さて、今回からは、
「小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック」と連動して
2017年7月10日から公開された、Youtubeの動画について
お話していきたいと思います。
ガイドブックの「実習編」との連動
実は、この文科省が公開している Youtube の一連の動画は、
「小学校が国語活動・外国語ガイドブック」の
「実習編」と連動しており、
1 クラスルーム・イングリッシュ
2 基本英会話
3 Small Talk
4 スピーキング・トレーニング
5 発音トレーニング
という5つの章からなっています。
そこで、今回は、
それぞれの章と関連している動画を1つずつ取りあげ、見ていきます。
ということで、今回は、
1 クラスルーム・イングリッシュ の動画をみてみましょう。
1 クラスルーム・イングリッシュ
「ガイドブック」の「クラスルーム・イングリッシュ」の章には、
以下のようなことが書かれています。
〇教師が積極的に英語を使用することにより、英語を使うよいモデルを示すことにより、
児童が一生懸命に教師の英語を聞こうとする態度も引きすることができる。
〇クラスルーム・イングリッシュを用いる時は、児童の理解の程度を確かめながら、ゆっくり、はっきりと言うように心がける。必要に応じては、ジェスチャーや絵などを用いて児童の理解を助けるようにすること。児童を目を見てしっかり言うこと。
これを見てみると、
クラスルーム・イングリッシュの第1弾ということで、
本当に基本的な表現ばかりなのですが、
実は、このような「当たり前」のクラスルーム・イングリッシュでさえも
私が住んでいる地域の中学校の英語の先生は、
(「ほとんど」とは言いませんが)使っていない方が
多かったように思えます。
以前、別のブログ記事でも書きましたが、
中学校の教科の先生は、「一国一城」の主になってしまう傾向が
強いので、「他の先生」方が授業を見るのを拒み、
自分が中学生の時代に教えてもらった「訳読式」授業に
こだわる方が多いのです。
ですから、中学校の先生方が、
「外国語活動」の授業を見ると、
まずクラスルーム・イングリッシュを多用している小学校の指導者を
見て感心するのです。
それは、この Youtube を見てもわかるように
小学校では「音」が優先で、まず教師が「学ぶモデル」として
英語を使ってください、文科省が指導しているからです。
でも、当時は、
逆に言えば、中学校の英語の先生は、
「英語を学ぶモデル」ではなかったのかもしれません。
英語を学ぶモデル
・諸外国では、
第2、3言語を学ぶ場合は、ほとんどはその言語の
Native Speaker が「教師」になるのだそうです。
・言語の生成の仕方が似通っている言語同士であれば、
Native Speaker が教師であった方が、効果的であり、
言語を習得するのも当然早くなるでしょう。
・しかし日本語のように、言語の生成の仕方が全く違うものであれば、
Native Speaker も活用し(今のALTのように)、やはり同じ日本人が
外国語を教えた方が生徒にとって「学びやすい」のではないかと
思います。
・そのため、現れたのが「学ぶモデル」。
そうであれば、この「学ぶモデル」を、
小学校でも、中学校でも、高校でも、大学でも
言語を教える教師は、その役目を果たさなければいけないことになります。
・しかし、
おそらく現時点では、「小学校」の外国語教育を担当する教員にだけ
「学ぶモデル」であることを文科省は求めているようです。
・文科省が、「英語を使える日本人」を育成していくのであれば、
そのことを、学習指導要領に明記する必要があるのではないでしょうか。
・こうして考えていくと、
やはり文科省が進めていく英語教育に一貫性がないことがよくわかりますね。
今回はここまで。
「小学校外国語活動に関わるYoutube動画」は「①」から「⑤」まで
あります。下記にリストアップしますので、興味のあるものが
ありましたら、クリックしてお読みください。
②基本英会話
③Small Talk
④スピーキング・トレーニング
⑤発音トレーニング
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