過熱する韓国の英語教育

先日新聞を読んでいたらこんな記事がありました。


英語教育 韓国過熱

幼稚園で廃止を検討→保護者反発受け継続

という見出しの後にこのように続きます。

 韓国教育省は16日、廃止を目指した公立幼稚園での英語課外授業の扱いを当面保留すると発表した。韓国では若者の就職難もあって英語教育が過熱。教育省は行き過ぎに待ったをかけようとしたが、保護者から「金持ちばかりが有利になる」と猛反発を食らった。
ー韓国では、2歳ごろから英語教育を始める家庭もある。教育省によれば、園内での会話をほぼ英語で通す私立の「英語幼稚園」は昨年の段階で計453園、市場規模は2700億ウォン(約270億円)にも達する。
ー私立との格差を埋めたいという父母の要望を受け、公立幼稚園でも毎日約1~2時間、正規の授業とは別に外部の講師を招く課外授業を行っている。
教育省は幼少時の英語教育のヒートアップを憂慮。公立幼稚園での課外授業の廃止も対策の一環だが、保護者の猛反発に遭った。大統領府ホームページの「国民請願コーナー」には「教育の自由もない共産国家だ」「公教育だけ制限してどうする」といった非難の書き込みが相次いだ。
ー教育省は16日、「国民の意見を集約する必要がある」として、改善策を来年初めまでにまとめると発表。ほうほうの体で政策を修正した。
(ソウル=牧野愛博)

引用元:朝日新聞 2018年1月17日(水)

みなさんはこの記事を読んでどう思いますか。

今回はこの記事を基にして、英語教育について少し考えてみたいと思います。

韓国で英語教育が過熱する理由

・なぜこんなに韓国で英語教育が過熱するのか?
その答えは、簡単です。

韓国の社会がそれを求めるような状況になっているからです。

「それを求める」とは、
一部のセレブ(財閥に関わる人たち・特権層)を除いては、
高学歴=安定した生活の保障」という図式が
韓国では完成されてしまっているからです。
さらに、韓国の経済的な不安定さや政情不安が、
それに拍車をかけを、一般国民を極端な「学歴偏重」に走らせているのです。

財閥企業の求人倍率は数百倍ともいわれる。
英語力の高さを求められることが多い
TOEICであれば流ちょうに会話ができる 800~900点クラス
・大学出ても就職先がない。
・中小企業は不安定(年収が低い)
・現在の韓国の20代の年収はかなり低く、かれらのその月額収入から「88万ウォン世代」と呼ばれている。(88万ウォンは、日本円で約6万円ちょっとの金額です。)
・「恋愛」「結婚」「出産」「人間関係」「マイホーム」「夢」「就職」の7つを放棄した
「七放世代」と今の韓国の若者は呼ばれている。

このような状況では、
少しでも「将来を安定した生活」にさせたいと考える親が、
子どもに「高学歴」になれるように強いるのです。

特に上記にもあるように
「財閥企業」に就職させるには、「高度な英語力」は必要不可欠!
そこで、英語教育に熱が入るわけです。

韓国が、英語教育を小学校に取り入れたのは、
1997年からで、小学校3年生から学年進行で必修化されました。
・また2005年に行った調査によると、幼稚園の保護者の84.7%は、幼稚園からの英語教育の必要性を求めているという結果も出ています。小学校1・2年生の保護者の95%が英語教育の導入を支持し、99%がそのために保護者自らが英語学習をすると答えているのです。

このような世論の後押しもあり、
幼稚園に英語教育が導入されたようですが、
それが保護者の「英語教育熱」をさらにヒートアップさせてしまったようです。

もともと
「韓国政府」は世論に迎合する傾向があるので、
「幼稚園での英語教育」には様々な問題点を含んでいることを
把握しながらも大衆の意見に押されて「幼稚園で英語教育廃止」を
保留さぜるを得なかったのでしょう。

結局、
・経済の不安定+政情不安

・就職難

・学歴偏重

・過熱する英語教育

・幼稚園での英語教育

・今回の「記事」

という流れで、このような状況が生まれたのだと思います。

日本で英語教育が過熱する理由

・韓国での英語教育導入の最初の大きな理由は、
「グローバル化」社会に対応するため、という大義名分があったのですが、
日本もその部分では、韓国と同じです。

でもその後は、
日本は、韓国と違い、「経済界の意向」に忖度して
英語教育の導入に踏み切ったような傾向があるようです。

もと詳しく言うと、
その下地には、「総合的な学習の時間」における
英語での活動が小学校でさかんに行われ、保護者からも
「小学校でも英語教育を!」という世論が醸造されるのを待って、
それを利用した、ように私には見えます。

結局、
・グローバル化に対応する人材という大義名分

・経済界の意向(英語を使える人材が欲しい)

・小学校での「総合的な学習の時間」で英語学習

・小学校への英語教育の導入(5・6年に)

・小学校3・4年生からの英語教育開始

という流れになっているようです。

ただ、韓国との違いは、
「過熱度」の差です。
韓国は、
→「自分のこどもたちの生活」に直接関わってくるので、保護者も子どもも必死です。
一方日本は、
→経済界の意向に忖度した政府がしかけている英語教育であり、確かに「保護者」の大部分は、子どもたちに「英語を話せるようになってほしい」と考えていますが、それが直接「子どもの生活の安定」につながるとは考えていません。

これは日本独特の風土があるからです。
日本は、「英語が使えなくても、読めなくても」なんとかできる社会を構築してきたからです。日本ほど、海外の本を日本語訳をしている国はありませんし、海外の映画に「字幕」がつくのは日本だけらしいです(吹き替えが一般的らしいです。)また、自動翻訳機もこれから発達していけば、外国人との対話もなんとかなるでしょう。結局、日本は「内向きに社会」を作ってきたので、わざわざ「外に」でなくても「何とかなる社会」なのです。そのためここ最近日本人の留学生が減少しているのだと、私は思います。(海外のものを、日本風にアレンジして活用する、という風潮)

・本当の意味で、
日本が「グローバル化」に対応するというのであれば、
もっと積極的に国が「難民」を受け入れるような体制から始めなくてはいけないのです。
「経済界」と持ちつ持たれつの関係から脱却して。

共通する悪影響は?

英語教育の早期導入における悪影響にはついては、
以前にもお話したので、簡単にまとめてみます。

あまりにも早期の英語教育の導入は、
日本人であれば、日本人としてのアイデンティティ、
韓国人であれば、韓国人としてのアイデンティティの確立を齟齬するのです。

まだ、母国語もしっかり話したり、聞いたりすることができない時点で、
文化の違う「英語」を学ぶことは、
自分の母国語の習得に悪い影響を与えます。

言語=文化なのですから、
せめて「義務教育」の間は、母国語にもっと重点を置いたカリキュラムを
組んだ方が良いのではないかと思います。
特に日本では、パソコンやスマホなどの影響で、日本語に対する理解力や語彙力が低下しているという結果も出ているようです。

英語教育が過熱する韓国では、
「子どもたちが、きちんとした韓国語が話せなくなっている」そうですが、
まさか日本にもそんな日がやって来ることはないでしょうね。

そんな心配をするこの頃です。

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