研修ガイドブックについて~基本編⑥その言語活動1

今回は、研修ガイドブックの第4章
「小学校外国語教育の言語活動」を見てましょう。

最初に、言語活動は、
外国語活動では、「聞くこと」と「話すこと」であり、
外国語科では、「読むこと」と「書くこと」が(それに)加わる。

と明記されていて、
その言語活動をどのように捉えたらよいのかを説明しています。

項目として、
1 「外国語活動」及び「外国語」における言語活動
2 「外国語活動」における言語活動
3 「外国語」における言語活動
と3つ用意されているので、順番に見ていきましょう。

1「外国語活動」及び「外国語」における
言語活動

概要を述べると以下のようになるかと思います。

〇各教科等で、
基礎的な「知識及び技能」を活用して課題を解決するために
必要な「思考力、判断力、表現力等」の能力を育成するために、
記録、要約、説明、論述、話し合いといった言語活動の充実を
図られてきた。

→重要なのは、言語能力の向上である。

外国語活動や外国語科における言語活動は、
それより基本的なもので
「実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合う」活動である。
→言語活動は、言語材料について理解したり練習したりするための指導と
区別されている。
※言語材料に関する指導とは
・・・①英語を用いずに日本語だけで情報を整理しながら考えを形成
・・・②発音練習や歌、英語の文字を機械的に各活動(→練習)
などのことである。
→言語活動を成立させるために重要であるが、練習だけで終わることがないように。

◎言語活動が練習だけで終わらないように、ということをかなり強調していますが、この土台がないと言語活動ができるわけはないので、「練習」と「言語活動」をまったく別なもののような表記の仕方をするのはおかしいと思います。練習は、言語活動の土台ですが、それはぴったりとくっついて離れない土台なのです。そして、言語活動がうまくいかなければ、また練習に戻り、その後にまた言語活動に取り組むというように絶えず行き来することによりレベルを高めあっていくものなのです。
 また、その練習も文科省がくどく言っているように、明示的に指導するのではなく、あくまでも「慣れ親しみ」「気付き」のレベルまでとするというのでは、しっかりした「練習」を子どもたちはできないのではないでしょうか。そしてその不十分な「練習」の上に「言語活動」を載せていくなんて、なんと無茶なことでしょう。
結果、外国語活動は英語を使ったちょっとしたお楽しみの「ゲーム」で終わってしまうのです。だから、小6になると、ほとんどの子どもたちは彼らの発達段階に合わない幼稚な活動に飽きてしまうのです。

〇単元の中で言語活動が位置付けられているか、また練習は言語活動につながっているかを検討することは重要である。
~例として 4年生「Unit 3 I like Mondays.」では
①曜日の言い方を知り、歌を歌ったり、ゲームしたりする
→言語活動のための練習
②好きな曜日を伝え合ったり、自分と同じ曜日が好きな人を見つけたりする
→言語活動
のような構成になっています。

◎さて、ここで質問です。
この Unit 3 での言語活動は、何か子どもたちにとって興味・関心をもつ
身近な話題でしょうか?限られた語彙、表現で活動をするので仕方ないと言えば仕方ないのですが、「何曜日が好きですか?」「~曜日です。」この会話を繰り返し、自分と好きな曜日が好きな人が何人いたかなどを知って、子どもたちの内発的動機付けを高めることはできるのでしょうか。このガイドブックにも記されていますが、その活動の「必然性」や身近な興味・関心を高めるような活動だとはとても思えません。おそらく中学年でなくて、低学年にはいいのかもしれませんが・・・・。
本当は、「~曜日が好きです。なぜなら・・・・だからです。」のような
理由の部分がないと、この言語活動は文科省が言う意味のある「言語活動」にはならないのです。だから、この「言語活動」は、正確に言うと文科省の言うところの「練習」だと私は思います。外国語習得の最初の時期は、かなりの長い間「練習」がしっかりできるかを評価するのが、一番早くその言語を「使える」ようになれる方法なのでは?それを無理やり、「言語活動」にもっていこうとするから、指導要領が破たんしていくのです。

〇この項目では、最後に
言語活動の領域別目標として、「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やりとり]」「話すこと[発表]」「書くこと」の5領域で示されているのは、国際的な基準であるCEFRにおいても採用されている、ということを述べています。

◎必要のない部分である。
日本の外国語科における学習指導要領がすべて、CEFRの基準に合わせて作成されているものであるならば、必要かもしれませんが、特別そんなこともないのに、突然 “CEFR”が・・・と言われても混乱するだけだと思います。単に文科省が、そういう知識を見せびらかしているだけでしょう。

今回はここまで。

次回は、2「外国語活動」における言語活動 を見てみましょう。

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