今回は、” have ” について扱います。
(「謎を解く!」のカテゴリーに入ります。)
以前 ” do ” を扱いましたが、
同じ do でも「3つの顔」がありました。
※” do ” についての記事を読み方は、下記をクリックしてください。
have にも do と同じように
複数の顔を持っていますが、
それを今回まとめて、解説していきます。
どうぞ参考にしてみてください。
have の基本イメージ
have は、中学校でも入門期から
よく使われる単語で、「もつ」という意味で覚えている人が多いですよね。
でも、次の英文を見てください。
① I have two cats.
② Ken has breakfast at 7:00 a.m.
③ Did you have a fever yesterday?
同じ have ですが、日本語すると意味がそれぞれ違います。
①私は2匹猫を飼っています。▶︎have:飼う
②ケンは朝の7時に朝食をとります。▶︎have:(食事を)とる
③あなたは昨日熱がありましたか。▶︎have:(病気などの状態で)ある
ここに挙げた3つの例文だけでも
意味がそれぞれが違います。
こうやってみると、
have には「たくさんの意味がありすぎて」、覚えるのが
大変そうに見えますが、基本イメージは1つしかありません。
have の基本イメージ:自分のナワバリにもの・状態・状況などが存在する |
※少し難しい表現すると
自分がコントロールできる範囲内に
「もの」「状態」「状況」などが存在して、扱うことができる、というニュアンスです。
①であれば、
▶︎自分の責任(コントロールできる)内で犬が存在し、それを扱うことができる
②であれば
▶︎自分の意思で「朝食」をその時間に扱うこと(食べる)ことができる
③であれば
▶︎自分の体内(ナワバリ)で「熱がある状態」が存在する
のようなニュアンスから、それぞれの「日本語訳」が割り当てられているだけなのです。
have は、
「持っている」という「状態を表す」動詞の一面もあるので、
進行形は取らないと思われがちですが、
「自分のナワバリにあるもの」を扱うと、「動作表す」動詞にもなって、
進行形をとることもできるのです。
(※②の英文は「食べる」という動作を意味するので、進行形にもできます。)
今回は、
動詞としての have の意味に注目して解説していきます。
( have には「動詞」でない役割もあるのですが、それは次回に。)
このイメージから
派生してくる意味はおおよそ4種類あるようです。
①持っている(所有)
・中学校のおそらく一番最初に出てくる have の意味は、
「〜を持っている」や「(ペット)を飼っている」のはずです。
a. I have a key in my pocket.
(私はポケットの中に鍵を持っています / ポケットに鍵があります。)
b. Emi has a little dog at home.
(エミは家で小さな犬を飼っています。)
c. This library has a lot of books.
(この図書館にはたくさんの本があります。)
d. My father had a bad cold yesterday.
(私の父は昨日ひどい風邪をひいていた。)
▶︎ a では、
「I」が自分のポケットという「ナワバリ」の中で、「鍵」が存在することを
表現しています。それを日本語で表現すると→「持っています」や「あります」
という言い方になる訳です。
▶︎ b では、
「Emi」が自分の家という「ナワバリ」の中で、「小さな犬」が存在することを
表現していて、それを日本語で表現すると→「飼っています」という言い方になる訳です。
※存在するものが「人間」に関わるものであれば、「〜がいる」という意味になります。
b’. I have two brothers.(私には2人の兄弟がいます。)
▶︎ c では、
「this library」がその「ナワバリ」の中で、「たくさんの本」が存在することを
表現しています。※日本語では「図書館」が「持つ」というイメージはありませんが、
英語では主語が「もの」であっても、そのhave のイメージ(ナワバリにもの・状況・状態
が存在する)は変わりません。
▶︎ d では、
「my father」が自分の体内(ナワバリ)で、「悪い風邪」という症状が存在することを
表現しているので、日本語では「ひどい風邪であった」となります。
※このように「体の症状」も have で表現することができます。
・have a fever:熱がある
・have a cold:風邪をひいている
・have a headache:頭痛がする
・have a toothache:歯が痛い
◎どれも
「持っている / 所有する」という「状況」を示しています。
②〜がある(催し物など)
・パーティや祭りなどが開催されるという意味でも
have は使われます。
a. They had a party last night.
(彼らは昨夜パーティを開いた。
b. We will have our school festival this September.
(今年の9月に学園祭が行われる予定です。)
▶︎ a では
「they」が彼らのナワバリの中で、昨夜「パーティ」が存在していたということを
表現しています。
▶︎ b では
「we」が自分たちのナワバリの中で、「学園祭」が9月に存在するであろうということを
表現しています。
◎どちらも
「催事がある」という「状況」を示しています。
③飲食する
・自分の体内に「食べ物」を存在させるというイメージから、
have には「食べる」「飲む」という意味を持つこともあります。
a. What kind of drink do you want to have?
(どんな種類の飲み物を飲みたいですか。)
b. We had dinner at 7:00 p.m. yesterday.
▶︎ a では
「you」が自分の体内(ナワバリ)に、どんな飲み物を存在させたいかを聞いています。
▶︎ b では
「we」が自分たちの体内(ナワバリ)に、昨日の午後9時に夕食を存在させた(食べた)ことを表現しています。
◎どちらも
「体内に取り入れる」という「動作」を表現しています。
(そのため、この意味の場合は進行形にすることができます。)
④経験する
・have には「そのような状況を持つ」というニュアンスから、
「〜を経験する」という意味に解釈されることもあります。
a. Let’s have a lot of fun today.
(今日はたくさん楽しみましょう。)
b. We had a big earthquake yesterday.
(昨日大きな地震があった。)
▶︎ a では
「みんな」が自分たちのナワバリの中で「たくさんの楽しいこと」を経験しましょう、と呼びかけています。
▶︎ b では
「we」が自分たちの身近なナワバリの中で「大きな地震」があり、それを経験したことを
述べています。
◎どちらも
「経験する」という「状態」を示しています。
このように考えていくと、
have は①の「持つ」が基本的な意味で、そこから派生して
②〜④の意味が生じてきたのではないかと思います。
そして、そのどれにも共通するイメージが
have の基本イメージ:自分のナワバリにもの・状態・状況などが存在する |
ということです。
次回は、
動詞以外の have について解説します。
「have について?」は「その1」から「その4」まであります。
興味がある方は、どうぞ下記をクリックしてご覧ください。
👉have について その1(動詞)
👉have について その2(have to)
👉have について その3(現在完了)
👉have について その4(〜させる)
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