今回から、完了形について考えていきます。
最初は、
完了形の基本的な意味、形をもう一度確認していきたいと思います。
現在完了とは・・・
・普段の日本語の中では、
あまり「完了」という表現を意識をすることがないので、そこの部分から確認していきます。
👉 現在完了は、英語で present perfect、過去完了は、past perfect です。
ここからすると、「完了」に相当する英語は perfect となります。
国語辞典で調べると、
「①完全に終わること(終えること) ②[言]動作が終わったこと、動作・状態の結果が現在なお続いていることを表す語法」とあります。(引用元:角川国語辞典 新版)
ここからもわかるように、
「現在完了」形とは、
「現在と過去」とを繋ぐ「幅」のある中で、その影響が「現在」に及んでいる表現
だということです。
日本語では、
「時」を表現するのに「語尾」だけを変えればいいので、
どうしても「日本語訳」だけでは「過去」の文なのか、「現在完了」の文なのか区別ができない場合が多いです。そのため、この「現在完了」に対して苦手意識を持っている人が多いようです。
その苦手意識の原因の1つが、
◎ポイント1「過去と現在」をつなげる「幅」のある表現、だということです。
この「幅」を表現するために、
現在完了は、
have / has +過去分詞 という形を用います。
👉 have/ has は、「持っている」という一般動詞ではなく、現在完了を示す【助動詞】です。
【現在完了を示す助動詞 have / has】
・助動詞には、それぞれに何らかの「意味」があります。
→この助動詞 have / has には、「持っている・持続している」というニュアンスがあって、
have / has +過去分詞 の形で
「過去分詞」の状態を「過去と現在」の間で「持続している」ことを意味しているのです。
すなわち「過去と現在」のつながりの「幅」を端的に表現しているのです。
◎ポイント2
「過去と現在」のつながりの「幅」を表現する現在完了の助動詞 have / has
have / has +過去分詞:「過去分詞」の状態を「過去と現在」の間で「持続している」
そして、この「持続している」影響が「現在」に及んでいます。
◎ポイント3
「持続している」影響が「現在」に及んでいる
(「現在」に視点があると言ってもいいです。)
この影響の及ぼし方によって、
①完了・結果
②経験
③継続
という種類に分けられているのです。
◎ポイント4
影響の及ぼし方の違いで①完了・結果 ②経験 ③継続 と分けられる
また
③継続 の中でも「動作が進行中」であることを強調する場合は、
have / has been 動詞のing形 という「現在完了進行形」を用います。
◎ポイント5
現在完了で「動詞が進行中」である場合は、「現在完了進行形」を用いる
have/ has been +動詞の ing形
以上ポイント1〜5までが、
現在完了形の基本となるポイントです。
さて、この現在完了形と
同じニュアンスがあるものとして、
①過去完了 と②未来完了があるのですが、
それは、どこが違うのでしょうか。
①過去完了とは・・・
現在完了は、「過去と現在」の幅の中での表現で、「現在」がその視点でした。
ということは、
過去完了は、
「過去のある時点[a]」が視点で、それより「さらに過去[b]」との幅の中で、使われる表現なのです。
[b]の過去 ← [a]の過去:[a]の過去に影響を及ぼす
〜ことを表現しています。
・ポイントは、
「視点」が「過去」になったという部分で、あとは「現在完了」と同じです。
◎ポイント1
過去完了は、「過去」が視点
・過去完了は、「現在完了」の助動詞 have/has を had にして表現します。
◎ポイント2
過去完了:had +過去分詞
②未来完了とは・・・
「現在完了」と「過去完了」を見てくると
「未来完了」もどのような表現が予想がつきます。
未来完了は、
「未来のある時点[a]」が視点で、それより「以前のある時点[b]」との幅の中で使われる表現なのです。
[b]それ以前のある時点 ← [a]の未来のある時点:[a]の未来に影響を及ぼす
〜ということを表現しています。
・ポイントは、
「視点」が「未来」になったという部分で、あとは「現在完了」「過去完了」と同じです。
◎ポイント1
未来完了は、「未来」が視点
・未来完了は、助動詞 will を用いて表現します。
◎ポイント2
未来完了:will have +過去分詞
次回は、
それぞれの「完了形」を1つずつ取り上げます。
今回はここまで。
完了形には全部で4つのカテゴリーがあります。
興味があるものがありましたら、下記をクリックしてご覧ください。
👉現在完了
👉過去完了
👉未来完了
コメント