それでは、教師の生徒指導力や教科指導力を
アップ、成長させていくためにはどうすればよいのでしょうか。
「学び続ける」教員になるために
1つは、「閉鎖性」の打破
1つの方法として、
1つの学年をあえて複数で担当することが
挙げられると思います。
小学校の先生方と違い、
中学校の先生は、教科の専門性を強く主張する傾向があり、
そのため、他の教科の先生はもちろんのこと、
同じ英語の教師同士でも授業を見合ったり、
指導方法を share することはまれです。
教科の専門性にかこつけて、自分の指導法を
防御するということが従来は簡単にできて
しまっていたのです。
そのため研修熱心な先生方を除けば、
おそらくたいていの先生方は、自分が
中学生の時代に受けてきた指導をそのまま
繰り返す~多分文法中心の訳読式英語~ように
なってしまっているのだと思います。
→専門性を壁にして、自分の授業法に他者が
「踏み込めない」閉鎖性をつくっているのです。
(その方が、「本人」は何を変えなくても
いいので楽ですからね。)
その閉鎖性を打開するためには、
どうしても share しなければならない状況をつくる
しかありません。
それが、冒頭に言った
「1つの学年をあえて複数で担当する」ことに
つながるのです。
そこから、教科主任や学年の英語科のチーフと
なる人が上手にリーダーシップをとることにより、
少しずつ「閉鎖性」を打破していくことが大事です。
相手が、「自分の方法にばかり」こだわってる人であれば、
テキストの進度を聞いたり、細かな指導法(単語の指導や、
音読のさせ方など)について話をすることから始めて、
ぜひともお互い授業を見せ合うことができるような
空気をつくりましょう。
「こだわり」の強い人であれば人であるほど、絶対授業を
見せたがりませんし、授業を見ての示唆やアドバイスを
素直に受け取ろうとしません。この気持ち的なバリアを
取り除くことがまず第一です。
そしてそこから「学び続ける」という態度が生まれ始める
と思います。
私は、教員生活の後半は、
小規模校(1学年1クラス、全校で3学級です)にいたので、
そんな場合は、どうすすればいいのかも少しお話させてください。
ーそのような場合は、多分同じような小規模校が近辺に
ある場合が多く、その学校同士である程度自由に授業を
見せ合うようなシステムを構築してしまえば、問題点は
解決できます。
・実際、その小規模校に在職していた時、当時の校長の
理解と協力を得て、その「地区」で授業を見せ合う研修会を
立ち上げることができました。(周辺の小規模校も校内研修が
深まらない、という同じ悩みを抱えていたのです。)
ーお互いの授業を学校内に限定せずに「見合う」ことが
ポイントなので、授業後の研修会は、基本的には実施せず
(校内研修とぶつける時もありましたが)、アンケート記入
をお願いして、そこから授業のフィードバックをすること
により、先生方の負担もできるだけ軽くしました。
とにかく、お互いの授業を open にして、
授業について、
子どもについて、
認識しあい、情報を共有しあうことが、
教員の成長へとつながるのです。
もう1つは、教科ごとの部屋をつくること
これも1番目の「閉鎖性」の打破につなるがるのですが、
物理的にはもしできるのなら、高校のように
教科ごとの部屋があることが望ましいと思います。
これは、それぞれの学校での、3年間の継続性をもたせる
ためにはぜひ必要なことだと思います。
学習指導要領では、各学年の目標がありますが、それも3年間という
スパンを見通しての goal なので、学年関係なく、絶えず教科の
先生方は情報を共有して、共通の3年間の「到達目標」を目指して
微調整しながら、全員で、生徒の英語の力を育てていくという態勢
でないですが、生徒に「英語力を身に付けさせる」ことは不可能だと
思います。
ですから、文科省としてもそのような環境づくりをする
施策も提案しなければいけないのでは、と思います。
一人の生徒に対して、
学級、学年、教科、学校と幾重にも重層的に学ぶ機会を与え、
様々な活動を体験させることが、
ひいては、生徒の英語力を高めるていくのではないでしょうか。
キーワードは「共有」
どちらにしても、必要とするのは
「共有」というキーワードです。
教師間、学級間、教科間、学年間などの
以前からあった目に見えない壁を、
壊すこと、それが、この状況を打破するための
唯一の方法だと、
私は思います。
今回はここまで。
「中学校英語教師の実力」は「①」から「⑤」まであります。
お時間がある方は、どうぞ下記をクリックして「⑤」もお読みください。
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