冠詞と名詞の4回目。
今回は、「数えられる名詞」と「数えられない名詞」の「その2」で
「数えられる名詞」と「数えられない名詞」の
「数・量」に関する表現について説明します。
※ここから、
「数えられる名詞」を▶️「可算名詞」
「数えられない名詞」を▶️「不可算名詞」と
表記して行きます。
まずは、前回の確認です。
可算名詞と不可算名詞の区別の仕方
「可算名詞」と「不可算名詞」との区別の仕方は、
「具体的で決まった形」が1つ、2つと見えるか、どうか
です。
その形を、
「頭の中で思い描いて見てください。」
その形が1つ、2つとはっきりと区別して見えるものは、
可算名詞です。
その形が、
たくさんの種類がある「カテゴリー」だったり、
「一連の動作や連続体」で
1つ、2つとはっきりと区別して見えないものは、
不可算名詞です。
今回は、
この「可算名詞」と「不可算名詞」の更に
具体的な使い方を見てみましょう。
「多い」「少ない」の表現
・「可算名詞」と「不可算名詞」では、
「多い」「少ない」を表現する時の表現も違います。
▶︎「可算名詞」は「1個、2個」とその「数」を「多い」「少ない」
▶︎「不可算名詞」は、その「量(かさ)」の「多い」「少ない」
〜と表現するからです。
👉「可算名詞」の例を friend で示します。
ex.1 I have many friends.(たくさんの友達がいます。)
→ many +可算名詞の複数形
ex.2 I have a few friends.(数人の友達がいます。)
→ a few +可算名詞の複数形
◎a few の a を取ると、「少ししか(ほとんど)ない」という否定的な意味に
なります。[ I have few friends.(ほとんど友達がいません。)]
👉「不可算名詞」の例を money で示します。
ex.3 I have much money.(たくさんお金をもっています。)
→ much +不可算名詞
ex.4 I have a little money(少しお金をもっています。)
→ a little +不可算名詞
◎ a little の a を取ると、few と同じように「少ししか(ほとんど)ない」という否定的な意味になります。
[ I have little money.(ほとんどお金をもっていません。)]
便利な a lot of / lots of
・他に中学校でよく使われる
「たくさんの」という意味の a lot of ( lots of でも同じです)は、
なんと「可算名詞」でも「不可算名詞」でも使われる便利な言葉です。
上記の ex.1 であれば、
➡︎ I have a lot of (many ) friends. でもOKです。
同じように ex.3 であれば、
➡︎ I hae lots of (much) money. でもOKです。
ここまでをまとめると次のようになります。
可算名詞 [数えられる名詞:数] |
不可算名詞 [数えられない:量] |
どちらもOK | |
多い | many friends | much money | a lot of / lots of |
少しはある | a few friends | a little money | なし |
少しもない | few friends | little money | なし |
それでは、some と any と
「可算名詞」「不可算名詞」との関係はどうなのでしょうか?
some と any
・some と any の基本的な意味は、
「冠詞と名詞①」でも取り上げましたが、再確認すると
次のようになります。
◎ some の基本的な意味は、 ➡︎「〜というのもある / いる」 ◎ any の基本的な意味は、 ➡︎「与えられたもののどれを選んでも良い」 |
そうすると、
この some と any は「可算名詞」でも、「不可算名詞」でも
同じように使われるのでしょうか。
まずは、some の使い方を!
・最初に例文を見て行きましょう。
ex.5 There are some pencils on the desk.(鉛筆がある。)
→ some +可算名詞の複数形
ex.6 I want some water.(いくらか水が欲しい。)
→ some +不可算名詞
👉 some には「いくつかの」と「数」を限定するような意味はなく、
「〜というのもある/いる」のように、数も量も「ぼんやり」とした
もの・人を示す時に使われる言葉なので、
「可算名詞」でも「不可算名詞」でも使われます。
some と疑問文
・実はこの some は、「疑問文」でもよく使われいます。
ex.7 Would you like some tea?(お茶はいかかがですか。)
→ some +不可算名詞
ex.8 Do you need some help?(助けが必要ですか。)
→ some +不可算名詞
ex.7 のように、
相手に対して「何かを勧めた」り、
ex.8 のように、
おそらく相手が Yes と答えるだろう、と推測される場合は、
「疑問文」でも some を使う場合があります。
◎中学校では、よく ex,7 の「相手に何かを勧める」場合の
表現として some が使う例が使われます。
any の場合はどうでしょう?
・some と同じようにまずは例文を!
ex.9 Do you have any records?(何かレコードをもってますか。)
→ any +可算名詞の複数形
ex.10 Do you have any water? (水がありますか。)
→ any +不可算名詞
次は否定文での例文を!
ex.11 I don’t like any pigs.(どんな豚も好きではない。)
→ any +可算名詞の複数形
ex.12 I don’t need any advice. (どんなアドバイスもいらない。)
→ any +不可算名詞
👉 some と同じように、any もはっきりした「数」を示すのではなく、
「どれを選んでも良い」というニュアンスなので、
「可算名詞」でも「不可算名詞」でも使われます。
any と肯定文
・any があえて「肯定文」で使われる場合は、
any のもつ「どれでも良い」が特に強調される場合です。
ex.13 Any student here can answer this question.
(ここにいるどの生徒でもこの質問に答えることができる。)
ex.14 Choose any card.
(どれでもいいので一枚カードを選んでください。)
ex.13 の student も ex.14 の card も可算名詞ですが、
「any +可算名詞の単数形」の形で用いられています。
▶︎この場合は「全員の生徒の中からどの生徒を1名選んでもその生徒は」
「ここにある全てのカードの中からどれを1枚選んでも」という、
「どの人」「どのカード」を選んでも、ということを特に強調していることを
意味します。
( any students でも any cards でも間違いではありません。
※ただし、any cards で、「複数」のカードを選んでもいい、という
ニュアンスになるので、「手品」では使えませんね。)
今回はここまで。
「冠詞と名詞」は、「①」から「⑤」まであります。
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