動名詞についての2回目です。
今回は、動名詞と不定詞の名詞的用法についてのお話をします。
動名詞と不定詞の名詞的用法の違い
再度の確認になりますが、
動名詞は ing形で「~すること」ですが、
不定詞の名詞的用法は、
to +動詞の原形で「~すること」という意味です。
それじゃ
動名詞 と 不定詞の名詞的用法 は同じ?
となりますが、
ニュアンスの部分で大きな違いがあります。
・動名詞の ing形は、その形から
「生き生きとした躍動感」をもって「~すること」を表現します。
・一方不定詞 to+動詞の原形 は、
躍動感のない「一般的な内容」として「~すること」を表現します。
ただし、want、hope、decide、plan などの「こらから先のこと」
を意味する動詞とつながると、「これから先 to +動詞の原形の方向
へ向かっていく」というニュアンスになります。
テストでは、
このような違いが示されることはないと思いますが、
基本的なこのような動名詞と不定詞の名詞的用法の性格を
知っておくと、応用が利くようになります。
ニュアンスの違いの例
簡単にニュアンスの違いを示します。
① I like playing this game. ・・・動名詞
② I like to play this game.・・・不定詞の名詞的用法
これを日本語訳すると、どちらも
「私はこのゲームをするのが好きです。」となりますが、
ニュアンスとしては、
①は、今現在、そのゲームをしながら、「このゲームするのが
好きなんだ」と言っているような状況で躍動感があります。
一方②は、友達とゲームの話をしていて、今ゲームをしている
わけではないけれど、一般的な話として、「このゲームをするのが
好きなんだ」のような状況です。
動名詞と不定詞の名詞的用法を用いる場所は?
ニュアンスの違いは大体お分かりいただけたでしょうか。
それでも、ほぼ同じ意味なので、
この2つは用いる場所も同じなのだろうか?と思う人もいるのでは
ないでしょうか。
前回のブログで、
動名詞は、①主語 ②目的語 ③補語 ④前置詞の後 で
用いられるという説明をしましたが、不定詞の名詞的用法も
同じ場所で使われるのかを確認しましょう。
不定詞の名詞的用法も①主語で使われる?
例文を挙げます。
① Taking a bath is good for health.・・・動名詞
② To take a bath is good for heath.・・・不定詞の名詞的用法
どちらも「お風呂に入ることは健康によい」という意味ですが、
ニュアンスは先ほど言ったように違います。
このように、不定詞の名詞的用法は主語でも用いられます。
さらに言うと、②の英文は 形式主語の it を用いて
③ It is good for health to take a bath.
とも表現できます。
不定詞の名詞的用法も②目的語で使われる?
次は「目的語」の場所で用いられるか、です。
「目的語」なので、その前に何らかの動詞が必ずあります。
その動詞によって、
動名詞はとるけど、不定詞はとらない、どちらもOKなどの
特徴があるので、そこが中学生が混乱する部分です。
その部分をできるだけ丁寧に説明します。
a) 動名詞も不定詞も来れて、ほぼ意味は同じもの
① Ken started talking to a lot of people. ・・・動名詞
② Ken started to talk to a lot of people.・・・不定詞の名詞的用法
どちらも「ケンはたくさんの人びとに話しかけ始めた。」という意味
です。このようにどちらもとれて、ほぼ同じ意味になる動詞もあります。
<中学生が覚えておきたいこの種類の動詞>
・start(始める)・begin(始める)・like(好きです)
・love(大好きです)・hate(嫌う)
b)不定詞を目的語とする動詞(動名詞は来れない)
① I want to be a teacher in the future.・・・不定詞の名詞的用法
② Bob decided to learn kendo.・・・不定詞の名詞的用法
①は「私は将来教師になりたい。」②は「ボブは剣道を学ぶことを決めた。」
という意味で、動詞のwant も decide も「これから先のこと」を意味するので、「躍動感」を伴う動名詞は来れずに、不定詞がきます。
<中学生が覚えておきたいこの種類の動詞>
・decide(決心する)・expect(期待する)・hope(希望する)
・mean(~するつもりである)・promise(約束する)・want(したい)
c)動名詞を目的語とする動詞(不定詞は来れない)
① We enjoyed watching the movie together.・・・動名詞
② Tim has just finished reading the book.・・・動名詞
①は「私たちは一緒の映画を見て楽しんだ。」②に「ティムはちょうど
その本を読み終わたところだ。」という意味です。enjoy も finish も
「躍動感」の動作を “終える” または “楽しんでる” という状況なので
動名詞がきます。
<中学生が覚えておきたいこの種類の動詞>
・enjoy(楽しむ)・・・「躍動感」を楽しむ
・finish(終える)・stop(終わる)・give up(あきらめる)
・・・「躍動感」が終わる
d)どちらも来るが、意味が違うもの
いくつかあるのですが、
中学生で特に押さえるべきは stop です。
① Tom stopped playing catch.・・・動名詞
② Tom stopped to play catch.・・・不定詞の副詞的用法
先ほどの c)で述べたように stop は動名詞しかとれません。
それでは、②は、どうなんですか?となります。
なんと、
stop は不定詞の名詞的用法を目的語としてとれませんが、
副詞的用法はとれるのです。
※副詞的用法は、目的・理由を述べる言い方のなので、
stop の目的語ではないのです。
結局
①は「トムはキャッチボールをするのをやめた。」で②は、
「トムはキャッチボールをするために立ち止まった。」と
全く違う意味になるのです。
気を付けましょう。
※stop の後ろに不定詞の名詞的用法は来れない。
・stop +動名詞( ing形)・・・「~することをやめる」
・stop +不定詞・・・名詞的用法は来れないので、副詞的用法
→「~するために立ち止まる。」
不定詞の名詞的用法も③補語で使われる?
① My hobby is taking a lot of pictures.・・・動名詞
② My dream is to study abroad.・・・不定詞の名詞的用法
①は「私の趣味は、たくさんの写真をとることです。」で②は
「私の夢は海外で勉強することです。」で、どちらも補語に
なれます。
この場合も、動名詞は「躍動感」、不定詞の名詞的用法は
「これから先のこと」を表現するニュアンスがあります。
不定詞の名詞的用法も④前置詞の後に使われる?
これはできません。
不定詞が to 動詞の原形なので、この to の前に
前置詞がくると、何の脈絡もなく前置詞が2つ並ぶことに
なり、英文としては成り立ちません。
今回はこれで、動名詞について終わります。
次回は、この流れから
不定詞についてのお話をしたいと思います。
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