仮定法〜①基礎編

今回から、「仮定法」を取り上げて行きます。
この仮定法については、
①基礎編
②if を用いた仮定法過去
③if を用いた仮定法過去完了
④wish や as if を伴う仮定法
⑤if が出てこない仮定法
⑥仮定法を使った慣用表現
⑦未来に対する仮定法
〜と7回にわたって解説していく予定です。

第1回の今回は、
基礎編」ということで、
仮定法と「動詞の形」についての関係を確認しましょう。

仮定法と「動詞の形」

・仮定法と「動詞の形」に大きな関連があるので、
そのことについてまず解説します。

▶︎英語は「動詞の形」で「時」を示すことができる
言語です。
①「現在形」は、「現在を中心とした広い範囲」の事実を示す
②「過去形」は、「過去」の事実を示す
※どちらも「事実」を示す形なのです。

▶︎それでは、「動詞の原形」はどうでしょう?
「原形」が使われるときは、
①助動詞+動詞の原形
👉基本的に助動詞は「頭の中で」考えたことを表現します。
② to +動詞の原形(不定詞)
👉不定詞は to があることからもわかるように
「これから〜する」方向へ向かう、というニュアンスがあります。
③命令文
👉「これからする」ことを相手に命令する文です。
〜のように「まだ行われていない」ことを表現します。

▶︎では「仮定法」では、動詞はどんな形を使うのでしょう?
皆さんは、
「仮定法」と言ったら、
どんなことを表現すると思いますか。

「仮定法」とは・・・

・日本語で「仮定」という言葉からすれば、
①「仮に私があなただったら」
②「もし明日が晴れだったら」
どちらも英語で言う「仮定法」を使いそうですが、

違います!

①の「仮に私があなただったら」
という状況は、
▶︎現実はそうでない、ということを
意味しています。
👉英語にすると、If I were you となります。

②「明日が晴れだったら」
という状況は、
▶︎そういう前提条件であれば、ということを
意味しています。
👉英語にすると、if it is fine tomorrow となります。

あれ?どちらもif を使っているから仮定法?

・if 「もし〜ならば」だから、
if を使えば「仮定法」なのでは?と思っている方、
残念ながら違います。

英語で言う「仮定法」とは、

事実に反することを仮定」する文のこと

なのです。

ですから
上記の①の If I were you は、「仮定法」の文
上記の②の If it is fine tomorrow は、
前提条件を示しているだけなので、「仮定法」ではなく
文法専門用語で言うと「直説法」の文と言います。

「仮定法」と「直説法」の違いは?

・ここまでの部分を確認していくと、

if『もし〜ならば」には、
①前提条件を述べる「直説法
②事実に反することを仮定する「仮定法
の2つの使い方がある、
〜ということになります。

それでは、この「直説法」と「仮定法」の違いは、
何か?となります。

それは①と②の例文の「赤字」の部分、
動詞の形」にあります。

例を挙げます。

ifの「直説法」で
「現在」の前提条件を表現する場合は、動詞は「現在形」
「過去」の前提条件を表現する場合は、動詞は「過去形」となります。
ex.1  If it is fine tomorrow, I will go to swim in the sea.
「明日晴れなら、海に泳ぎに行く予定だ。」
👉「現在」の時点での「前提条件」なので、 be動詞(is) は「現在形」
ex.2  If you finished your homework, you may play video games.
「宿題を終えたら、TVゲームをしてもいいよ。」
👉「過去」の時点での「前提条件」なので、動詞(finished)は「過去形」
◎if の直説法の「過去」は、あまり使われることがないようです。

仮定法」で
「現在」の時点で「事実と違う仮定」をする場合は、動詞は「過去形」
「過去」の時点で「事実と違う仮定」をする場合は、動詞は「過去完了形」
となります。
ex.3  If we had time and money, we might travel all over the world.
「もし私たちは時間とお金があるなら、世界中を旅行するかもしれない。」
👉「現在」の時点で「事実と違う仮定」なので、動詞(had)は「過去形」
ex.4  If Tom had not taken the wrong train, he would not have missed the meeting.
「もしトムが電車を乗り間違えなかったら、会議に間に合っていただろうに。」
👉「過去」の時点で「事実と違う仮定」なので、動詞(had not taken) は「過去完了形」

if に関する「動詞」の形をまとめると次のようになります。

if「もし〜ならば」
2種類の使い方 if の中での動詞の形
①前提条件👉直説法 現在の条件 → 現在形 過去の条件→過去形
②事実に反する仮定👉仮定法 現在の仮定 → 過去形 過去の仮定→過去完了形

ここでは、
赤字の②について説明していきます。

今回の「仮定法」と「動詞の形」をまとめると
次のようになります。

仮定法と「動詞の形」のまとめ

 

「時」に関わる表現 動詞の形 意味するもの
「時」表現を示さない 動詞の原形 まだ行われていないこと
「時」表現がある 現在形・過去形 現在・過去における事実
仮定法 「動詞の形」のずれ 事実に反することを仮定

◎仮定法の大きな特徴は、

表にあるように「動詞の形」のずれ です。
▶︎「現在」で「事実に反することを仮定」する場合は、「過去形」
▶︎「過去」で「事実に反することを仮定」する場合は、「過去完了形」
〜を用いるという「ずれ」です。

このことについて、
次回から説明していきます。

 

今回はここまで。

 

「仮定法」に関しては「①」から「⑦」まであります。
下記にリストアップしますので、読みたいものがありましたら
クリックしてください。
②if を用いた仮定法過去
③if を用いた仮定法過去完了
④wish や as if を伴う仮定法
⑤if が出てこない仮定法
⑥仮定法を使った慣用表現
⑦未来に対する仮定法

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