「仮定法」の3回目です。
この仮定法については、
①基礎編
②if を用いた仮定法過去
③if を用いた仮定法過去完了
④wish や as if を伴う仮定法
⑤if が出てこない仮定法
⑥仮定法を使った慣用表現
⑦未来に対する仮定法
〜と7回にわたって解説していく予定です。
第3回の今回は、
「if を用いた仮定法過去完了」を取り上げていきます。
仮定法の「基本」
一番のポイントは、
仮定法は「事実と反すること」を表現する |
ということです。
またその時に用いる if の中で動詞の形は、
現在のこと→「過去形」、過去のこと→「過去完了形」 |
となり、「動詞の時」がずれる、ということも重要なポイントです。
ここから、
①「現在」のことで→仮定法を用いて表現すると→「過去形」を用いるので
👉「仮定法過去」と言い
②「過去」のことで→仮定法を用いて表現すると→「過去完了形」を用いるので
👉「仮定法過去完了」と呼びます。
if を用いた仮定法過去完了
先に例文をあげましょう。
ex.1 What would have happened if I hadn’t noticed a smell of gas?
「もしガスの匂いに気づかなかったら何が起こっただろう。」
ex.2 If my sister had left home ten minutes earlier, she would not have
been late for school.
「もし姉が10分早く家を出たら、学校に遅刻しなかったのに。」
ex.3 If I had studied math harder, I would have got a higher score on the test.
「もっと数学を勉強していたら、テストでもっと良い点数を取れただろうに。」
ex.1 は、
「過去」の時点で、
「ガスの匂いに気づいた」が、それと反することを「仮定」して、
「何が起こっただろうか」と問いかけています。
👉「過去形」を用いて「事実」を述べると
I noticed a smell of gas, so nothing happened. となります。
ex.2 は、
「過去」の時点で、
「姉は10分早く家を出なかった」が、それと反することを「仮定」して、
「学校に遅刻しなかったのに」と述べています。
👉「過去形」を用いて「事実」を述べると
My sisiter didn’t leave home ten minutes earlier, she was late for school.
ex.3 は、
「過去」の時点で、
「数学を一生懸命勉強しなかった」が、それと反することを「仮定」して、
「テストでもっといい点数が取れたのに」と述べています。
👉「過去形」を用いて「事実」を述べると
I didn’t study math hard, so I didn’t get a high score on the test.
このように、
if を用いた「仮定法過去完了」では、
次のようなことがポイントとなります。
①過去の時点で、事実と反することを仮定し |
②if の中の動詞は、「過去完了形」にし |
③if に続く文は、助動詞を「過去形」にし、 → 主語+would / could / might +have +過去分詞 〜. となる。 |
④これで「もし〜だったら、・・・だったろうに(なあ)」という意味になる |
仮定法過去と仮定法過去完了が混在する時
仮定法では、
このような英文もあります。
ex.4 If I had not taken the wrong bus, I would be there now.
「もしバスを違えなかったら、今頃そこにいるのに。」
ex.5 If you had followed the instructions, you wouldn’t be in such trouble now.
「もし指示に従っていたなら、今はこんなに困っていはいないだろうに。」
ex.4 は、
「過去」の時点で、
「バスを乗り間違えた」が、それと反することを「仮定」して、
「現在:now」の時点で
「そこ(行く予定であった場所)にいるのに」と述べています。
◎すなわち、
「過去」の時点の仮定(仮定法過去完了)をして、
その結果「現在」に及ぼすだろう結果(仮定法過去)を述べています。
ex.5 は、
「過去」の時点で、
「指示に従わなかった」が、それと反することを「仮定」して、
「現在:now」の時点で
「こんな困った状況にはいないのに」と述べています。
◎すなわち
「過去」の時点の仮定(仮定法過去完了)をして
その結果「現在」に及ぼすだろう結果(仮定法過去)を述べています。
このように、
if で仮定法過去完了を用いて、
その結果(主節)を「現在」視点で仮定法過去で表現する場合もあります。
①過去の時点で、事実と反することを仮定し |
②if の中の動詞は、「過去完了形」にし |
③if に続く文は、「現在」の結果を述べるため「仮定法過去」の形で、 → 主語+would / could / might+動詞の原形 〜. と答える |
④これで「もし〜だったら、(今)・・・なのに(なあ)」という意味になる |
このように、
仮定法過去と仮定法過去完了が混在する場合もあるのです。
おまけ:直説法と仮定法の違いは、「話し手」の気持ち
次の2つの英文の違いが、わかりますか。
(a) If you solve this problem, I will give you anything you want.
(b) If you solved this problem, I would give you anything you want.
(a)は「直説法(前提条件を表現)」
👉 if の中の動詞が現在形だから、すぐわかりますね。
(b)は「仮定法過去(現在に反する事実の仮定)」
👉 if の中の動詞が過去形だからです。
〜の英文です。
どちらも、日本語にすると
「もし君がこの問題を解いたなら、欲しいものあげるのに(あげよう)。」
とほぼ似たような意味になってしまいます。
ただし、ここでは、話し手の気持ちを感じることができます。
すなわち、
(a)「直説法」を用いているので、「前提条件」となっています。
👉話し手は、「あなた」が「問題を解ける」ものだと思ってます。
(b)「仮定法過去」を用いていて、「事実を反すること」を仮定しています。
👉話し手は、「あなた」が「問題を解けない」ものだと思っています。
このような「話し手」の気持ちまで、
「仮定法」は表現してしまう、深い表現方法なのです。
今回はここまで。
「仮定法」に関しては「①」から「⑦」まであります。
下記にリストアップしますので、読みたいものがありましたら
クリックしてください。
①基礎編
②if を用いた仮定法過去
④wish や as if を伴う仮定法
⑤if が出てこない仮定法
⑥仮定法を使った慣用表現
⑦未来に対する仮定法
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