1週間の「ラジオ英会話」の文法的な部分を、
分野ごとに分けて、
それでは 12 月の第 2, 3,4 週に放送された「仮定法」についてです。
「仮定法」のまとめ
・ 「未来を表す」の次に、「仮定法」について勉強しました。
今回は、その「仮定法」についてまとめてみました。
Lesson 169 仮定法① 基礎
仮定法① 基礎
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎ wish:「現実感のない願望」を表すため、後続する節では仮定法が使われます。
[Key] I wish I had more clients.
※もっと多くのお客さんがいたらいいのに。
👉この文では「もっと多くのお客さんがいればいいのに」と現在のことを述べているのに、
I had 〜 と仮定法として過去形が使われています。「実際にはそうではないが – もっと多くのお客さんがいたらなあ」となっているのです。
◎現在のことについて過去形を使うのは、仮定法が表す「現実離れ」が「遠く・離れた」イメージを
持つ過去形によって実現されているため。
① I wish I had a jacket / more time / the answer. <ジャケット / もっと時間 / 答え を持っていたらなあ。> – キーセンテンスと同じ形。この形に慣れましょう。 |
② I wish I could help you. <あなたのお手伝いができればいいのですが。> -「できれば」と現在のことを述べているのに、使われているのは could。 「実際には助けることはできない」ことを意味しています。 |
③ When will we arrive? – I wish I knew. <いつ着くの?ーそれがわかればいいのですが。> I’m gonna beat you at chess. – You wish you could. <君をチェスで負かすよ。ーそうなるといいね。> – 会話でよく使われるフレーズ。最初の例は「知らない」ということ。次の例は相手を揶揄した 「そうなるといいね」。=「あなたは実際にはできないことをできると願っている」ということ。 |
Lesson 171 仮定法② 基礎ーbe動詞を使った仮定法
仮定法② 基礎ーbe動詞を使った仮定法
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎仮定法は、伝統的に単数主語でも be動詞は were としてきました。
(ただし、現代英語、特に会話では was も使われます。)
[Key] I wish I were a real human girl.
※私が本物の人間の女の子だったらいいのに。
👉この文も仮定法で、「実際にはそうではないが – 本物の人間の女の子だったらいいのに」という
こと。
① I wish I were [was[ a bird. <鳥だったらいいのになあ。> – どちらの言い方でもOK. |
② I wish I weren’t [wasn’t] so busy. <そんなに忙しくなければいいのに。> – 否定文にも慣れましょう。実際は「忙しい」のです。 |
③ I wish you were here. <君がここにいたらいいのに。> I wish you weren’t so stubborn. <君がそんなに頑固じゃなければいいのに。> – I wish you 〜 はよく使われる形。この形にはちょっと注意が必要なことがあります。 「君が〜であればいいのに」は、相手の様子や態度を批判する時によく使われる形。 2つ目の文がその文。言われてあまり気持ちのいい文ではありません。 |
Lesson 172 仮定法③ 過去についての反事実
仮定法③ 過去についての反事実
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎「過去の出来事について、可能性が著しく低い・反事実を表す」場合は「過去完了形」を用いる
👉仮定法は、時表現によって現異実離れを表現します。本来現在形で述べる事柄なら過去へ、
過去形で述べるべき事柄なら過去完了形へと「時表現をずらす」のです。
[Key] I wish you had told me abou tthat earlier!
※あなたは、もっと早くそれについて私い教えてくれればよかったのに!
👉この文は「教えてくれればよかったのに」ー過去に起こらなかったことに対する願望です。
過去について述べているのに、形は過去完了形(had + 過去分詞)。「時表現をずらし」ているのです。
① I wish I had eaten something. <何か食べておけばよかった。> – 過去完了形をなめらかに口から出せるまで練習しましょう。 |
② I wish I hadn’t overslept. <寝過ごさなかったらよかったのに。> – 過去完了形の否定の形にも慣れましょう。 |
③ I wish you had been there. <そこにあなたがいてくれたらよかったのに。> – 過去完了形で be 動詞を使う形にも慣れましょう。 |
④ I wish I / you hadn’t donne that. <私 / あなたがそうしなければよかったのに。> -「そうしなければよかった」はよく使われる決まり文句。 |
Lesson 173 仮定法④ if節を用いた仮定法1
仮定法④ if節を用いた仮定法1
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎ if 節を用いた仮定法文です。あり得ない仮定法を置く場合、助動詞の過去形を用いて弱く
控えめに「〜となるだろうなあ」とホンワカ結ぶ形です。[仮定法過去]
[Key] If I were you, I would apply for the teaching positions.
