形容詞の2回目。
今回は、「前置方法(名詞の前に形容詞を置く)」について
詳しく解説していきます。
前置方法の役割▶︎限定
・「日本語」と語順が同じなのが、この「前置方法」です。
いくつか例文を示して、解説していきましょう。
ex.1 Look at the big bird!
(その大きな鳥を見て!)
▶︎形容詞が「前置方法」で修飾している部分(名詞句)だけを見ると、
the + big + bird となっており、日本語もそれに対応して
その+大きな+鳥 となっています。
ex.2 What a long river this is!
(これは、何て長い川なんでしょう!)
▶︎「前置方法」の部分を見ると
a + long + river となっており、日本語も
(1つの)+長い+川 となっています。
ex.3 There are a lot of Italian restaurants here.
(ここにはたくさんの/イタリアン料理の/レストランがあります。)
▶︎この例文では、「前置方法」で2つの形容詞が並んでいますが、
a lot of + Italian + restaurants となっており、日本語もそれに対応して
たくさんの + イタリアン料理の + レストラン となっています。
ex.4 She wants a new bike.
(彼女は新しい自転車が欲しい。)
▶︎ex.4 では、
a + new + bike となっていて、日本語も
(1台の)+ 新しい + 自転車 となっています。
※このように、
「名詞のひとかたまり」(名詞句と言います)では、「日本語」と「英語」の
語順がほぼ同じである、ということは1つの特徴です。
▶︎こうして「名詞」の前に「形容詞」を置くと、
その「名詞」がどんなものであるのかを「限定」して行きます。
「限定」って?
・さて、この「限定」という機能を具体的に見ていきましょう。
上記の ex.1 から ex. 4 を用いて解説していきます。
▶︎ex.1 Look at the big bird! において
・bird だけでは、どんな「鳥」であるかわからず、あらゆる種類のうちの「1つの鳥」を意味しますが、その前に big という形容詞を置くことにより、「鳥」は「鳥」でも、「白い鳥」であると、「限定」する機能を果たしています。
▶︎ex.2 What a long river this is! において
・river だけでは、様々な「1つの川」を意味しますが、その前に long という形容詞を置くことにより、「川」の中でも、「長い川」であると、「限定」する機能を果たしています。
▶︎ex.3 There are a lot of Italian restaurants here. において
・restaurants だけでは、あらゆる「レストラン」を意味しますが、その前に a lot of という形容詞と、Italian という2つの形容詞を置くことにより、「レストラン」は「レストラン」でも、「たくさんの + イタリアン料理の レストラン」であると、「限定」しています。
▶︎ex.4 She wants a new bike. において
・bike だけではなく、その前に new という形容詞を置くことにより、ただの「自転車」ではなく、「新しい自転車」であると、「限定」しているのです。
※このように、
名詞の前に、それを修飾する「形容詞」を置くことにより、
「どんな」「名詞」であるのかを、指定して、範囲を狭めて、具体的にしていく機能を「限定」と呼びます。
前置方法でしか使えない形容詞
・形容詞の大部分は、今回解説している「前置方法」でも、次回説明する「後置方法」にでも使えるのですが、
▶︎中には、「前置方法」でしか使えないものがあります。
「前置方法」でしか使えない形容詞
・only:たった1つの / 〜 だけ
・mere:ほんの / 単なる
・main:主な
・daily:毎日の
・former:前の
・latter:後の
などがあります。
(中学生であれば上記のものをチェックしておけば大丈夫です。)
・具体的に例で示すと以下のようになります。
ex.1 This is his only sister.(こちらは彼の唯一の妹です。)
▶︎この例文を用いて、例えば
❌His sister is only. のように only を「後に置く」ことはできません。
ex.2 Jogging is her daily excercise.(ジョギングは彼女の毎日の運動です。)
▶︎ex.2 の表現を使って、例えば
❌Her jogging is daily. のように daily を「後に置く」ことはできません。
形容詞の並べる順序
・形容詞の「前置方法」では、その表現によって、
複数の形容詞を名詞の前に並べる場合があります。
▶︎その場合にも、ある程度の「並べる順序」が決まっているので、
それを確認しましょう。
名詞句を作る形容詞の並び方
・形容詞の「前置方法」は、
結局、「名詞」への修飾を加えて、「名詞のひとかたまり」(これを名詞句と呼びます)を作ります。
▶︎この「名詞句」を作る時には、形容詞を含めて、単語を並べる順序が
決まっています。それをまずチェックしましょう。
名詞句の作り方
最初にくるもの | 【形容詞②性質・状況】 | 【名詞】 |
・a / an / the ・this / that ・my / your ・some / any 【形容詞①数量】 ・many / much ・a lot of ・a few / a little |
<例> ・little ・young ・red ・Japanese |
<例> ・car ・boy ・monkey ・drink |
【解説】
▶︎「最初にくるもの」
◎文法書では「限定詞」とも呼ばれるもので、「名詞句」の「一番最初につけて、文脈に沿った具体的な意味や数量に名詞を限定する」ものです。
・a / an / the
=いわゆる「冠詞」と言われるものです
・this / that
=「この」「あの」などのような「こそあど」言葉です。
(複数形の these / those なども仲間に入ります。)
・my / your
=「所有格」のことです。
Ken’s(ケンの)のように固有名詞の「〜の」も同じ種類です。
・some / any
=数がはっきりしていないけれど、「複数」のものの前につけます。
※ここの部分には、
「数量を表す形容詞」もやってきます。
(「限定詞」は「数量に名詞を限定する」機能もあるからです。)
・many / much :たくさんの
・a lot of / lots of:たくさんの
・a few / a little:少しの
・enough:十分な
・one, two, three, などの「数詞」
・(the) first, second, third などの「序数詞」
(「序数詞」とは「〜番目」という意味の単語です。)
などが仲間に入ります。
▶︎次に来るのは「形容詞②性質・状況」
◎ここの部分には、
「性質や状況を表す形容詞」がやってきます。
例で示したように、
・little
・young
・red
・Italian
などのような単語がやってきます。
▶︎そして、その後に「名詞」がやってきて、「名詞句」の完成!
基本的には、
このような言葉を並べる順序のルールをしっかり押さえておけば大丈夫です。
ただ、さらに細かく言うと、
「性質・状況を表す形容詞」を、2つ以上「並べる」時にも、
おおよその「順番」があります。
性質・状況を表す形容詞の順番
・この「順番」は厳密なものではなく、
「並べるのであれば、このような順番で」レベルの、
あくまで「参考」程度の扱いでいいようですが、次のようになるようです。
参考:「1億人の英文法」著書 大西泰斗/ポール・マクベイ 東進ブックス
「形容詞②性質・状況」の並べる順序 | ||||
感想・評価 | 大きさ | 新旧 | 色 | 材料・所属 |
・beautiful ・interesting |
・big ・small |
・young /old ・new |
・blue |
・American |
▶︎この並び順を見ると、
「個人的な評価」から、名詞に近づくにつれて「基本的な事実」になっている
ようです。
ここから、
「自分の個人的な意見や感想」を最初に言って、
その後に、「基本的な事実」に基づく「形容詞」を並べるとよい、
となるようです。
このような部分もチェックしておきたい部分です。
今回はここまで。
次回は、「形容詞③〜後置方法(説明)その1」です。
次回の、「後置方法その1」についても確認したい方は、
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