今回から、
「比較」について取り上げます。
英語で「比較」と言えば、
すぐに、
as ….. as、
比較級、
最上級
と思い出す人も多いかと思いますが、
まず、最初は
形容詞、副詞の話から。
比較って、何を「比較」するのか?
比較とは、
2つ以上のものを「比較」する時に使われる表現全体
を指すのですが、一体「何」を比較しているのでしょうか?
例えば、こんな英文がありますよね。
① Ken is as old as Emi.
② Tom can run faster than Bob.
それぞれの英文を解説すると
①は「トムはエミと同じくらいのとしです。」
という意味で、as 〜 as の間には old という
形容詞があり、「年齢の度合い」を比較しています。
②は「トムはボブより速く走ることができる。」
という意味で、fast という副詞が、faster という
形に変わって(比較級)、「速さの度合い」を
比較しています。
このように、
よく考えると当たり前なのですが、
英語の「比較」というのは、
①形容詞(名詞を説明/修飾する言葉)
②副詞(名詞以外を説明/修飾する言葉)
を「比較」している形のことを言うのでです。
「比較」は、形容詞と副詞に特有の表現方法です。 |
それでは、
この「比較」という表現は特別な文の形を必要とするのでしょうか?
「比較」の時の文の形(語順)は変わるの?
英語は「語順(文の形)」で「意味」が決まる言語ですが、
この「比較」の表現をする時、何か特別な語順があるのでしょうか?
例文を挙げます。
③ Your computer is newer than mine.
「あなたのコンピュータは私のものより新しい。」
④ Iguazu Falls is the widest waterfall in the world.
「イグアスの滝は世界で一番広い滝です。」
⑤ May got up the earliest in her family yesterday.
「メイは昨日家族の中で一番早く起きた。」
それぞれ分析しましょう。
③の英文は、もともとは
Your computer is new. で
それに「比較する相手」加えて、
Your computer is newer than mine.
となっただけで、基本の文の形(語順)は変わっていません。
④の英文は、もともとは
Iguazu Falls is a wide waterfall. で
それに「世界で一番」という意味を加えて
Iguazu Falls is the widest waterfall in the world.
となっただけで、基本の文の形(語順)は変わっていません。
⑤の英文も、もともとは
May got up early yesterday.で
それに「家族で一番」という意味を加えて
May got up the earliest in her family yesterday.
となっただけで、基本の文の形(語順)は変わってません。
※黄色いマーカーの部分:形容詞、副詞が変わった部分
※青字の部分:付け加えらた表現
このように「比較」表現をする場合は、
語順はそのままで、形容詞、副詞がそれぞれの「比較」に応じた形に
変化するだけである、ということも押さえておきましょう。
「比較」の表現は、特別な語順を必要としない。 形容詞、副詞だけがその「比較」に応じた形に変化するだけ。 |
「比較」する時に必要な「形」とは?
「比較」の表現をする時には、
形容詞・副詞の3つの形を覚えておかなくていけません。
その形とは、
原級ー比較級ー最上級 の3つです。
それぞれの形は次の表現の場合使います。
原 級:2者を比べて同程度の表現(〜と同じくらい)使われる形
👉 ex.1 I am as busy as Ken.
「私はケンと同じくらい忙しい。」
比較級:2者を比べて差がある場合(より〜だ)使われる形
👉 ex.2 I am busier than you.
「私はあなたより忙しい。」
最上級:3者以上を比べて「一番〜だ」と表現する場合使われる形
👉 ex.3 I am the busiest in my family.
「私は家族の中で一番忙しい。」
このように
「忙しい:busy」という形容詞を用いて「比較」する場合は、
busy(原級)ーbusier(比較級)ーbusiest(最上級)
というように変化させて、使うわけです。
それぞれの形について、少し確認しましょう。
原級って、どんな形?
◎「原級」とは、形容詞・副詞のもとの形、語形変化していない形
のことです。
「美しい(形容詞)」であれば、beautiful
「一生懸命に(副詞)」であれば、hard
のように、そのままの形を「原級」と言います。
▶︎「比較」では
「〜と同じくらい」という意味で、
as 形容詞・副詞の原級 as という表現を使います。
比較級って、どんな形?
◎「比較級」とは、2者を比較して
差があり「より〜だ」という意味になる形容詞・副詞の形です。
▶︎この「比較級」に2種類の変化の仕方があります。
①普通(短い単語)の場合は、 -er で終わるように変化します。
old →比較級 older / young → 比較級 younger
hard → 比較級 harder / early → 比較級 earlier
②長い単語の場合は、形容詞・副詞の前に more を置きます。
careful → 比較級 more careful / famous → 比較級 more famous
useful → 比較級 more useful / quickly → 比較級 more quickly
※「長い単語」とは、
正確に言うと、「2音節および3音節以上の語」と「語尾が -ly で
終わるもの( early だけは例外)」となります。
ただ、「音節」そのものの説明も難しいので、
中学生であれば、下記のような単語が「長い単語」だと
覚えてしまった方が早いと思います。
【中学生が覚えるべき「長い単語(形容詞・副詞)」】 ◎形容詞編 ・beautiful(美しい) ・delicious(おいしい) ・difficult(難しい) ・exciting(ワクワクする) ・expensive(高価な) ・famous(有名な) ・important(重要な) ・interested(興味のある) ・interesting(おもしろい) ・necessary(必要な) ・popular(人気のある) ・surprised(びっくりした) ・tired(疲れた) ・useful(役に立つ) ・wonderful(素晴らしい) ◎副詞編 ・easily(簡単に) ・quickly(素早く) ・slowly(遅く) |
最上級って、どんな形?
◎「最上級」とは、3者以上を比較して
「一番〜だ / に」という意味になる形容詞・副詞の形です。
▶︎この「最上級」にも2種類の変化の仕方があります。
①普通(短い単語)の場合は、 -est で終わるように変化します。
※せっかくので「上」の「比較級」の部分で取り上げた単語の最上級を示します。
old →比較級 older → 最上級 (the)oldest
young → younger → 最上級 (the)youngest
hard → 比較級 harder → 最上級 (the)hardest
early → 比較級 earlier → 最上級 (the)earliest
②長い単語の場合は、形容詞・副詞の前に most を置きます。
careful → 比較級 more careful → 最上級 (the) most careful
famous → 比較級 more famous → 最上級(the)most famous
useful → 比較級 more useful → 最上級(the)most useful
quickly → 比較級 more quickly → 最上級(the)most quickly
※1どちらにも最上級に(the)がついているのは、
基本的に最上級は the をつけて表現するためです。
※2「長い単語」については、上記の「比較級」のところで
説明しています。
しかし、これだけではないんです。
なんと、不規則な変化をするものもあります。
不規則な変化をする形容詞・副詞
不規則変化するものは、下記の6つを覚えてしまえば、
中学校では大丈夫です。
【不規則な変化をする形容詞・副詞】 bad(悪い)ー worse ー(the)worst good(良い)ー better ー(the) best well(上手に)ー better ー(the)best little(少ない)ー less ー(the)least many(<数が>多い)ー more ー (the)most much(<量が>多い)ー more ー(the)most |
このような部分を押さえた上で、
次回から具体的な「比較」の表現にして解説していきます。
「比較」については、他に3つの記事があります。
下記にリストアップしますので、どうぞクリックして
ご覧ください。
as….as の表現
比較級
最上級
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