中学校入門期の「読む力」について、お話します。
「読む力」と「書く力」は、
文字を通しての表現力という点では共通しています。
表裏一体までは、いかないにしても
英語の自己表現の1つとして reading を重要視することが、
やがて「書く力」へとつながっていきます。
だから、入門期の1年生には、
「読む力(暗唱も含めて)」にもっともっと
焦点化してもよいのではと思います。
読む力とは
「読む力」は具体的に言うと
①単語が読める
②英文が読める
③英文の意味を理解して読める
④読みに自己表現を加えて読める
とおおまかに4つのパートに分かれていると思います。
と言っても、
これは4つの層に分かれているのではなく、
スパイラルにつながっている状態です。
①単語が読める
ーこの部分は「書く力」で述べたように、
フォニックスを時間かけて、文字と音との関係の
おもしろさに気づかせながら、継続的な指導が必要です。
②英文が読める
ーこれは「英文の作り方(語順)」の学習につながります。
たくさんの「よい英文」を読ませ、「文の作り方」を
体感させることは入門期には特に必要です。
③英文の意味を理解して読める
ー具体的にはクラスで reading のコンテストを実施したり、
暗唱させたりして、「上滑りの読み」にしないようにする
必要があります。
※「上滑りの読み」とは・・・
私は、以前「速読」と称して、学び終わった部分の教科書を、
一定時間(たいてい1分間です)でどのくらまで読めるか、
「読める量」だけを競うという指導を帯学習で実施したことが
ありますが、これには一長一短があります。
~毎時間やればやるほど、生徒の読みが「機械的な読み」に
なってくるのです。子どもたちは、「ゲーム感覚」で楽しみ
ますが、実は「その内容」はほとんどが理解されず、読み方も
強弱のない「棒読み」になってしまい、時間の無駄となって
しまいました。これが「上滑りの読み」です。
ーその反省を基にして、
その後「暗唱」を1年次に取り入れましたが、これもただの
音声の「暗記」に終わらないように、「暗唱」の最後に
必ず英問英答を生徒にするように工夫しました。
そうすることにより、少しでも「本当」の内容理解へと
つながっていくと思います。
④読みに自己表現を入れて読める
ーこれは相当レベルが高い力です。
内容を理解し、それを自分でかみ砕いて、gestureを入れたり、
強弱をつけたり、とスピーチコンテストと同じようなものに
なります。
※筑波大学附属中学校では、
以前から「読む力」を「自己表現の基礎」と考え、
教科書の英文を、自分なりの感情をこめて読む取り組みを
授業で行い、画像で記録も撮っています。
その一部を見させてもらいましたが、
普段の授業の指導の成果が表れる、素晴らしい「読み」を
発表する子どもたちがいました。
それは、暗唱ではありません。
教科書は、手元にあってもよいとして、
「表現力」に力点を置いた指導した
まさに、「読む力」です。
ー私も、似たような取り組みを子どもたちに
したことがありましたが・・・難しかったです。
その理由は、明らかでした。
→私自身にそのような自己表現を込めた「読む力」に
欠けていたからです。最終的には、指導者がそのような
自己表現力がないと、子どもたちもそのようなレベルの
高い「読む力」を身に付けることは難しいのです。
教師の力が問われる部分だと思います。
次回は、私が取り組んできた「読む力」に関する
指導方法を自戒を込めていくつか紹介します。
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