今回は、
高校で扱われる助動詞を取り上げます。
まず最初は、
基本編その1として、
① should と ought to と ② used to について解説していきます。
① should と ought to
▶︎基本的には、これらの助動詞 – should と ought to は
・「義務・アドバイス▶︎〜すべき」
・「確信▶︎〜するはず」
の2つ表現することができます。
それぞれを見ていきましょう。
「義務・アドバイス▶︎〜すべき」
・どちらも「〜すべきだ」と「義務」や「アドバイス」を表現する助動詞です。
(赤字が助動詞、黄色アンダーラインが動詞の原形の部分です。)
ex.1 You should brush your teeth every day.
(毎日歯を磨くべきである。)
👉【should +動詞の原形】で
「毎日歯磨きをするべきだ」と相手に対して「軽い義務」や「アドバイス」を
示しています。
ex.2 They ought to start studying now.
(彼らは今勉強し始めるべきである。)
👉【 ought to +動詞の原形】で
「今勉強することを始めるばきだ」と「彼ら」に対して「軽い義務」や
「アドバイス」を表現しています。
※should と ought to の違い ・どちらもほぼ同じ意味ですが、should より ought to の方が ①使われる頻度が低く ②強制や確信の度合いが少し高い |
「義務」を表す助動詞の強制力の強さ
▶︎「義務」を表現できる助動詞は意外と多くあるのですが、
それを、「強制力」の強さを示すと
should → ought to → have to → need to → must の順で強くなります。
※should, ought to は、
must と比べるとかなり「弱い義務」であり、相手に対して「アドバイス」する
ようなニュアンスが強いのです。
「確信▶︎〜するはず」
・should と ought to は、
その内容を確信して「〜するはず」と表現することもできます。
ex.3 My children should be at back home by now.
(私の子どもたちは今頃は家に帰っているはずです。)
👉子どもの両親が should を用いて、
「帰宅していること」を確信しています。
ex.4 He ought to know our rules.
(彼は私たちのルールを知っているはずだ。)
👉「私たち(おそらく何らかのグループや団体」が ought to を用いて
「彼がルールを知っていること」を確信していることを表現しています。
※ought to の ought は、can や must と同じようにその語尾に
-s がつくなどの語形変化はしません。
shouldn’t , oughtn’t to という否定形だと▶︎「〜しないはずだ」
▶︎ should の否定形は、shouldn’t ( = should not )+動詞の原形、
ought to の否定形は、oughtn’t ( = ought not ) to +動詞の原形で
「確信」のニュアンスで否定すると「〜しないはずだ」という意味になります。
ex.5 This trouble shouldn’t happen.
(こんなトラブルは起こらないはずだ。)
おまけ:ought to の否定文・疑問文
・ought to は、そもそも使われる頻度は少ないのですが、
その否定文や疑問文は、それに輪をかけて見かけることは滅多にありません。
🔶ought to の否定文:ought の後ろに not
You ought not (oughtn’t) to join the party.
(そのパーティに参加するべきではない。)
※oughtn’t (ought ) to +動詞の原形
🔶ought to の疑問文:ought を文頭に
Ought I to join the party?
(そのパーティに参加するべきですか。)
※Ought +主語+to +動詞の原形〜?
② used to :過去との対比
▶︎used to +動詞の原形は、
「以前は〜していたものだ」や「以前は〜だった」のように、
👉「過去の習慣」や「過去の状態」を
「過去と対比」して表現する時に使われる助動詞です。
【過去と対比とは?】 used to の表現は、絶えず「今はそうでないが」という 「過去との対比」を意識したニュアンスが含まれるので注意しましょう。 |
ex.1 I used to play tennis every Saturday.
(私は毎週土曜日テニスをしていたものだ。)
👉used to を用いて、「現在はしていない」が
以前は「毎週土曜日にテニスをしていた」という「過去の習慣」を表現しています。
ex.2 There used to be a restaurant here.
(以前はここにレストランがあったものだ。)
👉used to を用いて、「現在はない」が
以前は「この場所にレストランがあった」という「過去の状態」を表現しています。
used to の否定文、疑問文
・used to の否定文や疑問文は滅多に使われることはありませんが、
次のような形で使われます
🔶used to の否定文:didn’t use to / used not to
My father didn’t use ( used not ) to cook in the kitchen.
(父は以前は台所で料理をしなかったものだ。)
※didn’t use (used not ) to +動詞の原形
🔶used to の疑問文:Did を文頭に
Did she use to like you?
(彼女は以前あなたのことを好きだったのですか。)
※DId +主語+ use to +動詞の原形〜?
「過去の習慣」と言えば would も?
・「過去の習慣」を表現する助動詞と言えば、
would もありましたが、used to とはどう違うのでしょうか。
まずは、would の例文を見てみましょう。
ex.3 My brother would often take me fishing.
(兄はよく私を釣りに連れて行ってくれたものだった。)
👉would を用いて、「兄が私を釣りに行ってくれた」ことが
「過去の習慣」としてあったことを表現しています。
ex,4 Ken would jog in the park when he was young.
(ケンは若い頃公園でジョギングをしていたものだ。)
👉would を用いて、「若い頃公園でのジョギング」を
「過去の習慣」としてあったことを表現しています。
さて、それでは、
「過去の習慣」を表す would は、used to と全く同じなのでしょうか?
would と used to の 違い
▶︎would と used to の一番の大きな違いは、
「過去の対比」があるかどうかです。
上記の ex.3 My brother would often take me fishing. では
👉「現在」がどうなっているかは関係ありません。
( My brother used to take me fishing. であれば、
「現在はそういうことをしていない」ことを意味します。)
ex.4 Ken would jog in the park when he was young. も
👉「現在」がどうなっているかは関係ありません。
※「関係ありません」とは。「現在」も続いているかもしれないし、
続いていなくても使える表現だということです。
【過去の習慣を表す would と used to の違い】① 「過去との対比」があるかどうか。 🔵used to 「過去との対比」がある。 🔵would 「過去との対比」にこだわりがない。 |
▶︎used to は「過去の習慣」と「過去の状態」を表現できますが、
would は「過去の状態」を表現できません。
ex.2 There used to be a restaurant here. は「過去の状態」を示すので、
この used to を would に置き換えることはできません。
❌ There would be a restaurant here.
【過去の習慣を表す would と used to の違い】② 🔵used to は「過去の習慣」「過去の状態」を表現できる。 🔵would は「過去の習慣(動作動詞)」だけを表現できる。 |
▶︎この would は、どちらかと言うと「過去のことを思い出して話す」という
ニュアンスが強いので、
ex.3 の often や sometimes, または ex,4 の when he was young のように
「その頻度」や「過去の時」を明示することが多い。
【過去の習慣を表す would と used to の違い】③ 🔵would には、「頻度を表す副詞」や「過去の時」を明示することが多い。 ※used to の場合は、そのようなものがなくても構わない。 |
このような違いにも気をつけて、
表現できるようにしましょう。
今回はここまで。
コメント