「話す力」のトレーニング④

「話す力」のトレーニングの4回目。
今回は
①絵を見て、それにあった表現を英語で言えるようにする
②日本語で示した場面設定にあった表現を英語で言えるようにする
③設定した時間内に自分のことが言えるようにする

の3つを取り上げます。

①絵を見て、英語を話す

絵と条件にある単語を用いて、
それに適した表現を英語で発話するトレーニングは、
「話す力」を鍛える活動としては初歩的なものですが、
生徒にすれば取り組みやすい課題なので、
授業開始の2〜3分で練習することもできます。

私は、
そのトレーニングとして「時間制限テスト」というタスクを
課していました。

使っていた練習プリントは下記のようなものです。

ここでは、2学年で学習する過去進行形の表現を
絵を見て、口から滑らかに発話できるように練習するためのプリントです。

練習の仕方としては、
授業開始とともに
①個人で練習する
②ペアで練習する
③教師のチエック(テスト)を受ける
という形で使います。

今回は英文が複文で、長いため(例)が示されていますが、
普段は、ポイントの「単語」しか明記されていません。

このプリントの裏には
「模範解答」と「練習チェック欄」があるので、
分からなくなったら、裏面を見て確認して練習することができます。
「練習チェック欄」は制限時間内に何個の英文を言うことが
できたかを記入する欄です。

練習成果のチェック(上記の③)は、
練習時間中に、確認したい生徒のところへ直接行き、
「テストするよ。」と言って、
絵の中のどれか1つを指定して、その英文をすらりと言えるか
チエックします。
・・・これで終了です。
あまり、うまく言えないようであれば、別な日にまた
確認しに行きます。

時間に余裕があるようであれば、
このプリントを使って
「書く」トレーニングとして、
英文を書かせる時もあります。

 

②日本語を見て、英語を話す

特に、助動詞の使い方は、
場面設定に応じた表現として理解しなければ、活用できません。

そのような場合は、
日本語の状況説明を読んで、適切な英語を話す、という練習を
していました。

その際は、下記のようなプリントを使っていました。

助動詞を使って、いろんな場面にあった表現を言おう!
(1) 道ばたで、おばあちゃんが大きなカバンを持って、苦しそうに歩いてます。
→彼女に何と声をかけますか。(2) 夏休み、久しぶりに男子全員が集まって何かをすることになりました。
→どんなことを提案しますか。(3) 暑い日。あまりにも暑いので、Aくんが先生に窓を指して言いました。
→なんとお願いしますか。
→その言い方が気に入らなかった先生に、もっと丁寧に言って見ましょう。(4) 6時間目。雨も降り、かなり暗いのに、教室に電気がついていません。
そこで気遣いができるBさんが、先生に言います。
→なんとBさんは言うでしょうか。(5) 3時間目。英語の授業で、思わずCくんは、ワークを忘れてしまいました。
教室に取りに行かなくてはいけません。
→先生になんと言って、許可をもらいますか。
※英語の授業を視聴覚室で行っている、という設定です。(6) 途端に寒くなったこの頃。昼休み遊んで汗をかいた生徒が教室の窓を開けて
いたのですが、閉めてもらいたいとDさんは思いました。
→窓の近くにいたEくんになんとお願いしますか。

(7) 2年生も後半になり、学担の先生がよく生徒に言う言葉です。
→勉強に関してなんと言うでしょうか。
→そう言われてもFさんは、何をすればいいのか分からないで困っています。
この状態を英語で。

(8) 夏休みの暑い日。海に行って泳ぎに行こう、とみんなを誘いましょう。

(9) Gくんが、Hさんのところへ電話しました。Hさんの母親が電話に出たので、
名前を名乗って
→Hさんを電話口に出してもらう時の言い方は?

(10) いつもIくんは、6時に起きて学校に行くのですが、明日は休みなので
6時に起きなくてもいいよと、お母さんが言います。
→なんと言えばいいですか。

このプリントは、
①まず最初に個人で考えさせ
②ペアで確認させ
③全体でどのような表現が適切かを確認します。

1つ1つ英文を書かせると
時間がかかってしまうので、
「話す」ことに集中させて、指導しました。

一通りの確認が終わったら、
状況を確認して、すらりと英語を言うように練習します。

 

③設定した時間内に自分のことを英語で言う

夏休みや冬休みの後によく実施したのは
チャットです。

長期休業中にあったことを友達に話し、
いろんな情報を共有する時間として、「話す」トレーニングをしました。

次のようなプリント使って指導しました。

はじめてのChat「夏休み編」
〜夏休みのことを、友達と英語で話してみよう〜
1 実施日:毎時間英語の授業の最初の時間に挑戦します
2 内 容:今年の夏休みについて、英語でおしゃべりをします
3 目 標
ー①感想を言えるようにしよう
ー②what / when / who / how などで情報交換できるようにしよう
ー③チャット継続設定時間 30秒 → 45秒 →60秒
ー④最終的には1分間程度のスピーチを構成して発表してもらいます
<基本的には、過去の話なので過去形を用いて表現しましょう!>

必要な表現もある程度は提示して参考にしてもらいました。

(1) 夏休みについて友達と話そう!
A:How was your summer vacation?
B:It was great! I went swimming in the sea. How about you?
(2) チャットを続けるには、相手から情報を求めようとする態度が必要ですよ!
その1 5W1H を使いましょう
ーWhat did you watch?  / Where did you watch it?
ーWhen did you watch it? / Who did you watch it with?
ーHow was it?
その2 もっと詳しい話を聞こう
ーAnd then?
ーWhat else did you do?

最初は、30秒が長くて
間が持たないのですが、相手を変えながらも
テーマが同じだと、少しずつ話す内容が
深まってきて、なんとか60秒ぐらい
チャットできるようになります。

そのぐらいのチャットができるようになった時点で
今までのトレーニングの内容をもとにして、
”My Summer”というタイトルでスピーチを全員の前で
発表してもらう、という活動に進化させて行きます。

1つの活動を
繰り返し、ブラッシュアップしながら、
別なレベルの高い活動へつなげていく
ことは、特に言語習得は重要なステップで
自己表現力を高める指導法だと思います。

 

今回はここまで。

 

「『話す力』のトレーニング」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックし「⑤」もお読みください。

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