冠詞と名詞〜③数えられる名詞と数えられない名詞

冠詞と名詞の3回目。
今回は、
「数えられる名詞」と「数えられない名詞」について
見ていきます。

中学校でも、
「数えられない名詞」として、
water, money, tea, food, fruit などは
テキストに出てきますが、教科書では
詳しく説明されていません。

この辺りをある程度、
はっきりさせて「名詞」をしっかりと使えるようにしましょう。

「数えられる」「数えられない」って?

・日本語では、
「数えられる」「数えられない」ということを名詞を
使う時は、気にしません。それは、以前お話したように
「複数形」「単数形」にあまり注意を払わないと同じです。

その代わりに、
「数え方」にこだわります。
▶︎1匹、2頭、3個、4冊、5本、6台、7羽、8枚 などなど
(使う名詞によって、「数え方」が違うのです。)

・英語では、
「数え方」は、基本的に同じ。
▶︎数字+複数形 で表現します。

しかし、
そこに
「数えられる」「数えられない」名詞、というのが
出てくるので、難しくなります。

この
「数えられる」「数えられない」は
どのように区別すればいいのでしょう?

「数えられる」「数えられない」名詞の区別は?

・英語では、
一般的にもの」を表現する場合は、
複数形を用います。(冠詞と名詞〜①から)

▶︎そうすると、逆に
英語では「単数」は「特別な数、扱い」をされている
ということです。
👉そのため「単数」のものが初めて会話に出てくる場合は、
その直前に a/an をつけることになっています。

▶︎このように
「単数」「複数形」と考える時点で、
その名詞は、「数えられる名詞」ということも
確認しましょう。

「数えられる名詞」では、a/an +単数形

・上記からもわかるように、
数えられる名詞」では、a/an +単数形
数えられない名詞」では、当然 a/an をつけられません

▶︎この a/an の役割を明確にすることが、
そのまま、「数えられる」名詞と「数えられない」名詞との区別に
つながります。

a/an の役割は、
①会話に新しい話題を投げ込む
(「相手」がその「話題」を特定できないもの)
②その話題が「具体的で決まった形」が明確に1つである
〜の2つなのです。

特に
「具体的で決まった形」が明確に1つである、という部分が
「数えられる」「数えられない」名詞の区別
つながります。

「具体的で決まった形」が見えるかどうか

・このように
「具体的で決まった形」があり、1つ、2つと数えられる名詞を、
👉「数えられる名詞」と言います。

例えば、
卵(🥚)であれば、
「具体的で決まった形」が明確で、そのまま1つ、2つと
数えることができます。
1つの卵= an egg(an+単数形)
2つの卵= two eggs(two+複数形)

このような名詞を、
「数えられる名詞」と言います。

▶︎一方「数えられない名詞」とは、
その逆「具体的で決まった形」が見えない名詞のことです。

これでは、少しわかりにくいので、
もう少し、具体的にその特徴を説明しましょう。

「カテゴリー」と「連続体」は、「数えられない」

・「カテゴリー」と「連続体」は、なぜ「数えられない」のか?

👉「カテゴリー」とは、
例えば、「家具」や「お金」「飲み物」「食べ物」であれば、
カテゴリーが様々なものを含むので、「1つの具体的な形」が見えません。
「家具:furniture」であれば=ソファ、カーテン、テーブルなどなど
「お金:money」であれば=1000円札、100円玉、などなど
「飲み物:drink」であれば=水、炭酸、アルコール、などなど
「食べ物:food」であれば=魚、肉、パスタ、麺類、パン、お米、などなど
▶︎これでは、1つものに限定することはできませんね。
そのため、a/an +単数形 の形が取れないのです。

👉「連続体」とは、
例えば、「雨」や「空気」、「スポーツ名」、「朝食」などの食事であれば、
1つに「区切り」ことができない、「連続」しているもの、または動作です。
「雨:rain」であれば=どこから、どこまでが1つのまとまりと区切れません
「空気:air」も=1つのまとまりと区切れない連続体です
「スポーツ名」
→ 例えば[野球:baseball]であれば=様々な動き、動作などが一定のルールに基づいて行われるスポーツのため、1つのまとまりとして区切れません
「朝食、昼食、夕食」
→ 日本食であれば、味噌汁を飲み、おかずを食べ、ご飯も頂く。そのために、様々な活動(咀嚼、消化、味わうなど)が「連続体」として行われます
▶︎このように「区切れないもの」「一連の動作」を称して言う名詞に関しては、
「具体的で1つに決まった形」にすることができないので、
「数えられない」のです。

まとめ

「数えられる名詞」と「数えられない名詞」との区別の仕方は、

「具体的で決まった形」が1つ、2つと見えるか、どうか
です。

その形を、
「頭の中で思い描いて見てください。」

その形が1つ、2つとはっきりと区別して見えるものは、
👉「数えられる」名詞です。

その形が、
たくさんの種類がある「カテゴリー」だったり、
「一連の動作や連続体」で
1つ、2つとはっきりと区別して見えないものは、
👉「数えられない」名詞です。

では、質問です。
Q:cheese, paper, bread は「数えられる」名詞ですか?
A:3つとも「数えられない」名詞です。
▶︎cheese, paper, bread どれも様々な種類があるものなので、
・「カテゴリー」の一種と考えて、「数えられない」名詞と判断してもOK。
・もう1つの考えとしては、
「チーズ」「紙」「パン」どれも、元々のものは「不定形(決まった形がない)」で、それを人間が手を加えて、「ある形」にしただけなので、「数えられない」と
「数えられない」と考えてもいいと思います。

「数えられる」名詞の基本的な使い方

・基本的な使い方を
ball を使って示して見ます。

▶︎「私は(1個の)ボールを持っています。」
I have a ball. 👉 a +単数形
▶︎「私は2個のボールを持っています。」
I have two balls. 👉 two +複数形

「数えられる名詞」の基本的な使い方
①新しい話題として1個のものを取り上げる場合は、a/an +単数形
②2個以上の場合は、必ず複数形を用いる
③「数えられる名詞」に、何もつけずに使うことはない。
▶️ I have 🔲 ball.(ball の前に「何もつかない」ことはない。)

「数えられない」名詞の基本的な使い方

・基本的な使い方を
rain を使って示します。

▶︎「雨が降りそうだ。」
It looks like rain. 👉rain の前には何も使いない。
▶︎「去年はたくさん雨が降った。」
We had a lot of rain last year. 👉a lot of をつけても複数形にならない
(もちろん、数えられないので two rain という表現もできません。)
▶︎「雨が降っている。」
Rain is falling. 👉rain は数えられない名詞なので、主語になる場合は単数扱い

「数えられない名詞」の基本的な使い方
①「数えられない」ので、その直前には何もつけない。
②複数形はない。
②「たくさんの」などの表現を加えたい場合は、
その「名詞」の前に、適切な表現を加える。ただし、それでも
複数形になることはない。( a lot of rain )

今回は、ここまで。

「冠詞と名詞」は、「①」から「⑤」まであります。
次の「④」の記事も読みたい方は、下記をクリックしてください。

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