今回からは、「時」に関する表現の「過去」について
説明していきます。
「時」表現に関しては、次のように分けてエントリーして行きます。
①現在
ーa. 現在形について
ーb. 現在進行形について
ーc. 現在形と現在進行形の違い
②過去
ーa. 過去形について
ーb. 過去進行形について
ーc. 過去形と過去進行形について
③未来
ーa. will と be going to について
ーb. 未来進行形
※未来進行形は中学校では扱いませんが、参考程度に
取り上げます。
今回は、過去の「時」表現の第1回として、
「過去形」について
詳しく見ていきます。
過去形とは
中1の最後に初めて
英語の「過去」の表現が出て来ます。
・I visited many places last year.
「私は去年たくさんの場所を訪れました。」
・I arrived in Gold Coast, Australia , two days ago.
「私は2日前オーストラリアのゴールドコーストに到着しました。」
このように
英語では、「過去」の表現をするときは、
動詞を「過去形」という形に変えて、英文にします。
最初に、この「過去形」について
確認します。
英語の動詞は変化する
・英語は「動詞」に様々な情報が集まってきます。
a. 主語が「単数」か「複数」かを示す
ー3単現であれば、動詞の語尾に -(e)s が付きます
b. その英文の「時」を示す
c.「動詞」の次にどんな語が来るか指定し、文の形を決定する
ーその語が「目的語」であったり、「補語」であったりします
b. のように
英語は、その「動詞」を見ると、
その英文の「時」がわかるようになっているのです。
👉そのため、動詞は「時」に合わせて「変化」します。
その「変化」を「語形変化」と呼びますが、以下の5つがあります。
①原形
ー動詞の元の形。助動詞や to 不定詞とともに使われる
「時」と関わりがない形のことです。
②現在形
ー「現在」を示す形。3単現の場合は語尾に -es がつく。
③過去形
ー「過去」を表す形。
④過去分詞
ー「受動態」と「完了」表現で用いる形。
⑤ing形
ー「進行形」と「動名詞」で用いる形
この5つの形を具体的に示してみましょう。
①原形 | ②現在形 | ③過去形 | ④過去分詞 | ⑤ing形 | |
be (「=」) | is / am / are | was / were | been | being | |
have(持つ) | have/has | had | had | having | |
use(使う) | use/uses | used | used | using |
この過去形には、
その変化の仕方で2種類に分けられます。
a. 規則的な変化をするー「規則動詞」
👉動詞の語尾が -ed になるような変化をします。
ー上記の動詞でいうと、use が規則動詞です。
b. 不規則な変化をするー「不規則動詞」
👉不規則に変化するので1つ1つ覚えるしかないです。
ー上記の動詞でいうと、be動詞と have が不規則動詞です。
今回は、
この過去形の使い方を確認するわけです。
「過去形」のニュアンス
「過去形」のもつニュアンスは、
「現在形」と比較するとわかりやすいので、
「現在形」のもつ意味から確認します。
「現在形」とは
「今」を中心として、過去から未来へと広い期間に成り立つ状況を示す形 |
なのです。あくまでも「現在」を中心とした安定した形なのです。
それと比べて
「過去形」とは
「現在」と切り離された、距離感のある状況を示す形 |
となります。
例文を挙げて説明します。
ex.1 My teacher was very angry because I was late.
「私が遅刻したので、先生はとても怒った。」
※ was (is, am) の過去形:is / am – was – been
👉英語でこの文章は、
「【今】はどうかはわからない(関係ない)けど、
『私』が遅刻した時(過去の話として)は、とても怒った」
ということを意味しているのです。
ex.2 Tom went to the movies twice last week.
「トムは先週2回映画を見に行った。」
※go (行く) の過去形:went / go – went – gone
👉英語でこの文章は、
「【今(今週)】はどうかわからない(関係ない)けど、
トムは、先週は(過去の話として)2回映画を見に行った」
ということを意味しているのです。
このように、
英語の「過去形」には、
たとえ、ほんの一瞬前のことであっても
「現在」と切り離された、距離感のある状況を表現するときに
用いる形なのです。
そこを意識して用いることが大事です。
この「過去形」をさらに
詳しく見ると大きく3種類の使われ方をしています。
先に例文を挙げますね。
① Ken stayed at home all weekend.
「ケンは週末ずっと家にいました。」
② Emi and May often played together in their childhood.
「エミとメイは子どもの頃よく一緒に遊んだ。」
③ I listened to an old jazz record yesterday.
「私は昨日古いジャズのレコードを聞いた。」
それぞれについて説明しましょう。
①状態を表現する「過去形」
① Ken stayed at home all weekend.
