現在完了③経験

今回は、
現在完了の3回目「経験」を確認しましょう。

いつものように
3つの用法を確認しましょう。

現在完了が「現在」に及ぼす3種類の影響

①「完了・結果」と呼ばれる「影響」の与え方
・・・この種類は、その名前からも予測できるように、
「ある行為・活動」が、
「過去のある時点」から始まってようやく「現在」終わった(完了)、
その結果「今」の状況(結果)を示すという影響の及ぼし方です。
(「完了」と「結果」は密接な関係があるので、1つにまとめて表記されることが多いです。)

②「継続」と呼ばれる「影響」の与え方
・・・この種類は、
「ある行為・活動」が
「過去のある時点」から始まって、「現在」に至るまでそれが「継続」されていることを表現します。

③「経験」と呼ばれる「影響」の与え方
・・・この種類は、
「ある行為・活動」が
「過去のある時点」から始まって、「現在」に至るまで振り返ると「どのくらい経験」したかを表現するものです。

今回は、
この3番目の「経験」を取り上げるわけです。

「経験」とは・・・

自分の「経験」を言う、ということが、どんなことであるかを確認すると
それが「現在完了」の特徴と合致することがわかります。

「経験」とは、
「過去から現在」までの自分の生活の中で、自分が持っている「経験:体験数」を述べることです。

👉「過去」と「現在」をつなげる「現在完了」の性格と同じです。
すなわち、
→ have / has +過去分詞=「過去分詞」の状態を「どのくらいの回数」持っているのか、を意味することになるのです。

もう1つのポイントは、やはり
➡あくまでも「現在」に視点がある、「現在」から「俯瞰している」ことです。

それでは、具体的な例文を取りあげましょう。

ex.1  Tom‘s eaten sushi twice.
「トムは(今までに)2回寿司を食べたことがある。」
👉「過去のある時点:生まれて」から、「現在の時点」までの中で、寿司を食べることを「2回」「経験」していることを表現しています。
・Tom’s = Tom has
・eat の変化:eat – ate – eaten

ex.2  I‘ve seen “Star Wars” many times on TV.
「私はテレビで何回も『スター・ウォーズ(映画)』を見たことがある。」
👉「過去のある時点:生まれて」から、「現在の時点」まで、テレビで『スター・ウォーズ』「何回も」見た「経験」をしていることを表現しています。
・I’ve = I have
・see の変化:see – saw – seen

ex.3  We have never eaten wild boar before.
「私たちはこれまで野生のイノシシを食べたことがありません。」
👉「過去のある時点:生まれて」から、「現在の時点」までの中で、野生のイノシシを食べたことが「一度も」「経験」したことがない、ことを表現しています。

ex.4  Have you ever been to England? – Yes, I have. / No, I haven’t.
「あなたは今までにイングランドへ行ったことがありますか。」
👉「過去のある時点:生まれて」から、「現在の時点」までの中で、イングランドへ行ったことがあるかどうかの「経験」をたずねています。
・have / has been to と have / has gone to の違いに注意すること
(have / has been to は「〜へ行って、今以前いたところに戻ってきている」、have / has gone to は「〜へ行って、行った先の場所に今もいる」という意味を含んでいます)

ex.5  Emi has visited Sapporo once.
「エミは一度札幌を訪れたことがある。」
👉「過去のある時点:生まれて」から、「現在の時点」までの中で、札幌を訪問することを「1度」「経験」していることを表現しています。

ex.6  My brother has done bungee jumping five times.
「私の兄は5回バンジージャンプをしたことがある。」
👉「過去のある時点:生まれて」から、「現在の時点」までの中で、バンジージャンプをすることを「5回」「経験」していることを表現しています。
・do bungee jumping:バンジージャンプをする
・do の変化:do / does – did – done

ex.7  Ken has never used his hand to eat curry.
「ケンは今までカレーを食べるのに自分の手を使ったことがない。」
👉「過去のある時点:生まれて」から「現在の時点」までの中で、手を使ってカレーを食べる「経験」を「一度も」ないことを表現しています。
・to eat curry:to 不定詞の副詞的用法「カレーを食べるために」

「経験」でよく使われる単語

・現在完了のそのぞれの種類では、
共に使われる単語がポイントになることが多いので、それも確認しましょう。

【文末で使われる単語】
・以前に:before
・回数を表現する語句
→1回:once、2回:twice、3回:three times、何回も:many times など

【過去分詞の前に】
・never:否定文で「一度も / 決して〜しない」
・ever:疑問文で使われることが多い「今までに」

have been to と have gone to の違い

・上記の例文 ex.4 でも取り上げましたが、
確認のため have been to と have gone to の違いを例文で示します。

a.  She has been to New York.
「彼女はニューヨークへ行ったことがある。」👉【経験】
b. She has gone to New York.
「彼女はニューヨークへ行ってしまった。」👉【完了・結果】

※もっとも大きな違いは、
主語の “She” が「今、どこにいるのか」です。
a. の英文は、「彼女」は、ニューヨークへ行った経験はあるが、「今、ここにいる」ことを表現しています。
b. の英文は、「彼女」は、ニューヨークへ行ってしまって、「今、ここにいない」ことを表現しています。
→結局「主語が『今、ここにいるか』どうか」で表現が違う、ということをしっかりと確認することが必要です。

<注意!>
① have been to / have gone to の後ろには「地名」などがきますが、here や there, abroad  などの副詞がくる場合は、前置詞の to は無くなります。
② have been to だからといって、「経験」とは限りません。
c. She has just been to the hospital. 
「彼女はたった今病院に行ってきたところです。」👉【完了・結果】
例文 c のように【完了・結果】で用いられることもあるので、機械的に have been to は【経験】だと決めつけないようにしましょう。

経験で「回数」をたずねる表現

・現在完了の「経験」では、
「回数」を示す表現がよく用いられます。

→そこで「回数」をたずねる表現を確認しましょう。

「回数」をたずねる場合は、
how many times:何回 を用います。

上記の ex.1 と ex.2 の英文を用いて
回数をたずねる英文に書き換えると、下記のようになります。

ex.1  Tom’s eaten sushi twice.
→ how many times を用いて「回数」をたずねる英文に
👉How many times has Tom eaten sushi?

ex.2  I’ve seen “Star Wars” many times on TV.
→ how many times を用いて「回数」をたずねる英文に
👉 How many times have you seen “Star Wars” on TV?

このような表現もしっかりできるようにしましょう。

 

今回はここまで。

 

「現在完了」に関わる記事は、他に下記の4つもあります。
興味がありましたら、クリックしてご覧ください。
①完了・結果
②継続
現在完了進行形とは・・・
過去形と現在完了形

 

完了形には全部で4つのカテゴリーがあります。
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