研修ガイドブックについて~基本編③その目標2

それでは、前回の続きから。

小学校の「外国語活動(小学校中学年)」の目標に関してのお話は終わったので、今回は、「外国語(小学校高学年)」の目標を見てみましょう。

③外国語の目標

(2)外国語(小学校高学年)についてですが、
「目標」においては、(1)の外国語活動同様
「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方」という言葉が
キーワードになっていて、
「外国語活動」と違う点は、
外国語による「聞くこと」「話すこと」に、
「読むこと」「書くこと」」の言語活動が加わった部分です。

「外国語」においても、「外国語活動」を同じように
3つの柱があるのですが、それを比べると・・・
1つ目の柱:「知識及び技能」」に関するもの
「外国語活動」との違い
◎「気付き」で終わらせることなく、知識として理解し、技能として使える

2つ目の柱:「思考力、判断力、表力等」に関するもの
「外国語活動」との違い
◎単語を目て見て、何度も発音されるの聞いて、文字と音の関係を大まかに
理解し、読めたり、書けるような基礎的な力を求めている

3つ目の柱:「学び向かう力、人間性等」に関するもの
「外国語活動」との違い
◎「相手に配慮しながら」を、「他者に配慮しながら」に。コミュニケーションの幅が広がっていくことに対応したもの

となっています。

ここで、表現的に「あれ?」と思うのは、以下の部分です。

1つ目の柱について
「・・・ただし、それらの知識や技能は限定的であることに留意したい。
例えば、「読むこと」に関しては、何度も目にし、口頭で言えるようになっている語彙や表現を視覚情報を伴いながら推測して読めることであって、
音声と綴りの関係を理解し、未修の語彙を読めるようになることを目標としているわけではない。」

・せっかく、「文字と音声」との関係の基本的なものを学ぶのに、
あくまでも「推測できる」レベルでよく、それが「使える」レベルまでは
求めていない、という訳のわからない線引き。

これは、あくまでも
「中学校英語」の「学習指導要領」の内容の変更までは、
踏み込まないから、その前のレベルで終わりなさい、という
体裁を文科省がとっているだけです。

こんな中途半端なことをするから、
小学校の先生も指導しづらく、中学校との接続がさらに難しくなるのです。

・「文字と音声」の関係性に気づくような授業を行いながら、
それを「使えさせない」というのは、
教える側も、教えられる側もお互いフラストレーションが
高まり、結局「どうでもいい授業」構成になってしまうのでは
ないかと思います。
→そして、それが文科省が心配している「中学校英語」への
動機付けを見事に低下させることになるのです。

結局、現在実施されている「外国語活動」も
素地を作ると言いながら、
言語を「使わせる」部分まで行ってはいけない、という規制のため
中途はんばな授業になり、英語格差を大きくしてしまっている
状況は、新しい学習指導要領でも変わらないと思います。

④英語の目標

最後にこの章では、
「英語の目標」という項目があります。

まず、この名前が紛らわしいです。

ガイドブックを読むと、結局
外国科(小学校高学年)で、「読むこと」「書くこと」の部分も指導範囲に
入って来るので、英語の4技能と言われる「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」のそれぞれの分野における目標を示す、
ということらしい。

であれば、この項目は、
「外国語活動」「外国語」の4技能のおける目標
とした方がわかりやすのではないかと思います。
(多分「技能」という言葉を使用することに抵抗があったのでしょうね。)

では、それぞれのポイントをさらに簡単にまとめてみます。

外国語活動での「聞くこと」「話すこと」のポイント

「聞くこと」について
→児童が興味・関心をもつ話題を取りあげ、「ゆっくりはっきした英語」を
聞かせること。アルファベットの名前読みを区別できるようにすること
☞「名前読み」とは?
A:ガイドブックでは、「名称の読み方」となっています。
アルファベットの「名称の読み方(名前読み)」とは、「エイ(A)、ビー(B)、スィー(C)・・・」のように、最初にアルファベットを覚える時に
使う「読み方」です。アルファベットにはこの「名前読み」の他に、
「文字が持っている音(音読み)」があります。Bというアルファベットには 「ビー」という「名前読み」と「ブッ」という「音」読みがあります。
※発音記号で表記できないのでカタカナ表記しました。すみません。

「話すこと」[やりとり]
→サポートを受けながら、身の回りの事柄について質問したり質問に答えたりすること。

「話すこと」[発表]
→実物や写真、絵などを活用し自分の考え、気持ちを人前で話すようにすること。

外国語での「聞くこと」「読むこと」「話すこと」 「書くこと」のポイント

「聞くこと」
→短い話の概要を捉えることができること。

「読むこと」
→アルファベットの「名前読み」と「音読み」を指導する。
※ただし、「音と綴りの関係」までは指導することは意味しない。

「話すこと」[やりとり]
→「その場」で質問をしたり、質問に答えたりしてコミュニケーションできるようにすること。

「話すこと」[発表]
→伝えない内容を整理、理解した上で、自分の考えや気持ちなどを表現できるようにすること。

「書くこと」
→語順を意識しながら書き写すことができるようにすること

そしてこの解説に後に
「~、外国語活動が高学年から中学年へ、また高学年は中学校の内容が前倒しされたかのような印象を受ける。しかし、そのように考えることは、その目標を見誤ることにつながりかねない。~慣れ親しませる段階である~。
~気付きを促すことが大切であり、文法的な語順等を優先させることではない。・・・・」
とくぎをさすように記されています。

この「慣れ親しませ」「気付き」だけを重視させる点が、
子供たちの内発的動機を低下させていることがどうして
分かららないのかな?

「慣れ親しませ」「気付き」があったら、
当然子供たちは、英語という言語の基本的な「謎」を
知りたくなるはずです。
そうすれば、「どうして?」「どうして?」と
子供たちは、先生に質問することでしょう。

それを、小学校3年生から小学校6年生までの
4年間「みんなはこのレベルでいいの。後は中学校で勉強してね。」
と言われて、誰が我慢できるのでしょう?

私は個人的に
早期に外国語活動を導入するのは反対しますが、
このような計画で進めるのであれば、
中学校の内容を前倒しして導入した方が逆にすっきりすると思います。

ただし、
小学校の先生方で、英語の教科免許を持っている人は
それほどいないと思われるので、そこまで強引には指導させられない、というお役人の苦肉の策なのでしょう。

であれば、
「最終的にはそのような形にもっていくので、
大学の教員養成課程の内容を改定し、少しずつ英語教育の改革を
進めていきましょう」
となれば、いいのですが、
どうも「今」やらないとだめらしい。

こうして英語教育のひずみは大きくなるのです。

今回はここまで。

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