5年生の1つの Small Talk 例を見てみしょう。

UNIT 1 How do you spell it?
T:Hello, everyone. My name is Takeshi. T-a-k-e-s-h-i, Takeshi.
Nice to meet you. I’m from Takayama. I like pizza.  Pizza is delicious.
But I don’t like sweets. I don’t like candy. I don’t like chocolate.
How about you?  What food do you like?
S1:I like sweets. I like chocolate very much.
T: Oh, you like chocolate?
How about colors?
I like blue.  What color do you like?
S2:I like blue.
T:Oh, the same.

この Small Talk をどのくらいの頻度で行うの?

さて、このような Small Talk を 2時間に1回程度、帯学習であると明記しています。
→ということは、
5年生の外国語科の時間は、1年間で70時間、週に2時間を行うことになります。
Youtube の UNIT は1~9までの、9例を挙げています。
2時間に1回程度ですから、70÷2=35 1年かけて9個のUNITを35回の授業で実施することになり、1つのUNITは、4回程度帯学習として実施することになります。
・・・大ざっばに言うと、1か月に1つのUNITを週1の割合で同じ Small Talk を実施する計画です。

これ、うまくいくと思いますか?

確かに、この名前のアルファベットの言い方、そして好きな物の言い方は、中学年で活動の中で練習するはずです。

ただし、それは決まった枠の中、ゲームや活動の中での必要な表現であって、
それを高学年になって、授業の最初の帯学習として、上記のような Small Talk を実施して
反応できる、受け答えできる児童は相当優秀な子供ではないかと思います。
それも、毎回の授業ではなく、2回に1回の授業であれば、なお、子どもたちに
Small Talk が与えるストレスは相当高くなるのではないでしょうか。

このストレスを少なくして、
快く授業の最初の Small Talk を実施するのであれば

①毎時間、Small Talk を実施すること
②同じテーマのものを、2か月ぐらい実施していく中で、少しずつ会話の量を増やしていく、パターンを増やしていくこと(もちろん学級の様子に応じた指導をすること)
③UNIT数も欲張らずに、5個程度にすること

のような配慮をすると、かなりストレスは少なく
気持ちよく授業をスタートすることができると思います。

Small Talk の役割は、

英語に慣れ親しむももちろんありますが、それよりも
その「話」の中で、子供たちが知らなかったような情報の提供があり、
興味・関心を持たせ、授業の意欲づくりをするものなのです

だから、子供の状況を考えないで、
ひたすら文科省が提示した “Small Talk” を実施すれば、
もう授業の雰囲気は、最初から negative な、「英語ってわかんないな~」という
最悪な状態になります。

そのようにならないことが、
この Small Talk を実施する上での一番重要なポイントだと思います。

6年生のUNIT も見てみましょう。

6年生 UNIT This is me.

S1:What sport do you like?
S2:I like soccer.
S1:You like soccer?  That’s nice. Why?
S2:It’s fun. How about you? What sport do you like?

5年生では、児童対教師であったものを、
6年生では、子供同士の会話へとレベルをアップしていきます。
すなわち、ペア活動になっていくのです。

ペア活動の難しさ

ペア活動の難しさは、教師が相当「下準備」をして、
個に応じた配慮をしなければ、
子供同士の活動なので、
すぐに「なあなあ」のなれ合いの意味のない活動になってしまうことです。

中学校の英語でも
よくペア活動を行うのですが、私が見た中で言うと、
しっかりとした活動をしている子供たちの姿を見ることは少なかったです。

それはなぜか?

①しっかりとしたモデルを示す
②習得するためのしっかりした練習をする
③ペア活動の意義を伝え、絶えず必要に応じて指導をする
④ペア活動が終わった後は必ずフィードバックをする
⑤そのペア活動が、今後の活動・学習へと密接な関係があることを伝える
というような、一連の指導をしていかないと
大体は、「形だけ」のペア活動になってしまうからです。

小学校の外国語科も、外国語活動と同じように
基本的に知識・技能の習得を目標としてはいけないと、明記していますので、
その部分がこのペア活動を成立させる条件とが相反するものに
なってしまう、と私は思っています。

ある程度の「会話」をさせるための知識は必要であり、
「会話」を成立させるための練習はマストです。

そして、それをしないと、
おそらく「しっかりした」ペア活動は成立しないと思います。

この矛盾を文科省は気づいているのでしょうか?

今回はここまで。

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