4つの力をいかに統合するのか①~その必要性とバックワードデザイン

さて、今まで
「書く」「話す」「読む」「聞く」の4つの力について
それぞれお話してきましたが、
今回からは、
その4つをそれぞれどのように統合させ、
言語の力をつけさせるのかについて、
考えていきます。

なぜ「統合」?

4つの力を、それぞれ単一で指導してもあまり効果がないのは
当然なこと。
ーなぜなら、英語は「生きている言語」であり、
当然4つの力のうち「読む力」と「書く力」(文字面)、
「話す力」と「聞く力」(音声面)は特に密接な関係があり、
それぞれをバランスよく培いながら、
インプット・アウトプットもしていかないと
十分なコミュニケーション能力は
身につかないからです。

バックワードデザイン

中学校の学習内容で、この4つの力を統合させるためには、
3年間を見通したうえでの、
それぞれの学年のバックワードデザインを、
各教師がしなければいけません。
私は、以前それぞれの学年のバックワードデザインを
ある英語教員に一例として紹介したことがあるのですが、
「年間計画」との違いがあまりわからなかったようです。
ー私の説明不足もあったと思いますがー

バックワードデザインは、

中学校3年間で生徒にどんな力を身に付けさせたかを明確にする
②①の力を身に付けさせるために、それぞれの学年に身に付けさせる
力を明確にする
③学年の力を身に付けさせるために、それぞれの単元や学期で
行う活動や指導を具体的に示す

ものです。

つまり、
通常の「年間指導計画」は、
ほぼ1年間でどんな力を身に付けさせたいのかを考えることなく
単元毎の学ぶべき語彙や文法を明示するだけのものになっていますが、
「バックワードデザイン」は、
最終的にこんな力を身に付けさせるから、そのために生徒は
この単元では、こんな活動や指導を行い、それに必要な力を
段階を踏んで育てていく
、ということを意識した計画なのです。

目的地を明確にし、
そこに行くまでの過程を明らかにした
ロードマップがバックワードデザインなのです。

これを意識した計画を作成すると、
一つ一つの授業が、
「最後には、~できる力につながるのだ」ということが
明確に認識され、それに必要な活動や指導がしっかりと
行われるようになるのです。

このようなバックワードデザインを活用すれば、
よりよく4つの力を統合した指導が
しやすくなるのではないかと思われます。

次回は、この4つの力が
どのように関連づいているのかを考察してみたいと思います。

 

「4つの力をいかに統合するのか」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックして「②」を読んでみてください。

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