・関係代名詞の英文では、
関係代名詞の直前に「コンマがあるか、どうか」でその意味が変わります。
参考書によっては、 ①コンマを前に置く用法を「継続用法」や「非制限用法」 (ex. I have a daughter, who works in the post office.) ②コンマを置かない用法を「限定用法」や「制限用法」 (ex. I have a daughter who works in the post office.) |
と呼んでいますが、
ここでは、「コンマあり」「コンマなし」で説明していきます。
コンマの役割とは?
・最初に、「コンマ」の役割を確認していきましょう。
英語の「コンマ(,)」は、
👉日本語で言うと「読点(、)」に相当するものですが、
英文を読む場合に
そこで「一呼吸、休止する」ポイントで使われます。
この「コンマ」は、
大きく分けると4種類の働きをします。
① and, but, or などの接続詞の前に入れて、情報を加える
ex.1 The bus stopped there, and he got on.
(バスがそこに止まり、彼は乗車した。)
▶︎加えられた情報:he got on
ex.2 My father is fifty years old, but he runs 10 km every morning.
(父は50歳だが、毎朝 10キロを走ります。)
▶︎加えられた情報:he runs 10km every morning
② 型の決まった言い回しや文頭の副詞の後に入れる
ex.1 Firstly, I will answer your questions.
(まず最初に、あなたの質問に答えましょう。)
▶︎Firstly :最初に(型の決まった言い回し)
ex.2 While I was listening to the music, I fell asleep.
(音楽を聴いている間に、寝てしまいました。)
▶︎While I was listening to the music:文頭の副詞節
③文の途中で、追加の情報を挿入する
ex.1 Bob, our English teacher, got angry in class then.
(ボブは、私たちの英語の先生ですが、その時授業中におこりました。)
▶︎挿入された情報:our English teacher
※挿入された情報の、前後にコンマを置きます。
ex.2 May, who speaks Chinese, works as a tourist guide.
(メイは、中国語を話しますが、旅行ガイドとして働いています。)
▶︎挿入された情報:who speaks Chinese
※who は関係代名詞
④リストを列記する
ex.1 My mother bought eggs, salt, and milk yesterday.
(私の母は、昨日卵と塩と牛乳を買いました。)
▶︎3つ以上のものをリストアップする場合は、
コンマでつなげ、最後は and で終わる
※ A, B, and C の形
ex.2 We have to study math, English, and music on Monday.
(私たちは月曜日に、数学と英語と音楽を勉強しなければならない。)
コンマありの関係代名詞とは?
・さて、それでは「コンマあり」の関係代名詞とは、
どんな意味になるのでしょうか?
「コンマ」の4つの働きについては、
上記で説明しましたが、関係代名詞とは、「先行詞に文の形で説明をつけ加えるーすなわち情報を加える」接着剤なので、上記の
①接続詞の前に入れて、情報を加える
③文の途中で、追加の情報を挿入する
の2つの使い方で、コンマを使っていることがわかります。
例文を挙げて、どんなニュアンスになるか確認しましょう。
コンマありの例文(継続、非制限用法)
ex.1 I have a brother, who works as a doctor in Fukuoka.
(私には兄がいますが、彼女は福岡で医者として働いています。)
▶︎I have a brother と言い切り、 その後に、who works as a doctor in Fukuoka という情報を加えています。 ▶︎who の先行詞は、a brother で I have a brother, and he works …… と書き換えることもできます。 |
ex.2 Ken gave my sister some candies, which she ate at once.
(ケンは、私の妹にキャンディをくれて、彼女はそれをすぐに食べた。)
▶︎Ken gave my sister some candies と言い切り、 その後に、which she ate at once という情報を加えています。 ▶︎which の先行詞は、some candies で、 Ken gave my sister some candies, and she ate them at once. と書き換えることもできます。 |
ex.3 He told me that was his car, which wasn’t true.
(彼は私にあれが自分の車だと言ったが、それは真実ではなかった。)
▶︎He told me that was his car と言い切り、 その後に、which wasn’t true という情報を加えています。 ▶︎which は、前の部分の “that was his car” という文を指し示し、 He told me that was his car, but it wasn’t true. と書き換えることもできます。 |
ex.4 Tom, whose brother lives in London, lives in New York.
