「仮定法」の5回目です。
この仮定法については、
①基礎編
②if を用いた仮定法過去
③if を用いた仮定法過去完了
④wish や as if を伴う仮定法
⑤if が出てこない仮定法
⑥仮定法を使った慣用表現
⑦未来に対する仮定法
〜と7回にわたって解説していく予定です。
第5回の今回は、
「if が出てこない仮定法」を取り上げていきます。
仮定法の「基本」
今回は、「if」が出てこない「仮定法」ですが、
「仮定法」には違いないないので、基本を再度確認。
もう大丈夫という人は、
この部分を飛ばして、次の項目へ進んでください。
さて、「仮定法」の一番のポイントは、
仮定法は「事実と反すること」を表現する |
ということです。
またその時に用いる動詞の形は、
現在のこと→「過去形」、過去のこと→「過去完了形」 |
となり、「動詞の時」がずれる、ということも重要なポイントです。
ここから、
①「現在」のことで→仮定法を用いて表現すると→「過去形」を用いるので
👉「仮定法過去」と言い
②「過去」のことで→仮定法を用いて表現すると→「過去完了形」を用いるので
👉「仮定法過去完了」と呼びます。
倒置すると if がなくなる!
・「仮定法」では、
最初に「if を用いた仮定法」を解説しました。
この「if を用いた仮定法」は、
「主語」と「助動詞」が倒置されると
(疑問文と「同じ形」になります)
→ if が省略される場合が3つあります。
※この形は、「文章体(文章として使われる形)」です。
それを1つ1つ解説します。
① If 主語 were 〜(仮定法過去) の場合
・例文を2つあげます。
ex.1 Were today the last day of my life, I would go to see my mother.
「今日が私の最後の日であれば、私は母に会いに行くだろう。」
ex.2 Were I you, I wouldn’t do such a thing.
「私があなたなら、そんなことはしないだろう。」
ex.1 の赤線の元の形は、
Were today 〜 → If today were 〜
ex.2 の赤線の元の形は、
Were I 〜 → If I were 〜
となります。
このように、
If 主語 were 〜という形の「仮定法過去」では、
①if を省略し、 |
②主語と were を倒置し、 → Were 主語 〜. の形にすることもできる。(文章体) |
③これで「もし〜なら」という意味になる。(意味は変わらない。) |
② If 主語 had 過去分詞 〜(仮定法過去完了)の場合
・同じく先に例文をあげます。
ex.3 Had I not taken my mother’s advice, I would have failed.
「母の忠告を受け入れていなかったら、失敗していただろう。」
ex.4 Had I been there, I could have helped you.
「私がそこにいたなら、あなたを助けることができたのに。」
ex.3 の赤線の元の形は、
Had I not taken 〜 → If I had not taken 〜
ex.4 の赤線の元の形は、
Had I been 〜 → If I had been 〜
となります。
このように、
If 主語 had 過去分詞という「仮定法過去完了」では、
①if を省略し、 |
②主語と 過去完了の had を倒置し、 → Had 主語 〜. の形にすることもできる。(文章体) |
③これで「もし〜だったなら」という意味になる。(意味は変わらない。) |
③ If 主語 should 〜 の場合
・例文を2つあげます。
ex.5 Should you be unable to come, please call me.
「来られないようでしたら、私に電話してください。」
ex.6 Should there be a problem, I would fix it soon.
「問題があるようでしたら、私がすぐに直させていただきます。」
ex.5 の赤線の元の形は、
Should you be 〜 → If you should be 〜
ex.6 の赤線の元の形は、
Should there be 〜 → If there should be 〜
となります。
このように、
If 主語 should +動詞の原形 〜 という「仮定法過去」では
①if を省略し、 |
②主語と should を倒置し、 → Should 主語 〜. の形にすることもできる。(文章体) |
③これで「もし〜するようであれば」という意味になる。[丁寧な表現] |
「〜がなければ/なかったら」 but for / without
・if 節を使わないで「もし〜がなければ / なかったら」
という表現を、but for や without を用いてできます。
ex.7 But for your help, I could not have finished this task.
「あなたの助けがなければ、私はこの仕事を終えることができなかったろうに。」
ex.8 Without sport, my life would not be very happy.
「スポーツがなかったら、私の生活はあまり楽しいものではないだろう。」
ex.7 の赤線の部分を、あえて if を用いて表現すると、
But for your help
=If it had not been for your help
※仮定法過去完了なので
e.8 の赤線の部分も、あえて if を用いて表現すると
Without sport
=If it were not for sport
と書き換えることもできます。
このように、
「もし〜がなければ/ なかったならば」という
仮定法の表現をする時は、
① But for +名詞、または Without +名詞 を用いて、 |
②その後に、 仮定法過去であれば → 主語+would / could / might +動詞の原形 〜 仮定法過去完了であれば → 主語+ would / could / might +have 過去分詞 〜 で表現することができる。 |
③But for +名詞 , Without +名詞 の部分は、 仮定法過去であれば、 → If it were not for 名詞 仮定法過去完了であれば → If it had not been for 名詞 の形で、書き換えることもできる。 |
のようなポイントを押さえておきましょう。
「そうでなければ」otherwise
・otherwise は便利な言葉で、
文脈によっては、「その1語」で、
仮定法の if 節(if から始まる文)を表現することができます。
例文を見てみましょう。
ex.9 Ken missed the train; otherwise he could have met Beth.
「ケンは電車に乗り遅れた。
→そうでなければ →彼はベスに会うことができたのに。」
ex.10 I know she is right; otherwise I wouldn’t try to help her.
「私は彼女は正しいとわかっている。
→そうでなければ →彼女を助けようとはしないだろう。」
ex.9 の otherwise を if 節にすると、
「仮定法過去完了」を用いて
👉 if he had not missed the train となる。
ex.10 の otherwise を if 節にすると
「仮定法過去」を用いて
👉 if I didn’t know she is right となる。
このような使い方も覚えておきましょう。
今回はここまで。
「仮定法」に関しては「①」から「⑦」まであります。
下記にリストアップしますので、読みたいものがありましたら
クリックしてください。
①基礎編
②if を用いた仮定法過去
③if を用いた仮定法過去完了
④wish や as if を伴う仮定法
⑥仮定法を使った慣用表現
⑦未来に対する仮定法
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