「動詞を知る」の6回目。
前回でお知らせしたように、
「目的語を2つ取る動詞」は、大きく
① to 型
② for 型
の2種類があります。
でも実は、その他に例外的な(少し変わった)ものもあって、
それは3つのタイプに分けれらます。
③目的語を2つとる動詞・・・to & for 型
to型は・・・「移動先」を示す “to”
for型は・・・「受益者」を示す “for” を意味しているのですが、
☞実は、どちらもとれる動詞があります。
【to & for 型】 ・bring(持ってくる)・・・この1個だけ ➡ bring は「もってくる」という基本的な意味があるのですが、2つの表現があります。 ①相手先に何か届かせる・・・「移動先」to 型 ②相手のために何かを持ってくる・・・「受益者」for型 そのため、英文のニュアンスに応じて、第3文型にした場合 to も for も出てきます。 主語+to & for 型の動詞:bring+人+もの |
例文を挙げます。
※赤字が of 型の ask、青字が「人」、黄色いマーカーの部分が「もの」を示します。
◎ Ken brought Emi his favorite book.
この第4文型を、第3文型にすると・・・
① Ken brought his favorite book to Emi. 「エミに持ってきた」移動先:エミ
(直接エミに手渡しで持ってきた、イメージ)
② Ken brought his favorite book for Emi.「エミのために」受益者:エミ
(エミがその場にいなくて、置いて帰った可能性も含むニュアンス)
④目的語を2つとる動詞・・・of 型
このタイプは、to でも for でもない of 型です。
【of 型】 ・ask(たずねる、求める)・・・この1個だけ ➡ ask の基本的な意味は「たずねる」で、相手に「答えや情報、援助を求め」ます。 そのため、「移動先」の to や「受益者」の for ではなく、 「つながり」を示す of を用います。 (of はリンク(つながり)を張る前置詞・・・引用元:一億人の英文法) 主語+ of 型の動詞:ask +人+もの |
それでは、例文で確認しましょう。
※赤字が of 型の ask、青字が「人」、黄色いマーカーの部分が「もの」を示します。
ex.1 Can I ask you a favor?
◎お願いがあるのですが。
☞「あなた」に対して「お願い事」を求めている。
ex.2 I want to ask that teacher a question.
◎あの先生に質問をしたい。
☞「あの先生」に対して「質問の回答」を求めている。
これを、「人」の部分を強調した言い方にすると
下記のようになります。
ex.1 Can I ask a favor of you?
◎あなたに、お願いがあるのですが。
ex.2 I want to ask a question of that teacher.
◎あの先生に対して、質問をしたい。
※ask の場合、of を使って「答えや情報、援助を求める」表現にすると、
かなり「堅い」言い回しになるようで、普段の会話ではあまり用いられていないようです。
⑤目的語を2つとる動詞・・・マイナスの授与型
・「マイナスの授与型」という言葉は、
大西先生が講師のNHKの「ラジオ英会話」で使われています。説明すると
授与型・・・第4文型(SVOO)のことで、「あげる・くれる」という意味を表す
マイナスの授与型・・・「授与型」は基本的に「あげる・くれる」を意味するのですが、動詞-によっては逆の意味(マイナスの意味)の「奪う」を意味するものもあり、それを指します。
~となります。
【マイナスの授与型】 cost(費用がかかる:お金を奪う)、take(要する:時間や労力を奪う) save(省く:時間や労力を奪って、節約する) 主語+マイナスの授与型の動詞+人+もの |
それでは、例文で確認しましょう。
※赤字がマイナスの授与型の動詞、青字が「人」、黄色いマーカーの部分が「もの」を示します。
ex.1 The trip cost us 100,000 yen.
◎私たちはその旅行に10万円かかりました。
☞「私たち」から「10万円」を奪った
ex.2 The journey took me five days.
◎私はその旅に5日間を要した。
☞「私」から「5日間という時間」を奪った
ex.3 Emi saved you a lot of trouble.
◎エミのおかげであなたはたくさんの手間を省けた。
☞「あなた」から「たくさんの手間」を奪った → 省けた
※この「マイナスの授与型」の動詞は、そのイメージから
「奪う、または奪ったもの」に対して力点が置かれる英文のため、
「奪われる、または奪われた人」を強調することはできません。
(おそらく、まさに「マイナス」のイメージが強すぎるから)
そのため、この「マイナスの授与型」の英文を、
今までのように to や for などの前置詞を使った第3文型にかえることはできません。
ただし、
「奪われる、または奪われた人」を省略した、第3文型にはできます。
(「奪う、または奪ったもの」に対して力点が置かれる英文のため)
ex.1 The trip cost 100,000 yen.
◎その旅行には10万円かかった。
ex.2 The journey took five days.
◎その旅に5日間かかった。
ex.3 Emi saved a lot of trouble.
◎エミはたくさんの手間を省いた。
これで、第4文型については終わります。
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