(トムは、兄がロンドンに住んでいるのだが、自分はニューヨークに住んでいる。)
▶︎Tom と言ってから、 彼に関する、whose brother lives in London という情報を挿入しています。 ▶︎whose brother の先行詞は、Tom です。 |
ex.5 Beth, who[whom] I met at the station yesterday, is very beautiful.
(ベスは、昨日駅であったのだが、とても美しい。)
▶︎Beth と言ってから、 彼女に関する who[whom] I met at the station yesterday という情報を挿入して います。 ▶︎ who[whom] の先行詞は、Beth です。 |
上記の例文から、
「コンマあり」の関係代名詞の特徴をまとめしょう。
「コンマあり」の関係代名詞の特徴
①関係代名詞 that は用いることができない
・「コンマあり」関係代名詞は、
「一旦言い切ってから」、一呼吸置いて、「情報」を加えます。
▶︎そのため、「先行詞」と「関係代名詞」の間には、
「間」「空間」があるので、、どの部分への「情報」なのかを明確に示すため
wh関係代名詞 (who, whom, which, whose)を使います。
※that は先行詞が「人」でも「もの」でもOKなので、「加えられる情報」がどの部分の情報なのか曖昧になるのです。
❌I have a brother, that works as a doctor in Fukuoka.
⭕️I have a brother, who works a doctor in Fukuoka.
②接続詞と代名詞で、書き換えができるものもある
・上記の例文 ex.1 〜 ex.3 のように、
挿入の形ではなく、主文があって、それに「情報」を加える形の「コンマあり」
関係代名詞の文は、その内容によって、
▶︎「接続詞」と「代名詞」で書き換えることもできます。
ex.1 I have a brother, who works as a doctor in Fukuoka.
👉 I have a brother, and he works as a doctor in Fukuoka.
ex.2 Ken gave my sister some candies, which she ate at once.
👉 Ken gave my sister some candies, and she ate them at once.
ex.3 He told me that was his car, which wasn’t true.
👉 He told me that was his car, but it wasn’t true.
※今回は、接続詞が and と but でしたが、
内容に応じては、もちろんそれ以外の接続詞になる場合( because など)もあります。
③which は、前にある「文」全体を指すこともできる
・「コンマあり」関係代名詞での which は、
大変便利な関係代名詞で、「もの」を示すだけではなく、
直前の文全体、またはその文中の一部や語句を指す(先行詞とする)ことができます。(上記の例文 ex.3 がそうです。)
ex.3 He told me that was his car, which wasn’t true.
▶︎ which は、”that was his car”(文の一部)を指します。
ex.4 It snowed all day yesterday, which I couldn’t expect.
(昨日一日中雪が降ったけれど、それは予測できなかった。)
▶︎ which は、直前の文全体 It snowed all day yesterday を指します。
「コンマあり」と「コンマなし」の違い
・「コンマあり」の場合は、
基本的に「補足する情報を追加したり、挿入したり」するのですが、
それと「コンマなし」では、どのようなニュアンスが違うのかを比べて見ましょう。
【コンマなし】She has a son who is a dentist.
(彼女は歯医者さんの息子がいます。)
「歯医者の息子が1人いる」ことがわかります。
ただし、それを「別な視点」から見ると、
「歯医者以外の息子もいるかもしれない」という可能性も含みます。
【コンマあり】She has a son, who is a dentist.
(彼女は息子が1人いて、彼は歯医者さんです。)
「彼女には、息子が1人しかいない」ことを明言しています。
そして、その「1人息子」が「医者である」という「情報」を加えているわけです。
「コンマあり」は言い切る!
・結局
「コンマなし」は、上記の例文からすると関係形代名詞を含む
“a son who is a dentist” でひとかたまりなので、「それ以外の息子もいるかもよ」という可能性を含んでいるわけです。
・一方、
「コンマあり」は、一旦言い切ってしまう形なので、
それ以外の可能性(上記の例だと、他に息子がいる可能性)がないことが
明確で、それに対する「情報」を加えているだけなのです。
今回はここまで。
※高校での関係代名詞については、下記の記事があります。
興味がある方はどうぞクリックしてご覧ください。
関係代名詞ーwhose①
関係代名詞ーwhose②
関係代名詞ーwhat
関係代名詞ーコンマの有無
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