前回は、WH疑問詞の whom のお話で終わりましたので、
今回は、関係代名詞の whom について見て行きましょう。
②「人」に関わる関係代名詞 whom
まずは関係代名詞とは何かについて・・・
関係代名詞って何?
・関係代名詞は、その名前通り2つの役割をします。
すなわち
「[1]前にある『名詞』に文の形で関係づけて、[2]代名詞の働きもする」接着剤のことです。
簡単に言うと、
「前にある名詞に説明を加えるための接着剤」です。
–[1] の「前にある『名詞』と関係づけて」とは・・・
→説明が加えられる「名詞」のこと。
この「名詞」のことを文法的には「先行詞」とい言います。
–[2]の「代名詞の働きもする」とは・・・
→加えられた説明文の中で「代名詞」の代わりの働きもする、という意味です。
→代名詞には「主格」「所有格」「目的格」があるので、その働きに応じて
関係代名詞も「主格」「所有格」「目的格」があります。
中学校のレベルでは
中学校のレベルであれば、先行詞が「人」の場合の1種類の関係代名詞を学びます。
(※関係代名詞 that は先行詞が「人」でも「もの」でも使えるので今回は扱いません。)
[1] who:先行詞が人で「主語」の働きをして、説明を加える接着剤
上記の、関係代名詞 who(主格)の例文を少し挙げましょう。
ex.1 The girl who likes Ken very much is Emi.
(ケンを大好きな少女は、エミです。)
ex.2 I have a friend who lives in Kyoto.
(私には京都に住んでいる友達います。)
このような使い方をしていました。
ここで、前回の「謎を解く!~②whom とは? part1」の内容を少し思い出してください。
ー前回では、WH疑問詞の whom を扱ったのですが、
「人」に関するWH疑問詞には who(主格)-whose(所有格)-whom(目的格)が
あるという話をしました。
これと同じことが、関係代名詞でも言えるのです。
「人」に関する関係代名詞も3種類ある!
・「人」に関する関係代名詞も、WH疑問詞と同じように
[1] who は「主格」(主語の働きをする)
[2] whose は「所有格」(所有者を示す形)
[3] whom は「目的格」(目的語の働きをする)
ーの働きをする関係代名詞なのです。
ここでの本題ではないのですが、
[2] 関係代名詞 whose の例文を挙げます。
(詳しい説明は後日します。)
[2] whose:先行詞が人で「所有格」の働きをして、説明を加える接着剤
(正確には、whose は先行詞が「物」の場合も所有格の関係代名詞になります。)
ex.3 Tom has a sister whose name is Nana.
(トムには、名前がナナという妹がいます。)
ex.4 Emi is a girl whose mother works in a hospital.
(エミは、お母さんが病院で働いている少女です。)
そして3つ目が whom です。
whom は先行詞が人で「目的格」の働きをする関係代名詞
[3] whom:先行詞が人で「目的格」の働きをして、説明を加える接着剤
例文を2つ挙げます
ex.5 The girl whom I like very much is standing under the tree.
(私が大好きな少女は、木の下で立っています。)
ex.6 That is the man whom I met on the train to Tokyo.
(あの人が、東京行きの電車で出会った男です。)
この2つの英文の形を詳しく見てみましょう。
ex.5 の英文は、もともと2つの英文があったと考えてみましょう。
a) The girl is standing under the tree.
b) Ilike her( 目的語)very much.
☞ a) の The girl と b) の her は同じ人物です。
☞ the girl に b) の説明を付け加えることができます。
ー the girl + I like her very much
☞ the girl が「人」で説明を付け加えられる言葉「先行詞」なので、who, whose, whom の
どれかを使います。
☞ her が目的語なので、目的格の whom を使って、接着します。
ー the girl whom I like her very much
( whom が her の代わりの働きもするので、her はなくなります。)
☞ そのままの語句を a) の主語の部分に置きます。
ー The girl whom I like very much is standing under the tree.
ex.6 でも同じように説明していきます。
c) That is the man.
d) I met him(目的語)on the train to Tokyo.
☞ c) の the man と d) のhim は同じ人物です。
☞ the man に d) の説明を付け加えることができます。
ー the man + I met him on the train to Tokyo
☞ the man が「人」で説明を付け加えられる言葉「先行詞」なので、 who, whose, whom のどれかを使います。
☞ him が目的語なので、目的格の whom を使って、接着します。
ー the man whom I met him on the train to Tokyo
( whom は、him の代わりの働きもするので、him はなくなります。)
☞ そのままの語句をc) の補語の部分( the man ) に置きます。
ー That is the man whom I met on the train to Tokyo.
このように使われれる関係代名詞 whom は、
WH疑問詞の whom と同じようにやはり、「フォーマル」な言葉なのです。
関係代名詞 whom は「フォーマル」な言葉です!
・前回の記事でも説明したように、
“whom” という単語は、
かなり「古くて、堅苦しい」ものであり、現在ではほとんどその代わりに who が使われているのです。
そのため ex.5 も ex.6 も現在では who を用いて表現されます。
ex.5 The girl whom I like very much is standing under the tree.
→【普段の生活では】The girl who I like very much is standing under the tree.
ex.6 That is the man whom I met on the train to Tokyo.
→【普段の生活では】That is the man who I met on the train to Tokyo.
すなわち、「人」に関する関係代名詞は以下のようにまとめられます。
[1] who は「主格」(主語の働きをする)の関係代名詞
+(現代英語では)「目的格」の関係代名詞も兼ねる
[2] whose は「所有格」(所有者を示す形)の関係代名詞
[3] whom は「目的格」(目的語の働きをする)の関係代名詞
※ただし、whom はフォーマルな表現では現在はあまり使われなくなっている
おまけ・・・フォーマルな表現の度合い
・WH疑問詞の whom でも「フォーマルな表現」の度合いを示す例を挙げましたが、
関係代名詞でもあります。
※関係代名詞 whom も「前置詞」の目的格となる場合は、
その前置詞と一緒に「先行詞」の後ろに来ますので、確認しておきましょう。
・下記の表現は「意味」は同じですが、下に行くほど「堅い」言い方になります。
The boy Emi talked with is my brother. <後置修飾>
☟
The boy who Emi talked with is my brother. <関係代名詞 who 目的格>
☟
The boy whom Emi talked with is my brother. <関係代名詞 whom 目的格>
☟
The boy with whom Emi talked is my brother. <関係代名詞 whom 目的格と前置詞>
これで
「謎を解く!~② whom とは? part2」は終了です。
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