受動態の2回目。
前回は、
「受動態」の視点、「過去分詞」、「能動態」についての
解説をしました。
今回は、
具体的に、「受動態」について解説します。
「受動態」が使われる場合
前回では、
すなわち、英語では
「動作の主体(主語)」+「動作(動詞)」+「動作の対象物(目的語)」
となっているものを、
「動作の対象物」を主語とした文を受動態と言い、
元の形(「動作の主体」+「動作」+「動作の対象物」)を能動態と言います。
と説明しましたが、
どんな時に、
「動作の対象物」を主語とする(すなわち受動態にする)必要があるのでしょうか。
「動作の対象物」を主語する(受動態がよく使われる)場合は、
おおよそ下記の2つのパターンです。
①「動作の主体」が明確でない場合
・「動作の主体」がはっきりしないもの、または「動作の主体」を明示しなくても
いい場合があります。そのような場合は、受動態が好んで使われます。
a. English is spoken all over the world.
(英語は世界中に話されています。)
b. This bookstore is opened at 10:00 a.m.
(この書店は午前10時に開店します。)
▶︎ a の文では、
おそらく「たくさんの人々」が世界中で英語を話す、というニュアンスなのですが、
このように「一般的な人」のように、「動作の主体」が「限定されない場合」は、
受動態が使われます。
▶︎ b の文では、
「店を開店させる人」は、「店で働いている人」なのですが、
「その人」がどんな人であるのかは、わかりませんし、わざわざ明確にする必要も
ありません。このような場合も受動態が使われます。
②「話題の中心」が「動作の対象物」の場合
・英語の文では、
基本的に「話題の中心」を「主語」に置きます。
その「話題の中心」が「動作の対象物」であれば、当然受動態が使われることになります。
a. I love this flower vase. It was made by Mr. Suzuki.
(私はこの花びんが大好きです。それは鈴木さんによって作られました。)
b. That watch is very good, and it is made in Switzerland.
(あの腕時計はとても良い、そしてそれはスイス製です。)
▶︎ a の文では、
最初の文で、”this flower vase” を話題として取り上げ、その後にその “this flower vase” に
ついての説明を加えているので、自然に「受動態」の文が来ています。
▶︎ b の文でも、
同じように、最初の文で “watch” を話題として取り上げ、その後にその “watch” についての
説明を加えているので、自然に「受動態」の文が来ています。
◎このように、
話の展開上、「主語」が「動作の対象物」となるのが自然で、そのため
「受動態」の文が使われることがあります。
受動態の基本
・受動態がどんな時に使われる形を確認したので、
今度は、肯定文、否定文、疑問文の形を確認してみましょう。
肯定文
・受動態の基本形は、「動作の対象物」が「主語」となった場合、
主語+be動詞+過去分詞+〜. |
と表現することができます。
a. This temple was built about 400 years ago.
(この寺はおよそ400年前に建てられました。)
※ build の変化:build – built – built
b. This chair was made by my brother.
(この椅子は、兄によって作られました。)
※ make の変化:make – made – made
▶︎ a の文では、
be動詞が過去形になっているので、「過去の受動態」となり、
「建てられた」という意味になります。
▶︎ b の文では、
「動作の主体」が by を伴い、明示されています。
※ by +「動作の主体」:「動作の主体」によって、で
この部分は、必要な場合のみ表現され、必要でない場合は省略されることが多いです。
(上記の①「動作の主体」が明確でない場合 をご覧ください。)
b. の文を能動態の文に
・b. This chair was made by my brother. のように
「動作の主体」が明示されている「受動態」の文は、簡単に「能動態」の文に
書き換えることができます。
b. This chair was made by my brother.
▶︎能動態の文に b’. My brother made this chair.
◎能動態の文への書き換え
[1] 「動作の主体」が (by) my brother なので、
→by を取って、My brother が主語となります。
[2] 「動詞」の部分は、was made から、
→ make の過去形だとわかるので、made となります。
[3] 「動作の対象物」は、もともと「目的語」にあった部分なので、
→ そのまま made の後ろに this chair を置きます。
これで、完成!
※このような能動態や受動態への書き換え問題は、
以前はよく出題されていましたが、現在はそれほど見ることはありません。
(受動態の理解としては、あまり重要視されなくなったようです。)
ただし、このような「書き換え問題」の場合は、
「3単現」に気をつけてください。よく「能動態」に書き換えた場合、
-(e)s を付け忘れやすいので。
c. That racket is used by Emi.
▶︎能動態の文に:c’. Emi uses that racket.
否定文
・受動態の基本形は、【 be動詞+過去分詞】なので、
基本は、be動詞の文です。
そのため、否定文も be動詞+not の形で出来上がります。
受動態の否定文:主語+be動詞 not +過去分詞 〜. |
a. This picture is not (isn’t) taken by Taro.
(この写真はタロウによって、取られたものではありません。)
※ take の変化:take – took – taken
b. This room was not (wasn’t) used at that time.
(あの時、この部屋は使われていませんでした。)
◎どちらの文も、
be動詞 ( is, was ) の後に not を持ってくることにより、
「〜されていない(されていなかった)」という受動態の否定文になっています。
疑問文
・受動態は基本、be動詞の文なので、
疑問文は、be動詞を文頭に持ってくると出来上がります。
受動態の疑問文:be動詞 主語 + 過去分詞 〜 ? |
a. Is this bag made in Italy? – Yes, it is. / No, it isn’t.
(このカバンはアメリカ製ですか。ーアメリカで作られていますか。)
※ make の変化:make – made – made
b. Was this CD released last year? – Yes, it was. / No, it wasn’t.
(このCDは昨年リリースされましたか。)
◎どちらの文も、
be動詞 ( is, was ) を文頭に出し、最後にクエスチョンマークをつけることにより、
疑問文ができています。
▶︎答え方は、主語を代名詞にして、be動詞を用いることによって、
Yes / No で答えることができます。
ここまでが
受動態の基本です。
次回は、受動態の応用編を解説します。
「受動態(過去分詞)」については下記の①〜⑤までの記事があります。
興味があるものがございましたら、クリックしてどうぞご覧ください。
👉①基礎編
👉②受動態基本
👉③受動態応用編
👉④説明する過去分詞
👉⑤番外編:後ろに並べる説明
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