「書く力」のトレーニング②

「書く力」のトレーニングの2回目。
前回は、全般的な話で終わりましたので、
今回は、

①3文字、4文字単語を書けるようにする
②教科書の穴あきを埋めることができる
③教科書の音読筆写をできるようにする

の3つについてお話します。

3文字、4文字単語を書けるようにする

これは、
中1の入門期に継続して指導するべきだと思います。

理由は以下の2つがあります。
1. フォニックスの基本を身につける
2. 「音」から「文字」を予測する力をつける

しかしも、
3語であれば、
アルファベットの「音読み」「名前読み」を覚えれば
大抵は書けるようになるので、自信ももてます。

【3文字単語】〜音を聞いて、単語を書く
① b-i-g → big:大きい
② d-o-g → dog:犬
③ c-a-n → can:〜できる「助動詞」
④ i-n-k → ink:インク
⑤ c-a-t → cat:猫
⑥ b-o-y → boy:少年
⑦ b-o-x → box:箱
⑧ j-e-t → jet:ジェット機
⑨ b-u-s → bus:バス
⑩ s-u-n → sun:太陽
※フォニックスを意識させるには、
①の big であれば、それぞれのアルファベットの「名前読み」を1個ずつ読んで
( b,i,g)、その後に「単語(big)」を発音してから、「3文字単語」を書かせる、
というトレーニングするといいと思います。

だいたい書けるようになったら、4文字単語も入れて行きます。
【4文字単語】〜音を聞いて、文字を書く
① l-i-k-e → like:好きです
② h-a-v-e → have:持っている
③ t-a-k-e → take:取る
④ h-o-m-e → home:家
⑤ n-a-m-e → name:名前
⑥ c-a-k-e → cake:ケーキ
⑦ n-o-s-e → nose:鼻
⑧ f-i-v-e → five:5
⑨ f-i-n-e → fine:元気な
⑩ r-i-c-e → rice:米
※上記の10個の単語は、すべてマジックEと呼ばれるルールに従って
できています。基本的に(子音)+(母音)+(子音)+ e  で構成されている
単語は、2番目の(母音)を「名前読み」、最後の e は発音しない、という
規則です。この規則でできている単語は意外と多いので、ぜひ身につけさえたい
ものです。

このように、
フォニックスを規則を確認しながら、
「音」を聞いて「文字(単語)」が書ける、という成功体験を
積み重ねていくことは、英語嫌いを少なくするのに大きな影響を
与えると思います。

英文の穴あき部分を埋めることができる

これは、
副教材を使っての指導です。

ネットで調べたところ、
ちょっと見当たらなかったのですが、
教科書の英文の1部分が空欄(穴あき)に最初からなっていて、
それが、レベルが上がると穴あきの部分が増えていって、
最後には「暗唱」に持っていく、という教材でした。

簡単に雰囲気を示すと次のような感じです。

レベル1: I (     )  the cake very much.
レベル2: I (      )  (      ) very much.
レベル3: I (      )  (      ) (      ) much.
レベル4: 暗唱

レベル4に達した生徒は、
そのページの暗唱テスト締め切り日までに、
私のところに来て、直接「暗唱」のテストを受ける、
という指導をしていました。

暗唱が終わった後に、2つの「書く」活動

暗唱ができるようになった時点で、
ある程度正確な音声が記憶され、
英文の構成も「頭の引き出し」の中に収まったはずです。

これを、
「書く力」の活動につなげない手はありません。
私は、この「暗唱」が終わった後に
2つの「書く」トレーニングをしていました。

①「穴あき」の部分を埋める活動

「暗唱」テストに合格した生徒は、
今度は、「穴あき」の部分を埋める
すなわち暗唱した英文をもう一度再生して
「書く」活動をします。

しかも、
レベル1〜レベル3までの「穴」の空いた部分を
記入するので、同じ単語を2〜3回記入することに
なります。

この練習の良い部分は、
何の脈絡もない英単語を機械的に2〜3回書くのではなく、
英文という塊の中で、どんな意味なのかを
確認しながら、単語を書く練習だということです。

②間違い探しをする

もう1つの活動は、
全員が暗唱テストに合格した時点で、授業の最初に行う
「間違い探し」です。

「暗唱」した英文に、
10個の間違いを入れて、それを訂正させるという
ゲームのような活動をします。

間違いには、
①単語のスペルが間違っている
②単語が抜けている
③余計な単語等がついている
〜の3種類があり、これを3分間で見つけ出す、
という活動です。

この活動を実施すると、
生徒がどれだけ「正確に」
暗唱しているのか、英文の意味、そしてそのつくりを
理解しているのかを最終確認することができます。

また、
これを繰り返しことにより、
「暗唱」に対する取り組み方にも
「正確さ」が伴うようになってきます。

教科書を用いての音読筆写

私は、授業の予習として
教科書の本文を写すことを生徒に課すことはしませんでした。

その代わりと言ってはなんですが、
「音読筆写」を授業中に生徒にやらせていました。

「音読筆写」は、
指導者にやって、やり方もまちまちのようですが、
私が実践していたのは、

Read and Look up の「書く力」バージョンというような
トレーニング方法です。

すでに学習した部分の復習として
「音読筆写」を行います。

①「音読筆写」をするページを指定します。
②教科書(そのページを開いて)とノートを並べます。
③生徒は教科書を見て1文ずつ読みます。
④教科書を見て1文読んで、その後教科書を見ないで、
その英文を発話しながら、ノートに英語を書いていく。
⑤それを最後の英文まで繰り返します。
⑥終了したら、教科書の英文と自分が書いた英文を確認して、
間違っていたらそれをペンで訂正します。
⑦間違った単語は、その場で2〜3回練習します。

ポイントは、
生徒が音読筆写をしている間は、教師がしっかりと
机間指導して、必要であれば(ただ見て写すーコピー
する生徒もいるかもしれません。一番のポイントは、
英文を短時間で暗唱して、それを頭の中で再生して
教科書を見ずに、英文を書くことです。)指導を
加え、正しく「音読筆写」するようにします。

この方法で実施すると
2〜3分でひとかたまりの英文を書くことができ
間違い直しもできます。

また、復習として実施するので、
以前学んだ表現や文法も確認することができます。

短時間に集中して、取り組み、
それによって生徒の定着度合いもわかる
トレーニング方法だと思います。

 

今回はここまで。

 

「『書く力』のトレーニング」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックし「③」もお読みください。

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