※もし私があなたなら、その教師の職に応募するでしょう。
👉 if 節内は「私があなただったら」という内容であるために、仮定法 I were。私はあなたになり
えないからです。結の節は would。これは「控えめ」を表す。助動詞の過去形。will は、現実的な強い
予測を表すため仮定法では使えません。だから「過去形」となっているのです。
① If I were you, I would apologize. <もし私が君だったら、私は謝るでしょうね。> -「ありえないでホンワカ」のリズムを手に入れましょう。 |
② If I had the key, I could open the door. <もし私がその鍵を持っているなら、このドアを開けることができるのに。> – had で現在についてありえない仮定。助動詞 can の過去形で「できるのになあ」とホンワカ。 |
③ If I had my tools, I might be able to fix this. <もし僕の道具があれば、これを直せるかもしれないのになあ。> – might で「かもしれないのになあ」と、may よりグッと低い可能性となっています。 |
Lesson 174 仮定法⑤ if節を用いた仮定法2
仮定法⑤ if節を用いた仮定法2
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法※「仮定法」
◎ if 節を用いた仮定法文です。今回は「過去の事実」に反する仮定なので、「時表現をずらし」
本来過去形を使うべきところを過去完了形を用い、結びの節は、助動詞の過去形+have 過去分詞
の形となります。[仮定法過去完了]
{Key] If I‘d had more time, I would have dug a small pond next to it.
※私にもっと時間があったら、その横の小さな池を掘ったのですが。
👉この文の if節は「実際にはそうではなかったのだが」と、過去の事実に反する仮定を行なって
います。そのため「時表現をずらし」過去完了形(I’d = I had had)としています。結びの節は
would have +過去分詞 – この形は「それまでに」起こったことに関して予測・推量などをする
形。あり得ない仮定を置いているので、will have を「控えめ」にして、would have 〜
(〜したでしょうねえ)とホンワカ結んでいます。
① If I had seen you, I would have said hello. <あなたを見かけていたら、あいさつしただろうに。> -過去に対する反事実的な仮定であるために if 節内は過去完了。「〜したでしょうねえ」は would have 〜.. |
② If I had been there, I could have helped you. <私がそこにいたら、お手伝いできたでしょうに。> – ここでは「目的」だと明示するために、in order to 〜 が使われています。 |
③ If I had started earlier, I would be done by now. ※if 過去完了, 主語+would 〜[現在] <もしもっと早く始めていたら、今ごろは終わっているでしょう。> -「結びの節」に注目。「過去に〜していたとすれば、今は〜でしょうねえ。」 |
Lesson 176 仮定法⑥ 織り込まれた条件
仮定法⑥ 織り込まれた条件
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎ if節用いず、文中に条件を織り込んだ仮定法
– without, with / otherwise / 「名詞」や「副詞句」にも条件を織り込むことができる
[Key] Without your assistance, I couldn’t have read that letter.
