動詞を知る〜④「一般動詞」の性格・・・自動詞と他動詞

今回は、「一般動詞」の基本的な特徴を見て行きましょう。

『動詞を知る~①「動詞」の性格』では、
「動詞」が何を表現するのかを説明をしました。

一般動詞は3つの「動き」を表現

「一般動詞」は、「動き」を示す言葉で、
基本的には、次の3つの動きを表現します。

①体の動き
②頭・心の動き
③動きがない(状態を示す)

そして、この「動詞」が核となり、英文の「語順」を決定していくことになる。
このような「文の構成」が日本語にはない(よく言えば自由なのですが)ので、
この部分をしっかり押さえていくことが、英語を上達するポイントとなるのです。

・「一般動詞」は、
先ほどいったように「動作」や「状態」を表現するので、

①「動作」や「状態」の主体が必要です・・・主語
②「動作」が働きかけを与えたり、影響したりする対象が必要です・・・目的語
③どんな「状態」なのかを説明することばが必要です・・・補語
などが、その意味に合わせて必要に応じて「指定」されるわけです。

すなわち、
「英文の構成」の仕方は、
まず最初に
「主語」と「動詞」が最初に決定され、
「表現しようとする内容」に応じて、
その「動詞」が必要とする「文型」を命じて、「語順」が決定されのです。

結局、
「一般動詞」の特徴が、「必要な意味」に応じて、
それに一番あった「文型」を決定しているのです。

「一般動詞」が、その文型を決定する

このことをまとめると次のようになります。

主 語

動 詞

➡「表現したい内容」に応じて、必要な文型を指定
 「動作」の主体  3つの動き
・体の動き
・頭・心の動き
・状態を示す

【英文の核】

①何もなし・・・第1文型(SV)を構成
※ただし、「一般動詞」の後に前置詞がくる場合あり
②目的語・・・第2文型(SVO)を構成
1) その後に④目的語を指定すると
・・・第4文型(SVOO)を構成
2) その後に⑤補語を指定すると
・・・第5文型(SVOC)を構成
③補語・・・第3文型(SVC)を構成
(前回説明した「オーバーラッピング型」のことです。)

③補語 については前回のブログで話題に取り上げたので
今回は割愛します。ですから、

①と②を比べてみましょう。

①と②の大きな違いは、
「目的語」を取るかどうかです。

一般的には、
・目的語を取らない一般動詞を・・・自動詞(第1文型SV<自動型>を構成)
・目的語を取る一般動詞を・・・・・他動詞(第2文型SVO<他動型>を構成)
と言います。

この2つを確認しましょう。

①「目的語」を取らない・・・自動詞

・「目的語」を取らない、ということは、
☞「その動詞」だけで文が成立している、ということです。

「一般動詞」は、何らかの「動き」を表現するもの(品詞)なので、
この文型は、「動きだけ」を表現することになります。

第1文型(SV):自動詞・・・「動きだけ」を表現する

例を挙げます。
※(  )内は動詞の状態を説明する語句(修飾語句)なので、
「文型」には関係ありません。

ex.1  Tom can run (very fast).
<トムは(とても速く)泳ぐことができる。>
→「走る」という「動作」について表現

ex.2  Emi smiled.
<エミは微笑んだ。>
→「微笑む」という過去の「動作」について表現

ex.3  They swam (very well).
<彼らは(とても上手に)泳いだ。>
→「泳ぐ」という過去の「動作」について表現

このように、
基本的には、第1文型を構成する「自動詞」は、
「単なる動作」を表現するのです。
(「単なる動作」は、「ラジオ英会話」の表現から)

この「単なる動作」に様々な「方向性」を加えるのが前置詞です。

「自動詞」+前置詞+~ で「様々な動作」を表現

・「自動詞」は、「単なる動作」を表現するのですが、
それが、前置詞を伴うことにより、様々なニュアンスを意味する
ことができます。

例えば、look を取りあげましょう。
・look は「自動詞」で、前置詞がなくても、よく命令文で使われます。
“Look”” は「見て!」という意味で、「見る、動作をして!」
というニュアンスになります。
しかし、この look はほとんどは前置詞を伴って、
「様々な動作」を表現しています。

[1] look at
at は「点」を示します →「限定された点を見る」という意味
[2] look for
for は「~を求めて」を意味します
→「~を求めてみる・・・探す」という意味
[3] look through
through は「(トンネル状のものを)通して」というイメージ
→「目を通す」という意味
[4] look after
after は「~の後」を意味します
→「~の後を見る・・・世話をする」という意味

このように、「自動詞」は、前置詞を伴うことにより、
同じ「動詞」でも、その意味に関わる「様々な表現」を意味する
ことができるのです。

②「目的語」を取る・・・他動詞

・動詞の後に「目的語」が来る、ということは、
☞「自動詞」と違って、「動詞」がその「目的語」の影響を及ぼす
ことになります。

このような「他動詞」は、その働きかけや影響を「目的語」に与える
「品詞」であり、「自動詞」と違い「単なる動作」を意味するのではありません。ここが大きな違い!

第2文型(SV):他動詞・・・その対象(目的語)に動詞の働きかけが及ぶ
(第4、5文型もありますが、それは別に扱います。)

例を挙げます。
赤字が「他動詞」で、青字が働きかけやその影響を受ける「目的語」です。

[1] Can you see the birds over there?
☞ the birds が see の働きかけをうける
・・・ the birds が「何であるかを理解してー見る」
[2] I like this dog.
☞ this dog が like の働きかけをうける
・・・this dog が「どんなものか理解してー好む」
[3] His mother runs this shop.
☞ this shop が run の働きかけをうける
・・this shop を「何とかして走らせるー経営する」
[4] We watched the baseball match together.
☞ the baseball match が watch の働きかけをうける
・・・the baseball match を「興味・関心をもってー見た」

このように、動詞(他動詞)が「目的語」をその直後に置くというのは、
それだけ、「動詞の強い影響を受ける」ことを意味し、
そこには、「対象(目的語)への、理解、愛情、興味・関心」が存在するのです。

この部分が、「動作だけ」を示す、自動詞と大きな違いなのです。

ニュアンスの違いを確認しよう

この自動詞と他動詞のニュアンスの違いを「ラジオ英会話」で
取り上げているので、それに自分なりの解釈も含めて説明します。
※黄色いマーカー:自動詞+前置詞、赤字:他動詞、青字:目的語

【「到着する」-arrive, get, reach の違い】

a. I arrived at Hirosaki yesterday.
☞「弘前」という「限定された地点(at)」に「着いた」という「動作だけ」

b. I got to Hirosaki.
☞「弘前」に「向けて動いて(to)」「弘前を得た→着いた」という「動作だけ」

c. I reached Hirosaki.
☞ reach は「手が届く」というイメージ。「弘前に、いろいろあったがやっと着いた」というニュアンス

【「見る」ーlook, see, watch の違い】

a. Look at those boys playing over there.
☞「向こうで遊んでいる少年たち」の方向に「視線を向けて」という「動作だけ」

b. Can you see them?
☞その「彼ら」がきちんと遊んでいるということも「わかる」かというニュアンス

c. Did you watch them?
☞その「彼ら」が遊んでいる動いている様子を「興味をもって見続けたか」というニュアンス

このような「感覚」の違いを少しずつ理解していくことが、
英文法の理解へとつながってくるのです。

今回はここまで。

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