「話す力」のトレーニング③

「話す力」のトレーニングの3回目。
前回は、「小学校の外国語活動の進化」という
テーマで「自己紹介」の活動を、進化させた例を
示しました。

今回は、引き続きもう1つの活動例を示します。

小学校の外国語活動を進化させる その2

前回での「自己紹介」では、

小学校では:好きなもの、誕生日、できることを含めた簡単な紹介

中1の1学期では:「自分」のことに関するさらに詳しい情報を加えた紹介

中1の2学期では:「書く」活動を含めた10文程度の自己紹介

のような段階を踏んで
「自分がどれだけ言えるようになったのか」を少しでも実感できる
トレーニングを重ねきました。

2例目は、
「興味のある場所の紹介」を例にとって、
どのようにレベルアップさせて行くのかを見て行くことにします。

 

②興味のある場所の紹介を進化させる

以前の “Hi, friends!”を見ると、外国語活動では、

Where do you want to go?
I want to go to Italy.
I like soccer.
I like pizza.
Nice country.
Let’s go.

のように「自分の行きたい場所」を紹介するという
活動を小学校6年生の時に行なっています。
(ここでは、where を含むWH疑問文、to 不定詞の名詞的用法
【want to 】の表現ー中2で学習する表現ーが入っています。)

また、同じく小学校6年生の最後には
「夢宣言」というテーマで

Hello.
My name is Emi.
I want to be a nurse.
I want to help sick people.
Thank you.

という発表活動もしています。

want to は便利な表現で、
「何か」を紹介する時や
「自分がしたい」ことを述べる時に
よく使われます。

このような表現を学んでいることを生かして
私は、中2の2学期に
1つのタスクを課します。

進化〜中2(2学期)

教科書を見ると、大部分は
職業体験学習と絡めて、自分の夢を語る、という設定で
表現活動を組み込んでいるようです。

私は、この want to の表現を用いて
「観光パンフレットを作ろう!」というタスクを
課しました。
(これは当時の教科書にあったタスクをそのまま
実践したものです。)

「自分が行ったことのある、または興味のある町を紹介しよう」
というテーマで下記の内容で生徒に指導しました。

【内容】地元から離れた場所の様々な街をそれれぞ1つ取り上げて紹介する
【条件】10文以上20文以下の英文で紹介する。パンフレット形式ではない
・それぞれの場所について
(1)名所(2)名物・名産品(3)イベント・祭り
等の項目について、必要であれば調べて、発表する
・画像も用意すること
・調べる時間・プリントアウトする時間は、基本的に英語の時間で実施
【方法】基本的に今までの Reading Show と同じ形で発表
ー1時間で終わらなければ、次の時間も使用して発表
ー相互評価あり
ー発表後に、ALTから内容に関して質問あり
ービデオ撮影あり

ここでのテーマは「話す力」のトレーニングですが、
自分のことを表現することから、最初に「書く」活動を優先して
います。

モデル文としては、下記のようなものを提示しました。

1. I want to introduce “Hirosaki” to you today.
2. First, you should visit Hirosaki castle when you go to Hirosaki.
3. It is famous for cherry blossoms.
4. In spring it is filled with many beautiful blossoms.
5. Many people come there to enjoy seeing them.
6. Secondly. Hirosaki is famous for apples.
7. Everyone knows that they are very good.
8. They are very delicious in winter.
9. Lastly, you can see Neputa festival in summer.
10. A lot of people around the world come and see it.
11. It’s very exciting.
12. Thank you for listening to me.

want to の表現は一番最初にしか出てこないのですが、
「好きな場所」の紹介、という部分では
外国語活動での「行きたい場所」というテーマと
共通しています。

そのため、指導者の工夫により
小学校での発表活動との

・内容の深さ
・表現の多様さ
・話す量の多さ

の違いを感じることができる題材です。

そのような「振り返り」をさせることにより
生徒も自分の英語における成長の様子を
体感することができ、それが英語学習への
内発的動機付けにもなります。

これを活用しない手はありません。

このようにして
「小学校での活動」を
中学校で進化させて
「話す力」のトレーニングを
してみてはいかがでしょうか。

 

今回はここまで。

 

「『話す力』のトレーニング」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックし「④」もお読みください。

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