代名詞の3回目。
今回は、わかっていそうで、意外とよくわからない one についてです。
one には、もちろん、
1、2、3 の one, two, three で、
「1、1つの」という意味があります。
ところが、
中2ぐらいになると、
one には「もの」という意味もあると、学びませんでしたか。
今回は、その「もの」と日本語にされる one についてです。
it と one の違い
・数字の「1」以外で、
中学校の教科書では、こんな風に one は出てきます。
A:What’s that?(あれは何?)
B:It‘s a rice ball. Try one. (おにぎりです。1つ食べてみて。)
※この会話をしっかりできる人は、
it と one の違いがわかる人です。
▶︎ここでは、that = it (全く同じもの)
▶︎ a rice ball = one(「おにぎり」という種類だが、同じものではない)
👉すなわち、正確に会話を日本語にすると、
A:(指さして)あれは何?
B:(指差したものは)おにぎり(というもの)だよ。
(この)おにぎり(というもの)を食べてごらん。[おにぎりが二個以上ある設定]
〜となります。
🔹it は、 「受ける」言葉なので、 前に出てきたものと「全く同じもの・こと」でなくてはいけません。 🔹one は、 「受ける」機能はなく、ただ「前に出てきた単語の代わり」をする単語です。 |
この部分を意識して、次の例文を見てください。
a. I lost my watch yesterday. So I want to buy a new one.
(昨日腕時計をなくしました。だから新しいものが欲しい。)
b. I don’t have an eraser now. Will you lend me one?
(今消しゴムがないの。消しゴムを貸してくれませんか。)
▶︎ a の文では、
my watch をなくしたので、その代わりの watch 欲しいと one を使っています。
(当然同じものではありません。同じ watch という単語の代わりです。)
▶︎ b の文では、
今手元に an eraser がないので、eraser というものが欲しいと one を使っています。
(当然同じものではありません。同じ eraser という単語の代わりです。)
a new one という言い方
・基本的に one には
「1つ、1つの」という意味があり、そこに前に話題にでた「単語」の意味が重なると
「(1つの)もの」という意味になるのです。
だから、
上記の b の例文では、 one = an eraser のことです。
でも、この one には、new や small などの形容詞がくっついて
a のように a new one (= a new watch) という表現もできます。
🔹前に出た単語と 同じ種類のものというのであれば、そのまま one 🔹それに、「新しい」や、「小さな」という説明を加えると、 👉 a new one や a small one という表現になる |
※one は「1」という意味なので、「数えられる名詞」にだけ使えるものです。
コーヒーなどの「数えられない名詞」には使えませんので注意!
which と one
・その他に、この one が出てくるのは、
which で「どちら」かをたずねる文でよく使われることが多いです。
a. Which idea do you like? ー I like this one.
(あなたはどちらのアイディア が好きですか。ーこちらの方が好きです。)
b. Which bag is yours? ー The yellow one is.
(どちらのカバンがあなたのものですか。ー黄色いものがそうです。)
▶︎ a の文では、
目の前に「いくつかのアイディア 」が示されて、「どれが好き?」と選択するように
たずねられて、「こっちのもの」という意味で this one で答えています。
[ one =idea で、 this one = this idea です。]
▶︎ b の文では、
目の前に「いくつかのカバン」があって、「どれがあなたの_」とたずねられて、
「その黄色いの」ですと、the yellow one で答えています。
[ one = bag で、the yellow one = the yellow bag です。]
which の疑問文は、 相手に「どれ」と選択を迫る文なので、 one を使って、this one, that one, the +形容詞( red, small, など) +one などの 形を使って答えることが多い。 ※目の前に選択肢があるので、a ではなく the や this / that を用いて答えます。 また、「どちらのもの」という意味で、Which one? とたずねる表現もあります。 |
one を用いたその他の表現
・その他に中学生としてチェックしたい表現を3つ取り上げます。
① one 〜, and the other 〜「1つは〜、もう1つは〜」
・2つのもの・ことがあって、そのことについて、それぞれを説明する場合は、
one 〜, and the other 〜. の表現を使います。
a. I have two daughters. One is a nurse, and the other is a teacher.