※あなたの助けがなければ、私はあの手紙を認めなかったでしょう。
👉この文では couldn’t have +過去分詞(〜できなかっただろうなあ)から、 Without your
assistance に「もしあなたの助けがなかったら」と、反事実の条件が織り込まれていることが
わかります。
① With time / With your guidance / With a little help, I would have found the solution. <時間 / あなたのご指導 / ちょっとした助けがあれば、私は解決策を見つけただろうに。> – 実際には解決策を見出せなかったと言う文。with 〜 にも「〜があれば」と条件がしばしば 織り込まれます。 |
② She’s with a client. Otherwise, she would join us for lunch. <彼女はクライアントといるよ。そうでなければ、彼女は昼食を私たちととるだろうから。> – otherwise は、「そうでなければ」と条件を織り込むことができます。 |
③ Thirty years ago, I would have liked this kind of music. <30年前なら、私はこの種の音楽を好きになったでしょう。> -「〜年前なら、…でしょう」は日本語でもよく使われる表現。 |
Lesson 177 仮定法⑦ 仮定法が使われる表現
仮定法⑦ 仮定法が使われる表現
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎仮定法を伴うフレーズ
・if it were not for 〜 (if it hadn’t been for 〜):〜がなければ(〜がなかったとしたら)
・if only 仮定法:〜であったらいいのに
・as if 仮定法:もし〜ならそうするように=まるで〜かのように
・It’s (high) time 仮定法:〜する時間です(そうする時間なのに – 実際にはしてない)
{Key] If it weren’t for classes, I’d be here every night.
※授業がなければ、私は毎晩ここにいるでしょう。
👉 if it weren’t for 〜 は「〜がなければ」。仮定法を伴うフレーズです。for は「原因」。
「そうした原因がないとすれば、毎晩いるのに」という表現となります。
⬜︎なお、if it were for 〜 (肯定文) という言い方はありません。
① If it hadn’t been for my alarm, I’d have overslept. <もし目覚ましが鳴らなかったら、私は寝過ごしていたでしょう。> – if it were not for 〜 の過去完了形バージョン。 |
② If only he were here. <彼がここにいてくれたらいいのに。> – if only 〜は仮定法を伴い、「〜であったらいいのに」と、かなわぬ願望や残念に思う気持ちを 表します。 |
③ She talks to me as if I were a child. <彼女は、私が子どもであるかのように、私と話します。> – as は「=」。as if 〜は、「もし〜ならそうするように」ということ。 仮定法を伴うと、「実際はそうではないのに」という意味が加わります。 |
④ It’s (high) time we left. <私たちはそろそろ出発する時間です。> -ここで仮定法が使われるのは、「そうする時間なのに – 実際にはしていない」というニュアンス。 high は「今こそ」という強調。それを過ぎたらもう遅い、というニュアンス。 |
Lesson 178 仮定法⑧ 助動詞の過去形
仮定法⑧ 助動詞の過去形
※「仮定法」
▶︎[1]「可能性が著しく低い・反事実(事実ではない)」を表す形
▶︎[2] 「現在のことを過去形で表す」のが仮定法
◎助動詞の過去形を用いることで、「控えめに」条件を織り込むことができます。
[Key] I can send you a list of properties. <私は、あなたに物件のリストをお送りできます。>
ー That would be wonderful! <そうしていただけると、とてもありがたいです。>
👉相手からの申し出に対する標準的な受け答え。
will に比べ厚かましさのない丁寧な感触です。それは would が「控えめ」な「〜でしょうね」
だから。will の持つ強い現実感が感じられないことが、「もしそれが実現ができれば – すばらしい
でしょうね」と控えめに条件を織り込むことにつながっています。
① Wouldn’t it be nice to live in Japan for a while? <しばらく日本に住んでみるのもいいんじゃない?> -「もし実現するなら」と条件を控えめに織り込む would。 |
② I would appreciate that. <そうしていただけると、ありがたいのですが。> – 事前の感謝。「してくれたら」と条件を控えめに織り込んでいます。 |
③ I don’t know what to do. <何をしたらいいのかわかりません。> ー I would start again from scratch. <私なら初めからやり直すでしょうね。> -「私なら」と反事実の条件を織り込むことができます。 |
④ Would it be OK to take the day off? <1日お休みをいただいてもよろしいでしょうか。> – would の「控えめ」が、Is it OK 〜?よりも一歩退いた丁寧なニュアンスにつながります。 |
⑤ Chris could do it. <クリスはできるかもなあ。> – 単に can の強さを減じた言い回し。 |
これで、「仮定法」について終了です。
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