今回で未来完了形の最後です。
未来完了形は、
「will +完了形」で、
→「現在または過去」から「未来」までをつないで、その「未来」への影響を表現
する形です。
実は、
この「完了形」は、
will 以外の「助動詞」と組み合わせることもできます。
will 以外の助動詞と完了形の組み合わせ
「完了形」は、基本的に
「過去と現在」をつなげて、「現在」を視点としてその影響を表現する形です。
それが
「過去進行形」であれば、「過去B(大過去)」と「過去A」をつなげて、「過去A」を視点としてその影響を表現し、
「未来完了形」は will を用いることにより、「現在または過去」と「未来」をつなげて、「未来」を視点としてその影響を表現します。
will 以外の助動詞と完了形の組み合わせは、
基本的に「過去と現在」をつなげて、「現在」を視点としてその影響を表現する形になります。
※助動詞 will はすこし他の助動詞と比べ特異な助動詞で、それ1つで「未来」の時制を表現できるからです。
その影響の仕方で、2種類のものを表現します。
①「過去のこと」に対して「現在」の時点での「推量」 ②「過去のこと」に対して「現在」の時点で「非難・後悔」 |
それぞれに分けて、見てみましょう。
①「過去のこと」への「現在」の時点での「推量」
肯定の形と、否定形での表現の仕方があります。
肯定の形
[1] may +have 過去分詞
・助動詞 may には「〜かもしれない」という意味があるので、この形では
「〜したかもしれない / 〜だったかもしれない」という
→「過去を振り返って」の推量を意味します。
※may にはその他に「許可」を示す意味もありますが、それは「過去」と親和性が弱い
(基本的に「許可」を与えるような行為は、「今、現在」にするものだから)ので、
「〜してもよかった」などの意味にはなりません。
⭐️might +have 過去分詞 の形でもほぼ同じ意味です。
◎ I may have heard that song before.
「私はあの歌を以前に聞いたことがあったかもしれない。」
[2] must +have 過去分詞
・助動詞 must には「〜に違いない」という意味があるので、この形では
「〜したに違いない / 〜だったに違いない」という
→「過去を振り返って」の強い推量を意味します。
※must には「義務」「禁止」などの意味もありますが、これも「過去」と親和性が弱い(強い圧力を与える表現で、「今、現在」その場でなされなければならない、というニュアンスを持ちます。だから、must には過去形はなく、had to +動詞の原形という別な表現を用いるようです。)ので、この形では「義務」「禁止」を意味しません。
◎ She must have told the truth at that time.
「彼女はあの時真実を語っていたに違いない。」
[3] could +have 過去分詞
・助動詞 can / could には「〜はありゆる / 可能性がある」という意味があるので、
この形では「〜したかもしれない / 〜だったかもしれない」という
→「過去を振り返って」の推量を意味します。
※この意味では、can を用いることはありません。
( can には「能力を示」したり、「許可」を表現したりなど、「今、現在」または「普遍的なもの(能力)」を意味するのに使われることが多いので、「過去」に対する推量には、could を用いるようになったのかもしれません。)
◎ The wallet could hav fallen out of your pocket.
「財布はあなたのポケットから落ちたのかもしれない。」
[4] should +have 過去分詞その1
・助動詞 should には、「〜すべきである」という意味があるので、この形では
「(きっと)〜したはずだ」という
→「過去のことを振り返って」の推量を意味します。
※この形は文脈によっては「〜しべきだったのに(実際はしなかった)」という意味になるときもあります。(👉should +have 過去分詞その2)
◎ The concert should have started at 7.
「そのコンサートは7時に始まったはずだ。」
否定の形
[1] cannot (can’t) +have 過去分詞
・助動詞 can が持つ「可能性」を強く否定する形で、
「〜したはずがない / 〜だったはずがない」という
→「過去のことを振り返って」の強い否定の推量を意味します。
🌟could not (couldn’t) +have 過去分詞 でもほぼ同じ意味です。
◎ I cannot have forgotten your birthday.
「私があなたの誕生日を忘れたはずがない。」
②「過去のこと」への「現在」の時点での「非難・後悔」
助動詞 should(〜した方が良い)、助動詞 need(〜する必要がある)の どちらも、 →相手に対して「助言、アドバイス」する表現なので、 それが have +過去分詞 と組み合わせることによって、 「だから、過去にーアドバイスしたじゃない、もう・・・」のような 反語的に、「非難」や「後悔」のニュアンスを含むようになったようです。 |
肯定の形
[1] should +have 過去分詞その2
・この表現は、上記ですでに扱ったように「推量」も意味するのですが、
「〜すべきだったのに(実際はしなかった)」という意味もあり
→「過去のこと」への非難や後悔の気持ちも意味します。
※文脈によって、反語的の意味にも解釈されるということです。
⭐️ought to +have 過去分詞 の形でもほぼ同じ意味です。
◎ My grandmother should have gone to the hospital earlier.
「祖母はもっと早く病院へ行くべきだったのに。」
否定の形
[1] should not +have 過去分詞
・純粋に「肯定」の should +have 過去分詞その2 の否定形で
「〜すべきではなかったのに(実際はしてしまった)」という意味で
→「過去のことで」しなかったことへの非難や後悔も気持ちを意味します。
⭐️ought not to +have 過去分詞 の形でもほぼ同じ意味です。
◎ You should not have believed what that man said.
「あなたはあの男の言ったことを信じるべきではなかったのに。」
[2] need not +have 過去分詞
・助動詞 need は「〜する必要がある」という意味なので、
「〜する必要はなかったのに(実際にしてしまった)」という
→「過去のこと」への非難や後悔の気持ちを表現します。
・need not の短縮形 needn’t も使えます。
◎ My brother need not to have stayed up late last night.
「私の兄は昨夜徹夜をする必要はなかったのに。」
今回はここまで。
「未来完了」に関わる記事は、他に下記の5つもあります。
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未来完了〜現在完了、過去完了との違い
未来完了①完了・結果
未来完了②継続
未来完了③経験
未来完了進行形とは・・・
完了形には全部で4つのカテゴリーがあります。
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