動詞語形変化を知る④「〜分詞」とは

「動詞語形変化を知る」最後は、
「過去分詞」「現在分詞」についてです。

不規則動詞活用表
原形 現在形 過去 過去分詞形 現在分詞
A-A-A型
hit (打つ) hit(s) hit hit hitting
A-B-A型
run (走る) run(s) ran run running
A-B-B型
hear (聞く) hear(s) heard heard hearing
A-B-C型
be (〜である) an / is / are was / were  been being

さて、
それでは、動詞の「過去分詞」「現在分詞」について
解説していきます。

◎この「過去分詞」と「現在分詞」の「分詞」とは…
「動詞と形容詞のそれぞれの性質をもつもの」という意味で、
実際には、「現在」や「過去」の「時」と関係がありません。

👉今回は、
「分詞」という言葉を詳しく解説していきます。

※この解説は、
「分詞とは?その1(用語の意味)」と同じ内容です。

分詞って?

・英語を学んで行くと、
よくわからないけど、使われる文法用語が現れてきます。

中学校では、
「現在分詞
「過去分詞
という言葉が、よく使われますが、
この「分詞」という言葉、何を意味するか知っている人は
意外と少ないのではないでしょうか。

この「分詞」の意味を理解すると、
「現在分詞」「過去分詞」の用い方も実はわかるようになるのです。

「分詞」を英語で言うと、participle

・「現在分詞」を英語で言うと、
👉present participle
・「過去分詞」を英語で言うと、
👉past participle
となります。

この participle という単語は、
① part(部分、役目)や
② participate(参加する、分け前をとる)
をその語源として持つらしく、そこから、

「それぞれの役目を分け持つ」という意味が本来あったらしいのです。

それぞれの役目とは?

・ここで言う「それぞれの役目」とは、
👉「動詞」と「形容詞」の2つの機能のことを意味しています。

すなわち、

「分詞」=「動詞」と「形容詞」の2つの機能を持つもの

ということなのです。

現在分詞は、
ing の形で、「動詞」と「形容詞」の2つの機能が持っていて、
動名詞も ing形ですが、これは「名詞」の機能を果たしています。

呼び名 機能
ing形 現在分詞 「動詞」の機能
「形容詞」の機能
動名詞 「名詞」の機能

過去分詞は、
規則動詞であれば -ed の形、不規則動詞であれば、3番目の変化の形で、
「動詞」と「形容詞」の2つの機能を持っているのです。

呼び名 機能
規則動詞 -ed
不規則 3番目の形
過去分詞 「動詞」の機能
「形容詞」の機能

それぞれの「分詞」について簡単に見てみましょう。

現在分詞の働き

・現在分詞は、語尾が ing となっていて、
その基本的なニュアンス「生き生きとした躍動感」を帯びています。

この「生き生きとした躍動感」を持って、
現在分詞は、「動詞」の働きと「形容詞」の働きをします。

①「動詞」の機能

・現在分詞の「動詞」の機能をする文の形は
👉「進行形」です。

a. Ken is running in the park.
(ケンは公園で走っています。)→現在進行形

b. I was washing the dishes in the kitchen then.
(私はその時台所で皿を洗っていました。)→過去進行形

 

 

 

 

 

▶︎ a の文では、
is +現在分詞(running) の形で、
「今、現在、ケンが走っている最中である」ことを表現しています。

▶︎ b の文では、
was +現在分詞(washing) の形で、
「過去のある時点で、自分が皿を洗っている最中であった」ことを表現しています。

このように、
現在分詞は、be動詞を伴うことにより、
「ある時点で、進行中の動作を表現(進行形)」することができます。

②「形容詞」の機能

・現在分詞は、「形容詞」のように
名詞に説明する機能もあります。

a. Look at the flying bird!
(その飛んでいる鳥を見て!)

b. We saw a man standing under the tree.
(私たちは木の下で立っている男を見た。)

▶︎ a の文では、
現在分詞(flying) がその後ろの名詞(bird) を
形容詞のように説明してます。

▶︎ b の文では
現在分詞を伴うひとかたまり(standing under the tree) がその前の名詞(a man)
に説明を加えています。

このように、
現在分詞は、名詞の前後に置くことにより、
その名詞を形容詞のように説明を加えることができます。

過去分詞の働き

・過去分詞は、
規則動詞では、過去形と同じ -edで、不規則動詞では、三番目の変化の形で、
基本的に2つの意味をニュアンスとして帯びています。
①「過去に完了した状態」
②「過去に〜された状態」

※なぜ、過去分詞に2つのニュアンスがあるかというと、
実は過去分詞の根本は「過去における結果の状態」を表す言葉なのです。
それを、
①行為者から見た場合は▶︎「過去に完了した状態」
②行為の対象から見た場合は▶︎「過去に〜された状態」
を意味するようになったのです。
(状況は同じで、「視点」を変えただけなのです。)

①「動詞」の機能

この過去分詞が「動詞」の機能をする文の形は、
👉「受動態」と「現在完了」です。

a.  The restaurant was opened at 10:00 a.m.
(レストランは朝の10時に開かれた。▶︎開店した。)→受動態

b. I have just finished my homework.
(私はちょうど宿題を終わったところです。)→現在完了

▶︎ a の文では、
be動詞+過去分詞(opened) の形で、
「〜開かれた」という「受動態」の文になっています。

▶︎ b の文では
have +過去分詞(finished) の形で、
「たった今、宿題が終わったばかりだ」という現在完了(完了)の文になっています。

このように、過去分詞は
① be動詞を伴うことにより、「受動態」
② have/has を伴うことにより、「現在完了」
を表現し、「動詞」の機能を果たしているのです。

②「形容詞」の機能

・この過去分詞は、「形容詞」のように
名詞に説明する機能もあります。

a. Don’t touch that broken door.
(あの壊れた戸に触らないで。)

b. Emi was happy to see a watch bought by Tom.
(エミはトムによって買われた腕時計を見て、喜んだ。)

 

▶︎ a の文では、
過去分詞(broken) がその後ろの名詞(door) を
形容詞のように説明してます。

▶︎ b の文では
過去分詞を伴うひとかたまり(bought by Tom) がその前の名詞(a watch)
に説明を加えています。

このように、
過去分詞は、名詞の前後に置くことにより、
その名詞を形容詞のように説明を加えることができます。

 

これで「動詞語形変化」については終了です。

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