前回は「読む力」について
小学校と中学校との連携の大切さを
お話しました。
今回は、
中学校での
入門期における「読む力」のトレーニングについて
考えていきたいと思います。
入門期における「読む力」のトレーニング
小学校での「聞く力」「話す力」を
「読む力」につなげるのは、
「音」と「文字」との間のルール、「フォニックス」
です。
これは、
「聞く力」の部分でも言っように、
インプットされた「音声」を何らの形でアウトプットしようとすると
どうしても「フォニックス」が土台となってしまうのです。
(それは英語が「表音文字」のためです。)
そこで私は入門期の指導として、「聞く力」と同じように
基本的なフォニックスの学習はどうしても必要不可欠となるのです。
①基本的なフォニックスの学習
・この部分に関しては「読む力」の
「①基本的なフォニックスの学習」とほぼ同じなので、
簡潔に書きます。
フォニックスでは、
[1] アルファベットの「名前読み」と「音読み」を学ぶ
[2]特に「音読み」をしっかりと「聞けて」「言える」ようにする
[3]「名前読み」と「音読み」から、単語が「聞けて」「読める」ようにする
(この指導の際には、もちろん「口」の形などもしっかりとチェックしてできるだけ正確な発音ができるように指導します。)
〜という段階で、
基礎的な学習を、特に中1の1学期の間にトレーニングします。
このトレーニングの中では。
例えば、音声を聞かせて
h-🔲-t の🔲に何のアルファベットの何が入るかを問う、問題もあります。
👉 “u” の音(音読み)であれば・・・h-u-t (hut:山小屋)
👉 “a” の音(音読み)であれば・・・h-a-t(hat:帽子)
となります。
このような「耳を鍛える」問題を通して、
少しずつ、「音」と「文字」をつなげて行くような指導を繰り返していきます。
この他にも
・マジックE
・th の発音
・語彙の -er の発音
・単語中の -ir- の発音
・単語中の -oo- の発音
などの、規則を必要な単語が出てきた時に、他の例を示しながら
使えるようにトレーニングしていきます。
その指導が、ある程度蓄積してきたら、そのルールを
まとめてあげて、生徒に渡し、いつでも活用できるようにします。
【まとめたプリント例】
1 | マジックE(1) a – e | name, face, cake, plane, late |
2 | マジックE(2) u – e | tube, use, |
3 | 発音しない gh は t と一緒に語尾 | eight, night, light, right, straight |
4 | 単語の途中の ee | week, see, meet, three, tree |
5 | ea | speak, read, teach, mean, eat |
指導したら、活用させる
・このように「ルール」があるものは、
ある程度指導したら、生徒に活用させることがポイントです。
活用させることによって、それが(フォニックスの基礎)定着します。
私は、このようなフォニックスの指導をした生徒に対しては、
初見の教科書のページであっても
「黙読しなさい。読めない単語には鉛筆で下線を引いてください。」 と指示を出します。・黙読が終わったら、指示を出します。 「読めない単語があったら、手をあげて教えてください。」・わからない生徒は手を手をあげて、その単語のスペルを言います。 「読めない単語は、read です。」・それに対して、生徒に返します。 「この単語を読める人、教えてあげてください。」・挙手した生徒を指名し、下記のように答えます。 「単語の中に ea があるので read と発音します。」 ・r の発音も確認し、みんなで一緒に read を発音します。 |
のような指導を継続していきます。
このような指導をして行くと、
生徒は、「知らない単語も読める」という自信につながり、
自ら、英文を読んでいこうとする意欲をもつようになってきます。
ここまで、来れば
もう「英語が読めないから、嫌いだ」というパターンから
生徒を脱却させることができます。
やはり、
フォニックスは欠かせないのですね。
(ただし、あまりフォニックスだけを深めて行くと、泥沼にハマってしまうので、
危険です。中学校のレベルで必要な基本的な部分だけ十分だと思います。)
今回はここまで。
「『読む力』のトレーニング」は「①」から「⑤」まであります。
時間のある方は、下記をクリックし「③」もお読みください。
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