いかに「見せるか」「見せないか」
ICT活用の土台は、
教材への深い理解に基づき、
機器を用いて、
いかに題材を「見せるか」または「見せないか」です。
例えば、
シンプルな使い方として、
フラッシュカードの機能を使う場合もあります。
従来のフラッシュカード
英語の授業では、
従来、教師が各自で用紙を用いて
それぞれの題材に合わせた「フラッシュカード」を作成して
指導を行ってきました。
しかし、
ICTを用いてのフラッシュカード機能を活用したデータを
一度作成してしまうと、
教師が互いに、そのデータを共有し、
誰もが、簡単に、指導することができます。
まさに、ICT活用は教師の負担を減らすのだ!
と思えます。
しかし、紙のフラッシュカードの良い点としては、
授業を進めていく中で、生徒の習熟の度合いを
その場で判断して、必要であれば、すぐに
もう一度繰り返すことが、容易にできます。
また、 何かを付け加えて英語を言う練習をする場合も、
直接フラッシュカードに必要な部分を加えて、その場に応じた
練習ができます。
もし、それを電子黒板を使用して行おうとすると、
操作や、データのインプットもあるので、
その場で対応しにくい、という短所があります。
思考過程を「残す」黒板は無くならない
また、今までのノートづくりを見てみると、
教科書の部分や、ノートのアンダーライン、マーカーの箇所
などを、1つ1つ口頭で指示していたのが、
電子黒板を用いると、「画面」で提示できるので
生徒たちにすれば、ノートづくりをするのに
「わかりやすく」かつ「見やすく」作業を効率的に
進めることができるようになります。
しかし、それではICTだけで、授業を進めればいいのか?
というと・・・・
堀田先生もおっしゃっていましたが、
ICTの弱点は、
提示したものが「残らない(すぐに画面が切り替わってしまうため)」
すなわち、「授業の思考過程がわからない(残らない)」部分です。
そのため、
「思考過程を残した黒板」はどうしても必要になってくるのです。
つまり、生徒の思考や活動をサポートするICTを活用する
とともに、授業の流れを示した黒板は併用されなければいけないのです。
そのため、堀田先生は、
どんなにICTが進化していっても、
黒板は今後もなくならないだろう、と言っていました。
(これからも黒板の活用の仕方は重要である
ということですね。)
ICT活用の「肝」
ICTは、あくまでも生徒の理解・活動のサポート・手段
であり、「目的」でないことを肝に銘じながら
①教材研究に励み
②指導力を高めると同時に
③生徒の学習規律も身に付けさせて
ー学習規律を身に付けさせることは、授業の土台であると
堀田先生もおっしゃっていましたー
④ICTで「いかに見せるか、見せないか」
を考えながら授業を構成していかなければ
いけないのです。
こういう過程を考えないで、
「形」だけのICT活用を
(子どもたちが、授業中にタブレットをもって、
積極的に授業に参加している様子だけを見て)
求めて、
上記の①から③をすっとばして
④だけをやろうとすると、
授業でのICT活用は失敗するのです。
文部科学省も、教育委員会もこのような視点を
しっかりもって、教育行政をすすめていって
ほしいものです。
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