be動詞の基本的な性格
英語の入門期には、
「英語には2種類の動詞があります。それは、be動詞と一般動詞です。」という説明がまず間違いなくなされます。そこで、生徒の頭の中には、
英語の動詞=be動詞+一般動詞
のような数式がインプットされます。
「動詞」とは「主語の動作や状態などを表す」ものなので、
生徒は 「be動詞も、何らかの動作や状態を示す」のだと思い、一苦労します。
なぜなら、「be動詞」そのものには、意味がないからです。
それが、「be動詞の意味」は「~です。」だと勘違いする生徒を
生み出してしまうわけです。
be動詞は、
①語順として、「動詞」の場所を占める(が)
②一般的に考える「動詞」の意味をもたない
③be動詞は「=」の役割を果たすだけ
~という特別な品詞なのです。
このことについて具体的に説明します。
be動詞は「=」の役割をもつ機能語
以下の例文を見てください。
ex.1 I am Ken.
ex.2 This river is beautiful.
ex.3 May is washing the dishes now.
ex.4 This picture was painted by Van Gogh.
ex.5 They are at the station.
特に、ex.1 を見ると、
「私はケンです。」という意味なので、中1の生徒などは、
” am は「です」という意味なんだ!” と思いこんでしまう傾向が大きいようです。
しかし、考えて見ると、
be動詞の意味が、「です」だとすると、
ex.2 ~ ex.5 では通用しないことがすぐわかります。
すなわち、
be動詞には、「意味がない」のです。
be動詞には、「意味がなく、主語との『=(イコール)』の関係を示す」機能を果たしているだけなのです。
上記の ex.1 ~ ex.5 で確認してみます。
ex.1 I am Ken. → I = Ken.
(私はケンです。➡ 私=ケン)
ex.2 This river is beautiful. → This river = beautiful.
(この川は美しい。➡ この川=美しい)
ex.3 May is washing the dishes now. → May = washing the dishes now.
(メイは今皿を洗っている最中です。➡ メイ=今皿を洗っている真っ最中)
※~ing(現在分詞) には「~している真っ最中」という意味があります。
ex.4 This picture was painted by Van Gogh.
→ This picture = painted by Van Gogh.
(この絵はゴッホによって描かれた。➡ この絵=ゴッホによって描かれた)
※過去分詞(ここでは painted)には「~されている」という意味があります。
ex.5 They are at the station. → They = at the station.
(彼らは駅にいます。➡ 彼ら =駅に)
※at +場所で、場所を示し「存在」を意味します。
◎ex.3 の 現在分詞( washing ) も、ex.4 の過去分詞( painted ) も状態を表しているという意味では、ex.2 の形容詞( beautiful ) と同じなので、扱い方も同様なのです。
このように見ていくと、
be動詞には「=」という機能しかないのだ、ということがよくわかると思います。
「=」の後に何が来るのか?
・このように be動詞は、「=」の役割を果たし、
その後ろに来るもので、「主語」の様々なことを説明します。
ーこの特徴をとらえて、
東洋学園大学教授の大西泰斗先生は、「説明型」と呼んでいます。
そこで、その後ろにどんなものが来れるのかを確認してみましょう。
パターンとしては、
下記のような「5種類」の説明があります。
Lucy | was (=) |
a. a cook. | コックでした | 名詞 |
b. sad. | 悲しかった | 形容詞 | ||
c. watching TV. | TVを見ていた | 現在分詞(進行形) | ||
d. injured in the park. | 公園でケガした | 過去分詞(受け身) | ||
e. in the living room. | 居間にいた | 前置詞+名詞 |
(なお、上記の ex.1 ~ ex.5 は a.~ e. と対応しています。)
このように、be動詞の後には、
a. 名詞
b. 形容詞
c. 現在分詞(進行形)
d. 過去分詞(受け身)
e. 前置詞+名詞
の5種類が来て、主語の様々な説明をするのです。
文型で言うと?
この be動詞の使い方は、文型で言うと、何の文型になるのでしょう。
簡単に、英語の5文型を確認しましょう。
第1文型 S+V
第2文型 S+V+O
第3文型 S+V+C
第4文型 S+V+O+O
第5文型 S+V+O+C
(S=主語 V=動詞 O=目的語 C=補語)
実は、be動詞は、第3文型を構成する動詞なのですが、
そこでポイントは、C=補語 です。
以外と「補語」のことをきちんと理解していない人がいるので、
確認すると、
補語=動詞の後で主語について説明する語
となります。
ほら、上の『be動詞は「=」の役割をもつ機能語』で
お話していた内容と、同じ説明ですね。
すなわち、
be動詞は、
・「=」の役割をする機能語で
・その後に主語を説明する語句が来て
・第3文型(SVC)を構成する
動詞である、となるわけです。
今回はここまで。
「動詞を知る」にはその他には5つのカテゴリーが
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👉動詞の性格
👉be動詞と似た一般動詞
👉一般動詞の性格
👉第4文型
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