・今回は、関係代名詞 what を扱います。
この what は、一般的な関係代名詞の一覧表には出てきません。
(下記の表は、よくある関係代名詞の一覧表です。)
先行詞 | 主格(~は) | 所有格(~の) | 目的格(~を/に) |
人 | who | whose | who(m) |
もの | which | whose | which |
人・もの | that | ー | that |
なぜ、この表に what は出てこないのか?
・これが、関係代名詞 what の一番の特徴なのですが、
関係代名詞 what には「先行詞」を必要としないからなのです。
▶︎ 一般的に、関係代名詞 what は
「〜すること/ もの」という意味で、関係代名詞 that で書き換えると
the thing(s) that とほぼ同じなのです。
(※the thing(s) が先行詞で、that が関係代名詞です。)
👉つまり、関係代名詞 what は、その what の中にもうすでに
「先行詞」が含まれていると、考えるといいわけで、そのため、
別に、新たな「先行詞」を必要としないのです。
先行詞がない関係代名詞 what
例文を挙げます。
ex.1 What is the most important is to be in good health.
(最も大事なことは、健康であることだ。)
▶︎赤字の部分が「関係代名詞 what から始まる名詞節」です。
① “The thing that is the most important” と書き換えることもできます
② 赤字の部分は、文全体で言うと、「主語」の働きをしています。
ex.2 Could you understand what they said?
(あなたは彼らが行ったことをできましたか。)
▶︎赤字の部分が「関係代名詞 what から始まる名詞節」です。
① “the things that they said” と書き換えることもできます。
② 赤字の部分は、文全体で言うと、understand の「目的語」の働きをしています。
ex.3 This is what happened to me yesterday.
(これが私に昨日起こったことです。)
▶︎赤字の部分が「関係代名詞 what から始まる名詞節」です。
① “the thing(s) that happened to me yesterday” と書き換えることもできます。
② 赤字の部分は、文全体で言うと、「補語」の働きをしています。
👉このように、
「関係代名詞 what から始める名詞節」は、英文の中で、
「主語」「目的語」「補語」の役割を果たすことができます。
この what、 関係代名詞なの?それともwh疑問詞?
・what には、
①関係代名詞の働き もしますが、
②wh 疑問詞の働き ももちろんします。
what が、
②wh 疑問詞 として、wh 疑問文を作ると、例えばこんな風になります。
ex.1 What did he see then?
(彼は何を見ましたか。)
ex.2 What are you doing?
(あなたは何をしているのですか。)
ex.3 What made you so angry?
(何があなたをそんなに怒らせたのですか。)
▶︎このように、wh 疑問詞 として、
wh疑問文を作る場合は、
基本的に、
What +疑問文? の形になります。
ただし、ex.3 のように、what が主語となる場合は、
What +動詞+〜? の形となります。
ところが、
この ex.1 〜 ex.3 が文の一部になると wh疑問文が、wh節となり、
語順が、【what +主語(what が主語の場合はなくなる)+動詞〜】となり
文の一部となります。(間接疑問文とも言います)
ex.1 〜 ex.3 のwh疑問文 を文の一部(wh節)にします。
ex.1 What did he see then?
👉 I don’t know [what] he saw then.
ex.2 What did you do there?
👉I can’t understand [what] you did there.
ex.3 What made you so angry?
👉 Please tell me [what] made you so angry.
こららの what は、すべて wh疑問詞?
・wh疑問文を、文の一部にしたのだから、
すべて、wh疑問詞のはずですが・・・・・・。
▶︎そこで、
関係代名詞 what は、ほぼ thing(s) that と同じだと言うことなので、
上記の ex.1 〜 ex.3 の英文の what を the thing(s) that に置き換えてみます。
ex.1 I don’t know [what] he saw then.
👉 I don’t know the things that he saw then.
意味:「私は彼がその時見たものがわからない。」
ex.2 I can’t believe [what] you did there.
👉 I can’t believe the thing that you did there.
意味:「私はあなたがそこでしたことを理解できない。」
ex.3 Please tell me [what] made you so angry.
👉Please tell me the thing that made you so angry.
意味:「私にあなたをそんなに怒らせたことを教えてください。」
※日本語として少し違和感あり。
それぞれの例文を判定します!
◎ ex.1 について
wh疑問詞 だとすると、
「私は彼がその時に何を見たのかわからない。」となります。
関係代名詞 what としてのニュアンスも、ほぼ同じで、
👉この英文の what は、「関係代名詞」とも「wh疑問詞」とも解釈できます。
◎ ex.2 について
wh 疑問詞だとすると
「私はあなたがそこで何をしたのかを信じることができない。」となります。
👉動詞の believe が「〜ということを▶︎信じる」と言うニュアンスを目的語にとるものなので、ここの what は「関係代名詞」です。
◎ ex.3 について
wh 疑問詞だとすると
「何があなたをそんなに怒らせたのかを私に教えてください。」となります。
👉動詞の tell が「知らない情報を伝える」と言うニュアンスがあるので、
この英文の what は「wh疑問詞」です。
個人的な意見ですが、
what は確かに「関係代名詞」としての働きもするのですが、
以上の判定から見ると、
それに伴う「動詞」の特徴によって、
その what が「関係代名詞」か「wh疑問詞」が決まるようです。
参考書などを調べると、
◎ understand, remember, know などは、
▶︎どちらかを区別することが難しい。
◎ believe(事実に対する強い気持ちを意味する動詞)など、
▶︎ 関係代名詞 としての働きをする。
◎ ask, tell, show (知らない情報の伝達を意味する動詞)などは、
▶︎ wh疑問詞 としての働きをする。
となるようです。
関係代名詞 what は、当然 wh疑問詞 what とも密接な関係があり、
その区別は、一緒に使われる動詞やその英文の意味によって
判断されます。
(個人的は、あまりその区別にこだわる必要はないと思います。)
今回はここまで。
※高校での関係代名詞については、下記の記事があります。
興味がある方はどうぞクリックしてご覧ください。
関係代名詞ーwhose①
関係代名詞ーwhose②
関係代名詞ーwhat
関係代名詞ーコンマの有無
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