「ケンは週末ずっと家にいた。」
この例文は、「家にいた」という状態を表現しています。
このような状態を表す動詞には、
・頭・心の動きを示す一般動詞
・動きがないことを示す一般動詞
・be動詞
の3種類があります。
具体的に言うと
【頭・心の動きを示す一般動詞】
→ see, hear, feel, taste, like, love, hope, think, believe など
【動きがないことを示す一般動詞】
→ stay, keep, remain, have, look like など
【be動詞】
ーis, am, are
※be動詞は主語との「=」の関係を示すだけなので、
「等しい」という「状態」を表す動詞なのです。
〜となります。
②「繰り返し」を表現する「過去形」
② Emi and May often played together in their childhood.
「エミはメイと子どもの頃よく一緒に遊んだ。」
この例文は、「子どもの頃(過去)」には
「一緒のよく遊んだ」という
「繰り返された」行動を表現しています。
このような「繰り返し」を表す動詞は、
・体の動きを表す一般動詞
が使われるのが普通です。
また「繰り返した」ことを明確にするために、
・usually:普通は
・often:よく
・sometimes:時々
・always:いつも
・every 〜:毎〜 (every winter:毎年冬になると、など)
のような表現(副詞<句>)を一緒に使われることが多いです。
例えば
I always played baseball after school.と言えば
👉「(いつの頃からははっきしないが)(過去に)
私はいつも放課後に野球を(繰り返し)していた。」
となるのです。
このような部分もしっかりと
チェックしておきたい部分です。
③「一度だけ」を表現する「過去形」
③ I listened to an old jazz record yesterday.
「私は昨日古いジャズのレコードを聞いた。」
この英文は、「昨日」の時点で(一回)
「古いジャズのレコードを聞いた」という
「繰り返し」ではなく「過去のある時点1回行われた」動作
を表現しています。
何を当たり前のことを!
と思ったみなさん。
実は「現在形」では「一度」だけの動作は表現
できないのですよ!
例を示します。
ex.1 I play tennis.
「私は(繰り返し)テニスをします。」
👉過去形にすると
ー I played tennis.
「私は(過去のいつかに1回)テニスをした。」
※「繰り返し」を表現したい場合は、その表現を加える
ex.2 Ken visits this museum (every year).
「ケンは(毎年)この博物館を訪れます。」
👉last year を加えて過去形にすると
ー Ken visited this museum last year.
「ケンは去年この博物館を(1回)訪れた。」
このように、
「現在形」には、「今を中心とした、過去・未来も
含めた広い期間」での状態を表現するため、どうしても
その形に「繰り返し性」が入り込んでしまうのです。
このようなニュアンスも
チェックすることは必要です。
「過去形」がもつ
この「1回だけ」のニュアンスは、
👉「歴史上の事実」を述べるに最適な形です。
ex. 3 Kyoto was the capital of Japan from 794 to 1868.
「京都は794年から1868年まで日本の都でした。」
このように「過去形」は
「現在」と切り離された、距離感のある状況を示す形 |
であり、それをさらに詳しく分類すると
①状態を表現する場合
②「繰り返し」を表現する場合
③「一度だけ」を表現する場合
に「過去形」を用いているのです。
ここまでは、
「動詞」の過去形を扱ってきましたが、
少し「助動詞」の過去形も見てみましょう。
「助動詞」の過去形に実は、「共通のニュアンス」が
あるんです。
助動詞の過去形がもつニュアンスとは・・・
・中学校で出てくる助動詞の過去形は2つ。
① can -過去形→ could
② will -過去形→ would
この2つが次のような形で教科書に出てきます。
ex.4 Could you tell me how to get to the castle?
「城への行き方を教えてもらえませんか。」
→ Can you 〜?より丁寧な依頼の表現
ex.5 Would you put this card in the box?
「このカードを箱に入れてもらえませんか。」
→ Will you 〜?より丁寧な依頼の表現
なぜ、can を過去形にした Could you 〜?
なぜ、will を過去形にした Would you 〜?
がより丁寧な表現になるのでしょう?
それは
過去形の「距離感」がもたらす丁寧な印象 |
があるからです。
なぜ「距離感」が「丁寧な印象」にあるのか?
このように考えれば、その理由がわかります。
◯「過去形」は現在との「距離感」を表す
↓
◯「距離感」とはその場から「遠い」というイメージ
↓
◯その「遠さ」は、ダイレクトに言うのではなく
ー「遠回し」な言い方になります。
↓
◯この「遠回し」の言い方が「丁寧」な印象へ
となるのです。
特に助動詞には、
「頭の中で考えたこと」を表現する役割があるので、
その「話者の気持ち」が、過去形にすることにより、
「より丁寧な表現」になるのです。
このような「過去形」のニュアンスも
とても大切な部分です。
今回はここまで。
「時」表現の「過去」については
あと2つの記事を用意しています。
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過去進行形について
過去形と過去進行形との違い
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