6年生の Unit 1 を見ると
今回は、6年生の Unit 1 についてのお話をします。
Unit 1 This is ME! の構成
・Unit 1 のタイトルは、”This is ME!” で以下のような構成になっています。
① Let’s Watch and Think・・・動機づけ
-映像を見て、わかったことを▢に書こう。
② Let’s Listen 1
-先生の自己紹介を聞いて、わかったことを▢に書こう。・・・[1]聞くこと
→ Let’s Play 1 好きなものを言い合おう。・・・[3]話すこと<やりとり>
→ Let’s Play 2 Pointing Game・・・[1]聞くこと
③ Let’s Listen 2
-歴史上の人物について聞いて、▢に誕生日を書こう。・・・[1]聞くこと
→ Let’s Play 3 季節に巻末月絵カードを合わせよう。・・・[1]聞くこと
④ Let’s Talk
-空らんにあなたのことを書いて、自己紹介をしよう。・・・[3]話すこと<発表>
→ Let’s Play 4 Pointing Game・・・[1]聞くこと
⑤ Let’s Listen 3
-二人の自己紹介を聞いて、わかったことを▢に書こう。・・・[1]聞くこと
⑥ Activity
-自己紹介をしよう。・・・[3]話すこと<発表>
Hello.
I’m Yuta.
I like dogs.
I like math.
I can run fast.
My birthday is May 16.
Thank you.
→ Let’s Read and Write 自己紹介の文を言って、書いてみよう。
・・・[2]読むこと & [4]書くこと
⑦ Story Time・・・読み聞かせから→[2]読むこと
I like cats.
We have a cat.
His name is Pat.
Where is he?
He is in the hat.
Pat, the cat, is in the hat.
このような7つのパートで1つの Unit を構成しています。
計画されている授業時数は、
① Let’s Watch an Think
② Let’s Listen 1 & Let’s Listen 2
③ Let’s Talk & Let’s Listen 3
④ Activity & Let’s Read and Write & Story Time
で計8時間(ほぼ1か月)で、Unit 1 を終える計画になっています。
扱っている題材は・・・
・題材は、小学校5年生の Unit 1 と同じ「自己紹介」で、
5年生で学んだ表現を含め、内容がより深い自己紹介になっています。
<5年生では>
Hi, my name is Kazu.
I like cats and dogs.
I like soccer and baseball.
<6年生では>
Hello.
I’m Yuta.
I like dogs.
I like math.
I can run fast.
My birthday is May 16.
Thank you.
現在の Total English の中1の教科書に出てくる自己紹介は下記の通りです。
<中1 Lesson 3 Hello, Everyone. で>
Hello, everyone.
I’m Ben Wilson.
I’m thirteen years old.
I’m from Canada.
I live in Minami-machi.
I like music and sports.
Nice to meet you.
※<5年生>と<6年生>を比べると、
ー赤線の can と誕生日の表現が加わり、文の数も3つから7つへと倍以上に増えています。
※<6年生>と<中1>を比べると、
ー中1の方が、be動詞の表現、使用している一般動詞が種類が少し豊富になっているだけで、
ほぼ同じレベルの自己紹介と言っていもいいと思います。ちなみに、中1で Lesson 3 と言ったらおそらく、6月か7月ごろに学ぶ内容だと思います。しかも、<6年生>の Story Time では、三人称の he / his や、WH疑問詞の where を扱っていることを考えればかなり<小学校>で扱う内容が増えてることもわかります。
(Total English では、 he → Lesson 4、his → Lesson 6、where → Lesson 6 で初出しています。)
基本的な流れは、5年生と同じ
このような構成をみると、「内容」はかなり豊かになっていますが
基本的に
Let’s Watch and Think でこれからの学習・活動の動機づけをし、
Let’s Listen では、
ー「聞く」活動から、「話す」活動へもっていき、
Let’s Talk で、「発表」する場面を設けることにより、
それぞれの Unit の目標に必要な語句や表現に慣れ親しませています。
その後、Activivtyで、
自己表現(発表活動・output)へつなげていき、
Let’s Read and Write で文字を「読むこと」「書くこと」の活動を取り入れるという流れになっています。
最後に Unit で学んだ表現より少しレベルの高い内容の Story Time で
表現活動の幅を広げようとしているように見えます。
現在の Hi , friends! 2 (6年生)の内容と比べると
このような内容を、
現在の小学校6年生の “Hi, friends! 2” の内容と比較してみました。
Hi, friends! 2 Lesson2 When is your birthday? (4時間)
ー When is your birthday? My birthday is ~.
Hi, friends! 2 Lesson3 I can swim. (4時間)
今の6年生が、8時間でやってきた内容を、
「自己紹介」というより難しいタスクで、新教材では扱うことになるわけです。
5年生の「自己紹介」という同じ題材であっても、
その内容の豊富さ、タスクの難易度を考えると
小学校教員にかかってくる負担・ストレスはかなり重いものになるのではないかと心配されます。
ここからすると、
やはり、「外国語科の新教材 “We Can!” ~①小学校5年生」の記事と
同じような心配が、6年生の場合でも想定されてしまいます。
項目だけあげると、
①習得を求めない「外国語科」での子どもの定着率
②小学校内における「外国語活動」「外国語科」の指導の連続性
③Small Talk の指導法(6年生では、子ども同士のペア活動を想定してます。)
④Let’s Read and Write や Story Time の指導法
などが不安要素として存在するのではないかと思います。
やはりこのような英語教育改革では
中学校での英語嫌いを生む状況を、
単に1、2年早く小学校で作り上げるだけなのではないかと、
私は危惧します。
危惧だけで終わればいいのですが・・・
これで、いったん
小学校の外国語活動に関する話題は終わりとします。
「外国語科の新教材”We Can!”」には「①小学校5年性」の
記事もあります。下記をクリックしてお読みください。
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