(私には2人の娘がいます。1人は看護師で、もう1ひとりは教師です。)
b. There are two famous festivals in Hirosaki. One is Cherry Blossoms Festival, and the other is Neputa Festival.
(弘前には2つの有名な祭りがあります。1つは、桜祭りで、もう1つはねぷた祭りです。)
▶︎ a の文では、
最初に「2人の娘」がいることを述べ、その「2人」について「1人は」「もう1人は」と、
別々に説明を加えています。
▶︎ b の文では、
最初に「2つの有名な祭り」があることを述べ、その「2つも祭り」について「1つは」「もう1つは」と別々に説明を加えています。
※ここでの one も「2つあるもの・人」のうちの「1つのもの・こと」という意味で、
the other は、the がつくことにより「残ったもう1つのもの・こと」という意味で
使われています。
👉 other は「他の、他のもの」という意味ですが、
the others と複数形にすると、「残ったもの全部のもの・こと」という意味になります。
c. There are seven temples in this city. One of them is very big, but the others are very small.
(この街には7つの寺があります。それらの1つは、とても大きいのですが、他のものは全てとても小さいのです。)
② one anther「お互いに」※主語としては使えない
・another は、other から出来た単語であることは間違いありません。
すなわち
👉 an + other = another
▶︎ other:他の
「2つ以上のものがあり、その中で[1つ] が既に決まっていて、
それ以外」という意味で使われいます。
🔹「それ以外のものが1つしか」ない場合は、the ohter
🔹「それ以外のものが2つ以上」ある場合は、the others
▶︎ another:もう1つの
an (a) には「相手が1つに決められないもの」という意味があるので、
「1つに明確に決められない他のもの」という意味になります。
🔹another pen:「もう1つのペン」
・・・周りにペンが2本以上あり、どれでも1本という状況
🔹another cup of coffee「もう一杯のコーヒー」
・・・いくらでもコーヒーが作れる状況で、どれでもいいので一杯のコーヒーという状況
※one, another, the other の関係がよくわかる例文があります。
a. I have three sons. One lives in Aomori, another lives in Tokyo, and the other lives in Iwate.
(私には3人の息子がいます。1人は青森に住み、1人は東京で、もう11人は岩手に住んでいます。)
▶︎日本語だと、その違いがわかりにくいのですが、この文の話者は次のように考えて
表現しているのです。
[1] 3人の息子がいる
[2] うち1人は青森に住んでいる。※ここの one は one of them という意味です。
[3] 後2人いるが、そのうちの1人だから another を使い、東京に住んでいる。
[4] 3人中、2人を既に紹介したから、残る1人は自動的に決まるから the other で、岩手に住んでいる。
・そうすると one another はどのように意味になるかというと
▶︎ 「1つ」と「もう1つもの」で、から「お互いに」という意味になります。
b. We must help one another.
(私たちはお互い助け合わなければならない。)
※「お互いに」には
▶︎ each other という表現もあるので、そちらも覚えておきましょう。
( 以前は、one another が「3人」以上の「お互いに」、each other は「2人」の「お互いに」というニュアンスだという指導がありましたが、実際はそのような区別を native speaker はしていないそうです。)
※「以前」とは、筆者が高校生の頃という意味です。
③ no one「誰も〜ない」
・one だけで「人は」と、
人々一般を示す意味もありますが、
それはかなり「高尚」な言い方で、日常会話ではほとんど使われないそうです。
ですが、
その前に no をつけて、no one という表現はよく使われます。
a. No one talked to me then.
(その時、誰も私に話しかけなかった。)
b. No one is there.
(誰もそこにいないよ。)
▶︎ 両方の例文でも、
「誰も〜ない」という意味になっています。
また、b の例文からもわかるように、no one が主語であれば、3人称・単数扱いと
なるので、一般動詞であれば、3単現となるので注意しましょう。
今回は、ここまで。
これで、代名詞については終了です。
「代名詞」は①から③まであります。興味があるものがありましたら、
どうぞ下記をクリックしてお読みください。
代名詞①基礎編
代名詞② it の実力
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