動詞を知る~⑪他動詞+目的語=説明語句その5

他動詞+目的語=説明語句の5回目で、これが「動詞を知る」の最後です。

また、文型の確認から。

この形は、一般的には
第5文型:主語+動詞+目的語+補語 と言われる形で、
その「機能」に注目し、「目的語+補語」の部分を、「目的語=説明語句」と表現しているだけです。(「補語」とは、その語<主語や目的語>を説明する、役割をします。)

その1では、説明語句が「名詞
その2では、説明語句が「形容詞
その3では、知覚構文で、説明語句が「動詞の原形と ing形
その4では、使役構文で、説明語句が「動詞の原形」の場合を取りあげましたが、

今回は、説明語句が「to 不定詞の場合を扱います。

その5 説明語句が「to 不定詞」の場合

・この文型では、
他動詞と to 不定詞とのコンビネーションで、
豊かな表現を創り出すことができる、便利な語順です。

そこには、to 不定詞がもつ、特有なニュアンスがその意味に影響を与えます。

そこでまず、to 不定詞がもつニュアンスを考えて見ましょう。

to 不定詞がもつニュアンスとは・・・

to 不定詞とは、
to +動詞の原形~ の形のことを指します。

中学校では、
「この to 不定詞には、3つの基本的な使い方があって、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法があって・・・」とよく説明します。
・私も、このブログでそのような分類方法を使って説明しているのですが、
実は、この to 不定詞の基本的なニュアンスは、全部同じです。
※そのことについては、下記のブログでも扱っています。

その基本的なニュアンスは、
to 不定詞 の to が持っている語感です。

例えば、
I go to school by bike. であれば
to は「前置詞」」の to「~へ」と「方向を示す」ものだ、となりますよね。

すなわち、
前置詞 to は、「方向を示す」矢印的な役割をして、
「to 以下の行動に向かう」という意味が、to 不定詞にはあるのです。

to 不定詞の基本的な意味:to 以下の行動に向かう

これを押さえると、
他動詞と目的語、そして to 不定詞(説明語句)の組み合わせによって、
どのような意味がつくり出せるか、およそ想定ができます。

この「他動詞」と「to 不定詞」のコンビネーションでは、
おおよそ3種類に分けられます。

他動詞と to 不定詞の3種類のコンビネーション

おおよそ下記のような3種類に分類されます。

他動詞+目的語=説明語句(to 不定詞)
①「押す」タイプの他動詞 ask. tell, order, persuade, convince など
②「こらから」タイプの他動詞 want, need, expect, advise など
③「許可」タイプの他動詞ほか allow, permit  / cause, remind, get, enable など

それでは1つ1つを具体的にお話していきます。

なお、それぞれの例文で
赤字が「動詞」、青字が「人やもの(目的語)」、黄色い部分が「to 不定詞以下の行為」としています。

「押す」タイプの動詞と to 不定詞との組み合わせ

「押す」タイプの動詞とは、
「人に(目的語に)」、「to 不定詞以下の行為を」、「働きかける(押す)」動詞のことを言います。

ask であれば、
「人に」、「to 不定詞以下の行為を」、「頼むという働きかけ」をします。
order であれば、
「人に」、「to 不定詞以下の行為を」、「命じるという働きかけ」をします。
~このような動詞を「押す」タイプの動詞と言います。

それでは、具体的な例文を見てみましょう。

ex.1  Our teacher always tells us to study English every day.
◎私たちの先生はいつも私たちに毎日英語を勉強するように言う。
☞「押すタイプの動詞:tell」が、us =to study English every day するように働きかけています。

ex.2  The police ordered me to go home as soon as possible.
◎警察は私にすぐ帰るように命じた。
☞「押すタイプの動詞:order」が、me =to go home as soon as poissible するように働きかけています。

「これから」タイプの動詞と to 不定詞との組み合わせ

「これから」タイプの動詞とは、
「人(目的語)に」、「これから」先の行動を求める動詞を指します。

◎具体的に言うと、want+人+to 不定詞 であれば
→「人」に「to 不定詞以下の行為」をしてもらいたい、という意味で、相手に「これから先」の行為を求めています。
◎また、expect +人+to 不定詞 であれば
→「人」に「to 不定詞以下の行為」をすることを期待する、という意味で、同じく相手に「これから先」の行為を求めています。
~このような動詞を「これから」タイプの動詞と言います。

それでは、具体的な例文を見てみましょう。

ex.3 Do you want me to pick you up at the station?
◎私に駅に車で迎えに行って欲しいのですか。
☞「これからタイプの動詞:want」が、me=to pick you up at station するように働きかけています。

ex.4  We need everyone to know this fact.
◎私たちは、みんなにこの事実を知ってもらう必要がある。
☞「これからタイプの動詞:need」が、everyone =know this fact」するように働きかけています。

 

「許可」タイプの動詞 ほか と to 不定詞との組み合わせ

「許可」タイプの動詞とは、
「人(目的語)に」対して、「to 不定詞以下の行為」を「許可」する動詞です。

allow であれば、
「人」に「to 不定詞以下の行為」を「許可」する状況です。

それでは、例文をいくつか見てみましょう。

ex.5  Please allow me to ask you some questions.
◎どうか私がいくつか質問することをお許しください。
☞「許可タイプの動詞:allow」が、me=ask you some questions するように働きかけています。

ex.6  Her father didn’t permit her to go out after 9 p.m.
◎彼女の父は、彼女が夜9時以降の外出を認めなかった。
☞「許可タイプの動詞:permit」が、her=to go out after 9 p.m. するように働きかけることを否定しています。(否定文のため)

・また、その他の動詞としては、
基本的には  to 不定詞の「to 以下の行為に向かう」ものと親和性が高いものは、
組合せ(コンビネーション)することができます

その例として
◎「to 以下の行為に向かう」ことを思い出させる、であれば・・・remind+人+to 不定詞
◎「to 以下の行為に向かう」ことを可能にする、であれば・・・・enable+人+to 不定詞
などがあります。

例文を挙げます。

ex.7  The scholarship enabled me to go to college.
◎奨学金のおかげで、私は大学に行くことができた。
☞「可能を示す動詞 enable」が、me = to go to college するように働きかけています。

ex.8  The long rain caused the river to overflow.
◎長雨のためその川が氾濫した。
☞「原因を示す動詞 cause 」が、the river=overflow するように働きかけています。

 

これで、
「動詞を知る」シリーズは一旦終了です。
足りない部分もありますが、それはまた後日追加していきます。

 

「動詞を知る」にはその他には5つのカテゴリーが
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👉動詞の性格
👉be動詞の性格
👉be動詞と似た一般動詞
👉一般動詞の性格
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