今まで「読み力」のトレーニングでは
①「基礎的なフォニックスの学習」
②「単語」を読めるようにするトレーニング
③「英文」を読めるようにするトレーニング
を取り上げてきました。
今回は、その続きとして
④意味を理解して「英文」を読めるトレーニング
⑤自己表現をして「英文」を読めるトレーニング
についてお話したいと思います。
④意味を理解して「英文」を読めるトレーニング
・単語も読める、英文も読める、だけど本当に意味がわかっているの?
と感じる時はないでしょうか。
きちんと意味を理解しながら、読むようにと
支持は出していても、それを確認できる方法はなかなかないかもしれません。
そこで、
意味が意識づけられるような読みになるようなトレーニングとして
次のような方法を実施しました。
その1 Read, Speak, and Write
・そのそれのレスン(またはページ)が一通り終わると、
私は、その課の意味をかいたものーRead, Speak, and Writeーを配布します。
〜これは、それぞれのレスンが、概要の把握やQ&Aなどで終了してしまうので、
細部までしっかり押さえたいという生徒に対する要望に応えて配布することを始めたのですが、これを「読み」のトレーニングとしても活用しました。
プリントは、こんな感じです。
【4A:p.43】アキと俊は、インターナショナル・スクールを訪れたよ。 ジム:◯やあ、どうぞホットドックを食べてください。 アキ:◯ありがとう。 ジム:◯ぼくはジムだよ。君たちは? |
これは、英文を見て読むのがほぼできる状態で
配布されるのですが、今度は習った形を確認して
日本語を見て → 英語を発話する
という「話す」に近い分野に突入します。
(通訳練習とも言えるかもしれません。)
学んだ形、そして意味をしっかり意識した
「暗唱」の一歩前の読みのトレーニングとも言えると思います。
これを全体で練習し、個別に指導したり、
チェックしたりします。
生徒たちは、
「読み」の練習が終わると、この課題になるとわかっているので
普段の練習からしっかりと「意味」を意識して活動するようになります。
※なお、このプリントは、その後
日本語を見て、「英語を(自分のノートに)書く」という練習でも
活用されます。
その2 暗唱に挑戦
・さらに時間がある場合は(特に中1は英語の分量が少ないので)「暗唱」のレベルまで持っていきます。
私自身は、ある副教材を使って指導してました。
(教材名は忘れてしまいました、すみません。)
ーその副教材は、教科書の本文が段階を踏んで穴あきになっていて(段々「穴」の部分が多くなってくるんです)、最後には暗唱になっていくというもので、フォニックスも少し扱っていたので、自分にとっては理想的な教材でした。
その副教材を次のように使っていました。
①最終的には「暗唱」のテストを個別に私の前で受けて、合格しなければならない、という形で生徒に連絡します。
②それぞれのページの暗唱テストの締め切りを予め連絡しておいて、それまでに各自練習するように伝えます。
③授業時間のちょっとした空いた時間や残りの時間で練習することは、奨励していました。
④暗唱テストは「授業中」には行いません。朝の時間、昼休み、授業の前後の時間、部活動の前に時間など各自の都合のいい時間にいつでも来るように伝えます。
⑤暗唱テストを私の目の前で発表してもらい、最後に簡単な英語の質問を2、3問して、きちんと答えられたら合格です。
(これは「音」だけを覚えることへの防止です。)
中1の生徒に対して、これを指導したら
大変積極的に取り組んでくれました。
競争意欲を高めるために、教室に「暗唱テスト合格の軌跡」と称して、
暗唱をクリアした人にはシールを貼った模造紙を教室に展示していたのも
よかったようです。
このようにして、
英文の読み → 日本語を見ての英語の発話 →暗唱
とレベルを少しずつあげていった指導をしていました。
最後に、
⑤自己表現を入れて「英文」を読めるトレーニング です。
⑤自己表現して「英文」を読めるトレーニング
ここの部分では、私は各学期に1回程度は Reading Show という
タスクを実施していたことをお伝えします。
このようなプリントを予め配布して、
どうしてこの Reading Show を実施するのかも、しっかりと伝えて
少しでも学習意欲を高めます。
読む箇所は、
その学期に学んだところすべてで、自分が感情を込めて読みやすい
ページを選んで読めるようにしています。
評価のポイント(観点)も前もって教えておく必要があります。
(Reading Show は相互評価のポイントでポイントの高いものは表彰されるので)
①【態度】
ーRead -and -Look up して、大切に読んでいるか
(授業で Read -and-Look up を実施していました。)
②【読み方】
ー声量、個々の音のつながり、リズム、イントネーション
③【演出】・・・ここが「自己表現」の部分に当たります
ー聞き手に伝わるように、表情豊かに、話しかけるように読んでいるか
Reading Show の良いところは、
何と言っても、「暗記」しなくてもいいところ。教科書を見ていいんです。
その代わり、「読み方」に焦点をおいて、プラス自己表現を加えてくれれば
良い、という考えです。
※「自己表現」の部分は指導が難しいので、以前の学年の生徒の記録した映像を必要であると判断したときは、みんなに見せたりもしました。
このようなタスクを継続していくと、
生徒は少しずつ「自己表現」を加えて読むことができるようになります。
中には、
英語は得意ではないけど、
自己表現の部分がとても上手でみんなの評価が高い生徒もいました。
いろんな部分で、
この Reading Show は生徒の切磋琢磨の場になっていたのかもしれません。
◎なお、この Reading Show というタスクは、
筑波大学附属中学校で実践していたものを、参考にして自分の生徒の
実態に合うようにリメイクしたものです。
「読み力」のトレーニングもしっかりと
今回で「読む力」のトレーニングについては終わりますが、
こうやって振り返ってみると、
当然のことながら、
「読める」ことは、
「文字」につながり、
そこから「書く」力へとなっていくのです。
その「読める」ためには
英語の「音」がしっかりと聞き取れて、
それを「文字」につなげる「フォニックス」が
必要不可欠となります。
今回は
「読む」ことに特化したトレーニングについて
お話しましたが、結局は4技能すべてとのつながりの中での
「読む」力なのです。
そこの部分を
しっかり意識して指導して行きたいものです。
今回はここまで。
コメント